CARRY ME代表 大澤亮 特集

ピッチから3ヵ月弱で1.1億円の資金調達完了!早期の資金調達を実現するために最も意識したこととは?

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大澤亮

ピッチから3ヵ月弱で1.1億円の資金調達完了!

プロ人材シェアリングサービスのCARRY MEは2019年4月10日のピッチから2ヵ月と20日後の7月1日に1.1億円資金調達した。

※2019年1月に融資で2000万円調達しており、リリースでは1.3億円の調達としてあります。
※ピッチはサイバーエージェントキャピタル社が主催するMonthly Pitchでした。

同ピッチに参加した投資家の皆様は非常に投資意欲も高く、ピッチ後10社以上とお話させて頂き、最終的にはそのうちの1社であるパーソルグループにリードインベスターとなって頂き、ヴァリエーションもこちらの提示したものそのまま受け入れて頂いたので、短期に、想定通りの調達額を、理想の投資家から、調達できたと思っている。

1億円以上のエクイティでの調達としては割と素早い資金調達ができたと思うので、その中で意識したことを記事にしてみた。

若手起業家や、大企業の方でも新規事業を考えている方にご参考になれば、と思っている。

※記事の最後に記載の通り、本記事を役に立ったと感じていただき、FBでシェア、もしくはTwitterでURLを共有いただいた方には、①投資家からの実際の質問リストと回答ポイント、②融資担当者からの実際の質問リストと回答ポイントの2点をFBの非公開グループにてご提供します。https://www.facebook.com/groups/1156832664524406/

面倒な資金調達活動を効率的にするための2つのポイント

スタートアップにとっては、資金調達活動は、正直ベースだと「面倒だしできれば簡易的・効率的に済ませたい」と思うのではないだろうか。

  • 資料作りが大変そう
  • ヴァリエーションをどうすべきか
  • 資本政策も考えるのが大変
  • そもそも調達できる可能性があるのか(なければ無駄な手間はかけたくない)


など、悩みはつきないのではないだろう。

大澤もまさしく、同様に思っていたので、なるべく無駄なことは避け、重要なこと2、3点に絞って時間を使って資金調達活動を済ませた。

また、運よく投資家側にいたこともあったので(ドリームインキュベータにビジネスプロデューサーとして約2.5年在籍、投資も一部担当していた)、以下の投資側の気持ち、理屈はそれなりに理解している。

簡単にいうと、以下の3つの要件を満たせば、投資したい、と思えるはずだ。

事業ドメイン(市場)が魅力的(市場規模がでかい、かつ成長)
・なぜ、魅力的なのにこれまでプレーヤーがいなかったのか
・世の中のどのような変化があって、事業として成り立つ要素がでてきたのかも合わせて説明できるようにする必要がある。

その魅力的な市場の中で、今後市場の中で他社より良いポジションをとれること、差別化して勝てる、もしくは独占できること

結果、中長期的に利益を生み出せること、収益性が高いこと

短期間で合意に至るには、「投資家が最も懸念するであろう点を予想し、投資家が納得するであろうストーリー」を準備し、語れることが極めて重要で、ここに資金調達にかける総時間のうちの7~8割の時間をかけた。

市場の中でのポジショニング、そのポジショニングの中で差別化する方法

上記3点が主に証明すべきポイントだが、いわゆるITスタートアップでは、どの説明に最も苦労するだろうか? 

恐らく、②の「市場の中でのポジショニング、そのポジショニングの中で差別化する方法、勝てる・もしくは独占できる根拠」、ではないだろうか?

