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今さら聞けない「フレームワーク」基本の“き” 第1回 〜3C・4P・STP〜

marketing concept with financial graph and chart

仕事をしたりビジネス書籍を読んだりすると「ビジネスフレームワーク(以下、フレームワーク)」という言葉をしばしば目にします。また、フレームワークには幾つか定番があり、多くのビジネススクール(MBAコースなど)では基礎知識として習います。

なんとなく耳にすることワードですが、そもそもフレームワークとは何でしょうか。

今回は「フレームワーク」とは何なのかと、そのうち良く使われる基礎的なものを3つ(3C、4P、STP)をご紹介します。知っているよ!という方も、基礎の見直しとして、ぜひご活用ください。

フレームワークとは?

「フレームワークって何?」と聞かれて、皆さんはどのように答えるでしょうか。

有名なものには今回お伝えする3C、4P、STPなどがあります。また、イベントやプロジェクトをやった後によく使われるKPT(Keep(続けること)、Problem(解決すべき課題)、Try(次回チャレンジすること)を皆で出し合うもの)を実践しているという方もいるでしょう。

これらの多くは、学者たちが「ビジネス」や「経営」のケーススタディを研究して、自分たちの仮説に沿って検証・体系化したものです。「このフォーマットで考えれば、割と物事が整理できる」ツールだと思ってもらえれば良いと思います。

世の中の経営理論のほとんどはフレームワーク化されていないため、あまり知られていません。そのうち、一部の理論が誰でも分かりやすく/使いやすく体系化されてきたのです。

フレームワークは絶対ではない

フレームワークはうまく使えば便利なツールですが、「絶対」ではありません。

経営もビジネスも生き物。企業が置かれる環境、取引先、メンバー…条件が一人違えば違う選択肢を取らねばならないことばかりです。

ビジネスそのものに正解がないのだから、ベストは自分でフレームワークをアレンジし、考えられるようになることです。重要なのは、フレームワーク的な思考を自分の思考のタンスに入れることなんです。

早稲田大学で人気の経営学者である入山先生は「フレームワークは下手をすれば思考停止のツール」とおっしゃっていました。これを使えば大丈夫というわけではないこと、またフレームワークは「ツール」でしかありません。

ただし、うまく使えればこんなメリットも!

  • 無秩序にある要素を整理整頓できる
  • 人に伝わりやすくなる
  • 人との共通言語になり、議論がしやすい
  • 情報が整理されるので、物事の決定がしやすい
  • 繰り返し使える

ぜひ、味方につけたいですね。

3Cのキホン

3Cは一番有名なフレームワークの一つで、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。3Cは自社を取り巻く「環境分析」のためのツールです。

頭文字が「C」でまとめられていて、覚えやすいですね。MECE(漏れなく、ダブりなく)になっていることが重要です。企業を取り巻く環境要素の大枠が漏れずに考えられるツールです。

3C

この3つは知ってること自体ではなく、「バランスよく」分析することが大切です。

当たり前のように思えますが、普段の仕事から全部を意識するのは意外に難しいことです。

バックオフィスにいると、ついつい社内ばかりに目が行きがちになったり、カスタマーサクセスをやっていると顧客のことばかり考えてしまったり。日常の仕事でそうなるのは良いのですが、たまに自身の仕事や、会社の環境を俯瞰して考えることで多くの発見があるかもしれません。

4Pのキホン

4Pは3Cと並んで、非常に有名なフレームワークのです。4Pはマーケティング(商品/サービスを生み出して売る)の大枠を捉えるツール。頭文字が「P」でまとめられていて、覚えやすいですね。

4P

これら4つのPは、3Cのように単に俯瞰して情報を整理するだけではなく、お互いの整合性が取れていることが大事です。

例えば、商品の内容(Product)に見合った価格(Price)になっているか?
商品(Product)と価格(Price)に適した販促方法(Promotion)か?
流通場所(Place)と宣伝方法(Promotion)は相乗効果を生み出せているか?

お互いに適切であること、できれば相乗効果を生み出せる内容であることが大切です。「価格が高すぎかな…」と何となく一つの要素を考えるよりも、正しい答えが出てきそうですね。

4Pの上位概念STP

実は、今お伝えした4PにはSTPという上位概念があります。STPは下記の3つの概念の頭文字を取ったものです。

STP

いずれも多くの場合は、2次元の軸で考えます。
例えば横軸に「年代高い・低い」、縦軸に「高級感重視派・お手軽感重視派」と入れるなどです。2軸が基本の理由は2つ。一番重要な要素を絞ることで他製品/サービスとの差別ポイントを明確にするため。もう一つは、人間の頭では2軸を超える処理が難しくなってしまうためです。

(「図の場合・表の場合」の絵)

STPをうまく考えるには…

さらっと「2軸で考えよう」と言ってしまいましたが、意外にこの2つの軸作りが難しいんです。

セグメンテーションには大きく分けて、「地理」「人口統計」「行動」「心理」4タイプの軸の変数があります。

昔は簡単に把握できる「地理的変数」、「人口統計的変数」を利用することが多かったのですが、消費者の購買行動が把握できるようになり、その購買心理/習慣を予測できるようになると、「行動的変数」「心理的変数」も必要となりました。この「行動」「心理」の分類は無数にあるため、何を重視するべきかは個人のセンスと経験に依存します。

「自社の商品/サービスの最たるターゲットは誰か」
「自社の商品/サービスの他社にはないウリは何か」

これを問い続けて、ようやく軸が決まります。

例を挙げてみましょう。
浅草に「ペリカン」という昭和17年(1942年)創業のパン屋さんがあります。パン好きなら誰しもが知るお店は、その人気から2017年にドキュメンタリー映画にもなりました。

ここのコンセプトは「毎日食べても飽きがこない、和食のご飯のようなパン」。加えて、「周りと争うのが嫌だから」食パンとロールパンだけしか作っていません。そんな人気パン屋さんのポジショニングを考えてみました。

ポジショニングマップ

赤く囲んだところが、「ペリカン」のポジショニングだと考えました。「日常感がある」「種類を減らして絞る」という店が「ペリカン」の特徴だと考えたためです。
※個人的な意見のもと作成したものです。

STPには1つの正解はありませんので、ぜひ自分の関わる商品/サービスについては納得のいく軸を考えてみましょう。

重要なのは「その後」のアクション

今回は、フレームワークとは何かと、基本的な枠組み3つをお伝えしました。

ただ、重要なのはフレームワークを使うことではなく、それをどう活用するかです。物事の要素や変数を整理することで、新しい気づきを得たり、仲間と共有したりして、新しいアクションにつなげてください。

次回は、引き続きMBAで基礎として習う人気のフレームワークをご紹介します。

[writer-maruyama]

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