温泉の力で未来を変える!地方ベンチャー企業の採用の課題解決に貢献したプロ人材、感動の採用秘話とは?
500社以上の採用の相談に応じているCARRY ME(キャリーミー)代表の大澤が、先鋭的な採用や人事制度に取り組んでいる企業の経営者に、採用の本音をインタビューする本企画。
第10回は、「温泉の力で未来を変える」というキャッチコピーのもと、「ジャパンベンチャーアワード2015」で地方創生特別賞を受賞、さらに、「温泉藻類®RG92」を乾燥粉末状にした機能性食品素材の開発が経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されるなど、注目を集めていてる株式会社サラヴィオ化粧品の代表取締役社長の濱田拓也さん。
地方のベンチャー企業が抱える採用の課題やCARRY MEのプロ人材を4名採用した率直な感想を伺いました。
——まず始めに、サラヴィオの事業概要について教えてください。
一言でいうと、研究開発型のバイオベンチャーです。大分県別府市の温泉を活用して、美容、医療の分野に特化したバイオ技術の研究開発をしています。
——どのような商品を開発・販売していますか?
温泉から採取した微生物を培養してエキスを抽出し、それを化粧品やサプリメント、機能性表示食品の原料として展開しています。ヘアケア、スキンケア、ボディケアの3つのカテゴリで化粧品を製造しています。
——具体的な売上げは、どういう項目に分かれますか?
一般的な卸といわれているところが、大体売上げの40パーセント。また40パーセントくらいが、テレビやカタログ、ウェブなどの通信販売です。残りの約20パーセントがPBやOEM、それから直営店舗における直販です。
——温泉は自社で持っていらっしゃるのですか。温泉からの収入というのは、どこに入るのでしょうか。
温泉は自社で持っていますが、研究開発と社員の福利厚生が目的となっており、温泉自体の収入は一切ないです。研究で利用する場合、微生物だけ採取したら温泉はもう使わないので、従業員やお客さんが来たときだけ利用しています。もったいないので、発電事業の活用も検討しているところです。
——なるほど。温泉は特に売上げに直結しておらず、研究開発のためや社員の福利厚生に利用していて、売上げは、卸、EC、小売というところで立てていらっしゃるのですね。次に、御社の事業が社会のどんな課題を、どのように解決されているか教えていただけますか?
「温泉の力で未来を変える」という弊社のコピーの通り、温泉を通じて、健康や美容に貢献することです。これから日本は少子高齢化で高齢者が増えてきますよね。そして、平均寿命がさらに延びる。織田信長の時代は、今から400年、500年くらい前は、人生50年といわれたのですが、今は、もう人生1世紀、100年。いわゆる倍ですよね。そうすると、65歳か70歳に病気をして、30年間病院で寝たきりという人も絶対的に増えていきます。これじゃあ辛いですよね。
そこで、テーマとなるのが「30年間をいかに健康で過ごすか」という健康寿命。じゃあ、健康で過ごすためにはどうするかというと、病院に行って、薬をもらって、手術をしてとか、そういうことだったら、これは健康とはいえないですし、また、当然、医療費も増えて、個人だけでなく国にとっても大きな問題にもなってしまう。
重要なのは、未病とか予防という、「病気にならない生き方」ですね。そのためには、日頃の体調管理やメンタル的なものも含めて、やはり、温泉のような自然のものを使った体のメンテナンスが必要になってくると思っています。
——日本がこれから直面する大きな課題の解決に取り組まれていらっしゃいますね。現在の事業をしていて嬉しかったこと、具体的なエピソードはありますか?
お客さんのほうから、涙を流しながら、「濱田さんに出会って、このサラヴィオさんの化粧品を使ったおかげです」と言われると、やっぱりうれしいですよね。本当にいらっしゃいますから、そういう方が。感謝の手紙を送ってくれたり、泣きながら電話がかかってきたり、わざわざ店舗に来てくださる方までいます。
——それは嬉しいですね。ちなみにその方々は具体的に何に感謝しているのですか?
アトピーが圧倒的に多いです。もう一つ多いのが、リウマチ系の痛みです。その代わり、「死にたいです」とかそんな電話もいっぱいかかってきます。アトピーって、全身かゆくて眠れなくて大変なんです。
——そんなに大変なんですね・・・。先ほどの医学的にというお話で、これも、温泉は、治癒効果があると認められているのですか?
実は、世界で初めて、温泉の効能について、その効果を科学的に証明したのが、我々の研究チームなんです。
——素晴らしいですね!もっとPRしたほうがいいんのではないですか?