事業アイデアは、他の人も考えられることであり、参入障壁を築けるビジネスモデルはそうそうない。

少なくとも、大澤はこれまで5度事業を立ち上げ(うち2度は売却)たが、どの事業も100%模倣可能なものであったし、投資を担当していた時も、本当に模倣できない差別化が明確な事業は殆どなかった。

ましてや、昨今は、異業種含め、どこから競合が参入してくるか予想不明な時代であり、その中で競争優位性を証明することは至難の業だ。

そこで、大澤は効率的な資金調達のために、2つのことを意識的に実行した。

1.自社の事業領域(事業ドメイン、事業の範囲)の明確化、潜在・顕在化している競合他社との明確な違いを、わかりやすく説明しきること

2.全く同じ事業領域に参入してきても、そこでは差別化が論点ではなく、市場が急成長する(から自社も成長しやすい)こと

自社の事業領域の説明で必要なこと

まず、1つ目の自社の事業領域の説明だが、「そんなもの当たり前だろう」と思われるかもしれないが、類似サービスが多いと、「どの領域に、なぜ」絞っているかの明確な説明が必要だ。

下手をすると同様のサービスを聞き飽きているかもしれない投資家は、「またあの類似サービスね・・・」と聞く気をなくしてしまう。

プロ人材のシェアリング事業のCARRY MEは、2016年から
・週2,3回出社して業務委託で仕事ができるプロ人材と、
・優秀な正社員をなかなか採用できない企業
のマッチングをしているが、世の中の働き方改革や、副業解禁の流れもあって、「近いが異なる」サービスが急増していることにより、「わかりやすい事業領域の定義が必要」と感じた。

言葉にすると、以下のような具合である。

CARRY MEは、副業ではなく、「本業」で週2,3回「出社して」業務委託で稼働できるプロ人材4500人を650社の企業に紹介しています。

よくあるフリーランス紹介事業や、在宅で働く女性支援でもなく、プロとして自律して働ける、企業からすると「正社員では確保できないレベルの優秀な層」のマッチングをしており、結果的にフリーランスや、子育て中のキャリアウーマン、起業家の登録があります。

こうした層のうち、「非エンジニア」であり「顧問」とも違う「30代中心の実務ができる」層で、「マーケッター中心」にマッチングさせていることが特徴です。

マーケッターの定義は、Webマーケティング各施策のプロ、広報・PR、上流のマーケティング(マーケティング戦略やブランディングなど)の3分野で、プロ人材約2000人を抱えています。

弊社がマーケティング複数のプロ人材を活用し、「広告ゼロで」毎月200人増のペースで、合計5,000名を突破しました。

なぜマーケティングにニーズがあるかというと、昨今のマーケティング施策は、SEO、広告運用、SNS運用・・・など多様化・高度化しており、企業は1人経験者を採用できても各施策には対応しきれないことから、複数の人材を採用する必要があるからです。

そうした際に各分野でプロの力を20万円~30万円/月で活用する、いわばプロ人材を「借りて内製化する」ことがで企業にとっての合理的であり、価値になるからです。

こうして事業領域の絞り込みと、その理由を明確にすると、副業や顧問サービスは多々あっても直接競合となる先は殆ど見当たらない。

しかし、投資家は必ず、「では、今後大手企業などが参入してきたときに、どう戦うのか。どう差別化を図るのか」である。
そこを先読みして、どう話していくかが極めて重要だと思う。

事業領域における市場成長性の説明

そこで2つ目の、「全く同じ事業領域に参入してきても、そこでは差別化が論点ではなく、市場が急成長する(から自社も成長しやすい)こと」の説明が必要だ。

大澤が考えたことは、「そもそも事業の成功や急成長のために、差別化が最重要な要因とならない市場であること」が重要だ、ということだ。

差別化はどの市場でも極めて重要ではないか?と思われる方は以下読んで頂きたい。

まず、どの事業でも独占できれば理想である。が、独占できるビジネスなどは非常に今の時代困難である。
(一時的に独占できてもすぐに他社に追随される)

次に、独占が難しければ、複数のプレーヤーがいる中で、明確に他社が模倣できないような差別化を実現できれば良い。
が、情報の伝達が早く、海外の情報ですら簡単に手に入る時代に、模倣されない差別化などは、独占するのと同様に、なかなか難しい。

であれば、独占でもなく、差別化も意識しないで済むような市場を選ぶことが重要なのではないか? ということだ。

では、競合との差別化を最優先で意識しなくても良い市場はどんな市場か。

簡単にいうと、

「市場全体が急成長する」ことが確実な「ブルーオーシャン市場」であり、
Winner Take All(勝者総取り)にはならない市場であり、
上記条件のもとに、スピードをもって成長市場に対応できる体制が自社にあるという根拠があれば、尚良い、
と考えていた。

