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【キャリーミーCMO /毛利優子さん】業務委託で執行役員CMOになるまで!キャリーミーが提唱する新しい働き方の形

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一度正社員を辞めると組織の中で裁量や責任のある立場になることは難しいのでしょうか?キャリーミーのCMO(最高マーケティング責任者)である毛利優子さんは、業務委託ながら執行役員CMO。プライベートでは中学一年生から一歳までの4児のお母さんです。大学時代に第1子を出産。キャリアのスタートから時間に制約がある中で成果をだし、プロ人材として執行役員になった毛利さんの職業観や業務委託として成果を出すヒントを伺いました。

毛利 優子(もうり・ゆうこ)
CARRY ME(キャリーミー) CMO
大学時代に長男を出産し、人生初の就職活動と子育てを同時進行し、大手監査法人に就職。27歳の時に、未経験でITベンチャー企業へ転職。ワーキングマザーを応援するサイトを企画し、月間10万PV・収益化に成功しMVP受賞。独立後はキャリアや働き方に関する情報を書籍やメディアで発信する他、企業で講演なども行う。
著書に『これで解決。働くママが必ず悩む36のこと』など。

自由度の高い働き方・業務委託でポジションとやりがい、報酬を実現するための方法

―キャリーミーの事業にジョインすることになったきっかけをお伺いします。代表の大澤とはどのように出会ったのですか?

大澤さんとの出会いは、キャリーミーのサービスの前身である教える人と学ぶ人のマッチングプラットフォーム『shAIR』というサービスで、講師をしてくれませんか?と私のサイトにお問い合わせがあったことです。

サイトのお問い合わせフォームって頻繁に営業メールが届くので最初は無視しようかと思ったんですが(笑)、署名に大澤さんの書籍のリンクがありました。「あ、本出されている方なんだ!」と興味を持ち、本を読んだ上でお会いすることを決めました。
その後、shAIRのイベントで登壇し、人材紹介の事業を立ち上げるという話を聞いたんです。

人材紹介といっても通常の正社員転職ではなく、週2-3回出社でプロ人材を企業に紹介すると事業に共感しジョインしました。その頃私は、働き方や仕事と育児の両立に関する本を出版した直後だったのですが、いくら仕事術のノウハウをまとめても、結局柔軟な働き方を実現できる環境がないと本当に困っている方は助けられないのではないか?というもどかしさを感じていたんです。

あのときメールを無視しなくて本当に良かったと思います(笑)。

―CMOという、一般的には正社員が担うポジションを業務委託で担っているのは驚きですが、そのきっかけは?

CARRY ME×PERSOL INNOVATION
(資金調達実施時のリリースより)

お取引先の方にお話していても驚かれますね。

キャリーミーでは、業務委託=プロ人材 という定義なので、成果さえ出せば、やりがいのある業務・ポジションに就けます。マーケティングだけに関わらず、営業やCA(キャリアアドバイザー)の方もほぼ業務委託で構成しており、現在も正社員は3名です。

私の場合は、SEOを中心に広告なしで毎月150-250名を集客する仕組みを作った点(※2019年11月時点で登録者数5,300名)を評価してもらい、CMOになりました。

―業務委託で、お仕事を広げて行く・継続していくことが難しく感じている方もいらっしゃいます。毛利さんの考える「業務委託で仕事を広げるコツ」は何ですか?

私の場合、業務範囲はここだけと決めてしまうのではなく、事業の課題をどうしたらクリアできるか?経営者やメンバーの方が困っていることで自分にできることはないか?と考えながら行動していくことで、自然と仕事の幅が広がったように思います。

事業の立ち上げ当初は、ヒト・モノ・カネ全てがないない尽くしなので、ほぼすべての業務を大澤さんと二人で分担していました。マーケティング以外にも、キャリアアドバイザーとしての面談、営業、名刺の発注、日程調整、イベント運営、請求など…。マーケティング担当者というより、当時は「何でも屋さん」という言葉が適切だったと思います(笑)

この経験で、「条件面(報酬)に合わせて仕事量を調整するようなスタンスでは、0から1を生み出すことは難しい。まずは、結果を出すことが大事で報酬やポジションはあとからついてくる。」と学びました。

―自らアンテナを張り業務範囲を広げたからこそ今があるのですね。ですが、そのようにアンテナを常に張り多くの仕事を巻き取って業務範囲を広げる方法には物理的な限界もあります。

おっしゃる通り、個人事業主やフリーランスは、自分ひとりの体で、1日24時間というリソースをどう配分するかを考える必要がありますよね。

わたし自身も4人子育てと両立するなかでしばしば業務量がパンクすることあります(笑)。そういうときは、単に報酬に対して業務量が多いと感情的になるのではなく、業務をすべて洗い出し、どこを切り分ければよいか判断した上で、引き継ぎ方法も提案しています。

例えばキャリーミー立ち上げ時に私が全てやっていた事務作業は、現在ほとんどをオンラインアシスタントに移行しています。

ただ、同時に複数のクライアントさんを持っていらっしゃる方は、この方法は合わないと思います。

自分の専門スキルで複数のクライアントさんの課題を解決することで実績を作っていくか、クライアントの数は抑えつつ、戦略的なポジションでコミットメントを高めるか、業務委託でも色々なパターンがあるので、自分に合う働き方を探していくのが良いかと思います。

