本田圭佑氏と考える「プロ契約」。キャリーミーに出資した理由とは?【特別対談 第1回】
「プロとして契約。誰よりも成果にこだわってきた。」
2022年4月18日から本田圭佑氏が出演するキャリーミーのタクシーCMがスタートした。このCM撮影日に、本田氏とキャリーミー代表の大澤との対談が実現。本田氏が「プロ契約」やこれからの雇用の在り方、キャリーミーに出資した理由など、率直に語った。
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厳しいけれど夢がある「プロ契約」の社会
大澤:キャリーミーでは「ビジネス界におけるプロ契約」、つまりプロ人材が業務委託契約で働くことをプロ契約だとお話しています。その世界観はまさにプロサッカー選手など、プロのスポーツ選手と重なります。
活躍すれば活躍しただけ対価として高い報酬をもらえる一方、パフォーマンスが悪ければ契約を解除されてしまう。本田さんにとって、プロ契約とはどのようにお考えでしょうか。
本田:今おっしゃったことがそのままプロの定義だと僕も思っていて、ずっとサッカーをやってきました。
子供の頃にサッカー選手になりたいと思い、サッカーで成功することを目標にしてきました。サッカーが好きなのはもちろんなんですが、実際は夢のような報酬がもらえるからというのも理由の一つでしたね。
あまりクローズアップされないですが、サッカー選手やプロ野球選手が将来の職業として人気があるのは報酬が高いことも大きいのだと思います。
今だとユーチューバーとか、成果によって報酬に上限がないような職業には優秀な人材が集まるんですよね。成功すれば活躍する場がもらえる一方で、パフォーマンスが上がらなかった時には自己責任で来年の仕事さえなくなってしまうという厳しい世界です。
大澤:我々も、そういう、ある意味厳しいけれども夢がある世界を意味して「プロ契約」という言葉を使っています。
本田:リスクをリスクと思わず自分に自信がある人たちが契約していく世界ですよね。僕自身もまさにプロとして各クラブと契約して、1年1年勝負しています。
僕はそのプロ契約のあり方が非常に大好きで。このあり方がプロスポーツアスリートだけにとどまらず、社会全体に広がっていくべきだと思ってます。
特に日本は、一時期アメリカを驚かすところまで経済成長しました。それは人口増加など、色々な外的要因があったのだと思います。
今ではそんな外的要因は味方をしてくれない。終身雇用など、日本の雇用システムが壊れはじめています。このような状況下で、安定というよりはむしろ「やったもん勝ち」「成果を出したもん勝ち」という社会の流れ、構図ができ始めていると思います。
プロ契約時代になっているんですよね。
大澤:ありがとうございます。まさにおっしゃるとおり終身雇用は崩れてきていますが、日本の社会や企業は年功序列の慣習が未だに残っています。
サッカーでは、当たり前ですけど、年齢関係なく対等じゃないですか。日本のビジネス界では年配の人が高い報酬を得て、20代30代の若手が実力はあるのに低い報酬に抑えられている。
そういう社会を壊して本当の実力主義の社会を作っていくという意味で、プロ契約をもっと浸透させていきたいですね。
本田:日本は変わってきているとは言いつつ、変わるスピードがとにかく遅いなと感じています。僕も海外から日本を見てきたひとりの日本人として、日本のことが好きだからこそ言っています。
逆に日本の強みは、一度決めてしまえばすごく丁寧かつスピーディーにアクションを進められる点だと思います。今お話していた「終身雇用から実力主義へ移行する雇用慣習の改革」は、どこかでターニングポイントが来るはずです。
日本は決まるまでが勝負で、決まってからは割と一気に変わるんじゃないかと思っています。
優秀さとコミュニケーション能力ー本田圭佑氏の投資基準とは
大澤:続いて本音でお伺いしたいんですが、キャリーミーになぜ投資をしてくださったんでしょうか?本田さんの思いや考えをお聞かせください。
本田:ビジネスモデルはもちろんですが、大澤さんとお話をさせていただいたとき、僕の中で大きな可能性を感じたといいますか。
僕はファウンダーを見て、コミュニケーションの取り方やその方のバックグラウンドを含めて投資をするか判断をします。
僕は、ただ優秀なだけでは成功しないという哲学を持っていまして。投資にもこの哲学を反映させているつもりです。大澤さんが優秀かつコミュニケーション能力を大事にしている方だと感じたのが「ぜひ投資させていただきたい」と言った率直な理由ですね。こんなことを言うと僕が偉そうになってしまうんですけど。
大澤:ありがとうございます。本田さんからの投資は涙が出るくらいうれしかったですね。というのはキャリーミーがまだまだ苦しい時期に投資をいただいたからです。
IPO直前で投資されるベンチャーキャピタルもいる中で、シリーズAで手を挙げてくださる投資家さんは本当に貴重です。
日本ではリスクを取る人に対してリスペクトする気持ちが少ないんじゃないかと思い、僕はキャリーミーを立ち上げています。
キャリーミーで活躍するプロ人材は、ほとんどが正社員ではなく独立している方なんですね。そういう人が今まで評価されていない。
キャリーミーは「プロとして独立してやっている方々は、リスクを取っているしそれだけ優秀だ」という世界観で運営し、サービス提供の形で応援しています。
本田:いいですね。キャリーミーに属されるプロ人材の人たちにもどんどんリスクを取って頑張ってほしいなと思っています。
次回の対談では、「優秀なのに成果を出せない選手を多く見てきた」と話す本田氏から、成果を出せる人と出せない人の違いについて伺う。
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