「市場全体が急成長する」ことが確実な「ブルーオーシャン市場」であること

まず、①において、ブルーオーシャン市場において、競合がいない間は、実質独占もしくは寡占しやすいが、ブルーオーシャンは、永遠にブルーオーシャンということはあり得ず、場合によっては早期に競合が参入してくる。

その時に重要なことが、「市場全体が急成長する」、ということである。

成長しない(もしくはすぐに市場が飽和する程度の小規模な)ブルーオーシャン市場だと、すぐにレッドオーシャン化して、「決められたパイの奪い合い」になる。利益を享受できるとしても、その一間限定、ということになってしまう。

一方、急成長する市場かつ一定規模以上を見込める市場であれば、巨大化するパイを複数で分け合うことになるので、競合を意識しないでも、自社プロダクトに専念することで自然と成長していける。

1970年代、80年代に多くの日本企業が同時に成長できたのは、各社が差別化を図ったからではなく、人口が増え、1人あたりの所得も増えたため、殆どの市場全体が急拡大したからにほかならない。市場全体が急拡大するなかでは、差別化が論点にはならないのである。
成長市場では、複数の会社が、同時に売上も利益も成長できる。

「プロ人材市場」でいうと、日本の若手労働人口が急減し、これまで人材=正社員採用一辺倒の日本では、外部人材の活用が殆ど進んでこなかった(つまり市場拡大の余地がある)という背景があり、この市場は急成長することは間違いない。

※日本では外部人材(弊社でいうプロ人材)の活用率は18.9%にとどまっているのが現状である。

ロジックだけでなく、自社でも実際に急成長ができていることが伝えられると、説得力が増す。
CARRY MEの場合は、2つのことで市場が成長することを証明した。

・1つは、自社が前年から売上640%(7倍)で急成長し、かつ年次で黒字化できていたこと。
・もう1つは、自社の成長の理由が、自社に登録してくるプロ人材を積極的に活用し、プロ人材:正社員の割合を9:1(2019年6月時点)で構成し、Webマーケティング、法人営業、など至る箇所でプロ人材を半ば社員のように扱いながらも成長できたことだ。 

(転職市場にはいないレベルの)プロ人材を活用することで事業を急成長させることが有効であることを自社で証明している。

自社が成長している方法を、そのまま他社に導入しており、かつ多くの取引先が「継続して」「1社あたり複数のプロ人材」を活用頂いていることは、何より市場があることの説得力がある。

②Winner Take All(勝者総取り)の市場では「ない」こと

最終的に、1社のみが生き残る、いわゆる“Winner-Take-All”の市場ではないことも重要である。GoogleやAmazonなどは世界でもはや1社で市場を独占しようとしている巨大企業である。

こうしたWinner Take Allの市場だと、大きく勝つか、あとは負けて撤退するか、というどちらかになってしまう。その大きく勝つのは大抵、1社のみである。

1社のみが生き残る市場において、「当社がその1社になります」というのは、もちろんリターンも巨大になるのだが、そこへのハードルはとてつもなく高く、かつ、それを投資家に証明することは困難極まりない。

プロ人材のシェアリング事業は、カテゴリー分けをするとしたら、人材系、HR関連のサービスに属すると捉えることができる。いわゆるHRの市場は、ほぼ全ての領域で勝者総どり、にはならない。
媒体であればマイナビ、リクナビ、Typeなど多くが混在する。

CARRY MEは近い将来、法人と個人が直接やりとりできるようにする、いわゆる「ダイレクトリクルーティング型」に移行させるが、このダイレクトリクルーティングという1つの市場でもビズリーチ、Wantedly、Green、ミイダス、など多々サービスが存在する。
更に、職業紹介(人材紹介)会社だと、なんと16,000社を超える企業が存在する。