SEOのプロからCMOに。「全員業務委託」のマーケティングチームで会員登録者数5300名を超えて、黒字化を実現。

フリーランスと企業の仲介サービスCARRYME(キャリーミー)創業メンバーの大澤亮さんと毛利優子さんの仕事風景
(代表大澤との打ち合わせ風景)

―毛利さんご自身がプロ人材として業務委託での働き方を実践されていますが、現在の仕事内容や働き方について教えて下さい。

現在は、サイトのディレクションや編集、SEO対策、イベント集客、登壇を担当させていただいています。チャットワークや電話等で日々やり取りはしていますが、マストの出社は週1回のマーケティングミーティングと月1回の定例会など数件です。それ以外も随時プロジェクトごとに必要な方とミーティングを設定させていただいて進めています。

―キャリーミーのマーケティングのメンバーは全員業務委託と伺いました。

そうです、メンバー全員が業務委託のプロ人材です。各分野のプロフェッショナルの方と一緒に働けるのは本当に刺激的で、幸せです。日々、勉強させていただいています。

―マーケティングメンバーが全員業務委託であるメリットは何ですか?

マーケティングはセンスも必要ですし、SEO、広告運用、オウンドメディアなど施策も多様化しているのでピンポイントで実績のある方を採用し、実務まで担当してもらう方法が最も効率的だと思います。

もし私が正社員しか採用できない中でマーケティングをすべて見てと言われていたら、考えただけで恐ろしいです(笑)スタートアップで高額の給与も支払えない中で優秀な人を集めるのは非常に難しいですから。

キャリーミーのマーケティングチームの手法については「マーケティングは、内製化 vs 外注?CARRY MEが実践したコスパ最強のマーケティングチームづくりを公開!」の記事からどうぞ

業務委託が採用の新しいインフラに─働き方に制限があっても諦めない!


(CARRY ME night Vol.2の様子)

―現在は業務委託のCMOとして大活躍されていますが、監査法人勤務からお子さんのいる中での転職活動、また、そこから独立とこれまで思い切った決断をし続けたように感じます。なぜそのような選択をしたのですか?

監査法人のお仕事は、15時30分退勤のお母さんもいましたし、ボーナスも年2回出ていました。周りも優しい方たちが多く、子育てとの両立に理解のある環境で恵まれていたと思います。でも自分のキャリアという視点で考えると、事務を中心としたお仕事に先が見えなくなってしまったんです。

管理職でいきいきと働くイメージも持てず、「本当にやりたいことは何なのか」とずっと自問自答していました。当時20代後半で子どもがすでに3人いたので、非常に厳しい道のりになるとはわかっていましたが、未経験職種の転職にチャレンジしました。

―その行動力、本当に尊敬します…!私は、毛利さんがアドバイザー時代に面談していただいた1人ですが、毛利さんやキャリーミーに出会うまでは子供がいるからできない、時間に制限があるからできない、と諦めていたんです。

毎日、子供の保育園のお迎えが必要で残業ができないだけでなく、転職のときの希望職種の経験もゼロでした(笑)

ただ、「自分がこんなことをやってみたい」「こんな働き方をしてみたい」と思ったときに、どうせ子供がいるから無理・・・と最初からあきらめず、何か方法があるはず!とアンテナを張りながら、できることから少しずつ実践してきました。

―そうした「諦めない気持ち」は、どのような思いから湧いてくるのですか?

それは、しっかり自分が自立することと、家族や周りの人を大切にすることが、人生で一番大切にしたいものだからです。
長男を産む時、私も夫も大学生だったので周りからの反対がありました。それを押し切って結婚したこともあり、きちんと自立することが自分に課す最低限のハードルだと思ってきました。

―私自身、子連れの転職を経験した時、「自分の経験のない職種への挑戦」と「フルタイム以外の働き方」の両立を提案してくださったのはキャリーミーだけだったんです。しかも、それを実践していた毛利さんが私にお話してくださったので、説得力がありました。

ありがとうございます!そのようなお声は本当に嬉しいです。

キャリーミーの最大の特徴は、業務委託のプロ人材の集団として、ゼロから事業を成長させてきたことです。ダンサーや歌手などのアーティストや他の事業と両立している方や、年に何度も海外に行ってリモートで活躍している方など、メンバーは本当に多彩。正社員にも週4勤務で、世界一周経験者という方も!

私自身もこの働き方を通して、一番大切にしたい家族との時間を確保しながら、やりがいを持てる仕事と両立することができ、すごく感謝しています。と同時にマネジメント側としても、業務委託のプロ人材という採用の選択肢があることで素敵なメンバーの方に恵まれ、これまで事業を成長させることができました。

キャリーミーが新しい採用・働き方のインフラとなり、企業も、個人も多くの挑戦ができる社会になるよう、少しでも貢献していきたいです。

この記事を書いた人

azusa watanabe
渡部 梓

大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。