つまり、独占とは真逆の「複数が存在し、かつ利益をそれぞれが生み出せる」市場である。

③スピードをもって成長市場に対応できる体制

そして、最後が、3つ目のスピードを持って展開できることが重要となる。
市場が急成長しており、複数の会社でパイを分け合えても、スピードが遅ければ、「美味しい部分」を獲り逃し、後塵を伍してしまうことになるからだ。

弊社がスピードを持って展開できることの理由として、第一に挙げたことは、弊社が「プロ人材採用・活用し放題」だからである。

2019年7月時点で毎月200人のプロ人材が登録し4800人の登録者となっているが、2023年には20万人のプロ人材登録者を想定している。

こうしたプロ人材を、(正社員であれば6ヵ月から1年など時間を要するところを)必要な時に(すぐに)、業務委託なので必要な分だけ活用でき、しかもそのプロ人材活用のノウハウも自社で保有しているので、こうしたリソースを活用してスピード展開することができるという、根拠がある。

ご参考まで、現時点での組織図は以下の通りであり、現時点でも正社員:プロ人材比を1:6(3人:18人)としながらも、上記の通り急成長を実現できている。


以上が、早期の資金調達のために、意識したポイントであるが、正確に言うと、起業や新規事業を開始する前に上記のようなポイントを意識するとより、その後の調達、成長もしやすいはずだ。

【投資や融資の相談の際の質問リストと回答例のポイントを共有】

実際には本記事以外のポイント以外にも、投資家からの様々な質問があります。
投資・融資の際に全て質問事項をメモしていたので、本記事を役に立ったと感じていただき、FBもしくはTwitterでシェアいただいた方には、合計約20社の投資家からの質問・回答例、と、銀行・信用金庫からの融資の際の質問リストと回答例をお送りします。

① 今回合計約20社の投資家からの質問(と返し方)と回答ポイント(弊社事例つき)
※弊社への投資を見送った企業の、その見送った理由も記載しています(A4 9ページ程度)

② 2社(銀行・信用金庫)からの融資の際の質問リストと回答ポイント(弊社事例つき)
※弊社への融資は満額が承認されたわけではなく、一部承認されませんでした。その理由も記載しています(A4 7ページ程度)

【秘密のFacebookグループ「資金調達ノウハウ公開!投資・融資担当者からの質問共有グループ」の参加方法】
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投資と融資では「全く見る視点が異なる」ため、これから融資、投資の相談をされる方にはお役に立てるのではないかと思います。最後に、短期間での資金調達のためには、(当たり前ですが)短期で投資の決定をできる投資家にコンタクトをとることが必要です。そうした意味では、ピッチで登壇して早期にパーソルグループさんと出会えたことはラッキーでした。
改めて、パーソルグループさん、他投資家の皆様、また、投資家との出会いを創ってくれたMonthly Pitch運営事務局(株式会社サイバーエージェント・キャピタル)さんに感謝いたします。

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この記事を書いた人

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大澤 亮

5度の事業立ち上げを経験し、過去に2度事業売却したシリアルアントレプレナー。
1996年に新卒で三菱商事株式会社に入社、タンザニア駐在経験(ODA担当)を経て、帰国。同社退職後、1999年に慶應義塾大学大学院(経営管理研究科修士課程)に入学と同時に起業、2度売却。(日本初の比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立しサイバーエージェント社に売却)

その後、株式会社ドリームインキュベータに入社し、大手企業とベンチャー企業両方の経営コンサルティング、ベンチャー企業投資も担当。同社退職後、土屋鞄製造所に取締役兼C.O.O.として入社し、2年で売上20億円から45億円、経常利益も2倍以上にして退職。その間、人事担当役員として数百人を面接。

2009年 株式会社Piece to Peaceを創業、2013年にスキルのマッチングプラットフォームshAIR(シェア)を創業し、会員1万人に。2015年には、週2、3回で業務委託契約で働くプロ人材(助っ人プロ)と、人手不足の企業の仲介サービス「CARRY ME」のコンセプトを立ち上げ、1年で黒字化達成。300人以上の経営者や人事担当者から採用の相談にも応じている。
著書 「世界をよくする仕事で稼ぐ」 (プレジデント社より出版)

アカデミーヒルズ(六本木)等での講演多数。

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