そこが非常に難しいところなのですが・・・。化粧品会社なので、製薬ではありません。そのため、化粧品としては効果効能がうたえない難しさがありますね。研究活動においては、科学者たちの教科書に採択されるくらいの研究成果をもっています。
——次に現在、御社が抱えている課題を教えていただけますか。
基本的には、ヒト・モノ・カネ、この三つだと思うんです。我々が手にしているのはモノです。これは、自社で優秀な研究者がいて、モノをつくることができるようになりました。
足りていないのは、お金と、いわゆるヒト。ヒトといっても、優秀なスタッフや人はいるのですが、それを外に広げていくための、専門性を持ったスタッフがいない。例えば、売るプロの営業マンであったり、PRのプロだったり、Webで通販をやるための専門のプロ。そういう人材が圧倒的に不足しています。
そして、もう一つは、資金を調達するためにおける財務系のスキルを持っているスタッフですね。総じて、ヒトというところが絶対的に必要ですね。
でも、ベンチャー企業、それも、大分のど田舎の会社となると、人材の確保って本当に難しいんです。広報、PRなどを分野とする先端の人たちはもちろん、それ以外の商品開発や財務にしても、やはり人材が集まりにくいというのが現実です。
じゃあ東京でやるかといえば、知名度もなければ、何もない。あくまでも、本社機能じゃなくて、一営業所という単位で、ましてやベンチャーという事になると、やはり、人材が集まりにくい傾向がありますし、通常どおり求人媒体にだしたって集まらないんです。
だから、「うちの会社は社会貢献できて、いろんな人に影響を与えるいい会社になるよ。そういったことを一緒にやらないか」という、熱意とか、思いを伝えることが重要になりますね。ただ、いわゆる高給取りの人を採用することは、うちの会社ではなかなか難しいですね。
——年収1,000万の人は優秀かもしれないけど、ベンチャーで1,000万払えるかといったら、難しいですよね。
そうなんです。なので、契約期間も選べて、結果にコミットをするということを条件とする業務委託はまさにぴったりで、CARRY MEのサービスは、うちにとってものすごくベストマッチなものだったんですね。
——そのようなコメントはとても嬉しいです。ちなみに、御社にとってのプロ人材とはどういう定義ですか。
基本的には、「結果にコミット」です。これは当たり前の話ですが、今貰っている報酬分の仕事をするというのは、最低限ラインで、100万円の給料であれば、1,000万円から1億円の仕事をするというのがプロの仕事だと思うんです。
——なるほど。当然正社員の方もいらっしゃるわけですが、どういうときに業務委託のプロの方にお願いされていますか?
2つありまして、1つは、働く個人側のライフスタイルの都合上、業務委託を希望される場合。もう1つは、私たち企業側として、業務内容的にフルタイム出勤はいらないというケース。週に1日2日ピンポイントでお願いしたい業務の場合です。
——まさにうちもそこをすごく今強く押していて、業務を切り分けたときに、これって本当にフルタイムで必要なの、というところがけっこう出てくるということです。必要な業務だけれど、だれでもできるわけではなく専門スキルが必要というときに、業務委託の人に業務を切り分けて出して依頼できるという。
そうですね。あとは、働き方を細かくすることによって、業務の効率が上がると思っています。ピンポイントで求められた仕事をこなすということが、働く側も、雇用側も、本当は求めているものかなと。
——おっしゃる通りですね。1番目の個人側の理由というところに戻りますが、要は、ライフスタイルが多様化していて、そこに合わせられるというイメージですか?やはり、多様化していると感じますか?
そうですね。僕も最初聞いたときは、正直「なんだそれ?」と思ったんです。人間というのは、一生懸命働いて、汗水垂らした分だけしかぜいたくもできないし、その人たちだけが一握りの幸せを得ているんだというくらいの感覚で思っていたわけです。
でも、そうか、必ずしも、同じ企業でずっと勤めるということではなくて、今、僕はソフトバンクにいるんだけども、auに勤めたっていいかもしれない。同じノウハウを、スキルの共有ができて。もちろん、社内の情報を漏らしたりとか、そういうのは駄目ですが、その2つ、もしくは複数の企業を経験することによって、新たなサービスを考えることができるかもしれないという。これが、働き方改革の一つの狙いというところもあるんだろうなと思います。
——もう少し具体的なお話をお聞きしたいのですが、うちから、CARRY MEとして、何人かご採用いただいているのですが、具体的な成果などありましたら教えてください。
これまで御社から4名の方を採用してきました。一人の方は、webマーケティングの方だったのですが、当時、弊社でWebの外部との折衝をするという担当がまとめてスポッと抜けてしまったんです。エンジニアの場合、お客さまとの会話が苦手なケースも多く、Web関連のノウハウを持ちながら、コンサル先、取引先との折衝をやっていただいたのは、とても助かりました。
——営業のプロの方たちはいかがですか?
美容機器を使った施術のセールスで女性の方が2名いらっしゃいます。そのうちの一人は、現在も他社のサービス業種で働いています。当然、この美容機器を使うのは初めてです。でも、元々持っている素養、いわゆるプロ意識が高い。お客さまを相手として上手に接することができるのですね。お客さまのほうから、あの子、非常に雰囲気がいいねと褒められたり。1社、うちで働かせられないかと引き抜きの相談を受けたこともありました。
——施術のプロではないけど、接客だったり、そういった意味でのプロであるから、実際モノやサービスが売れたりということにつながっていると。営業以外の方はいかがですか?
もう一人財務のプロで、実際に活動をしていただいているのは8月からなんですが、早速、金融機関に対する資金調達計画書などを、金融のプロとして、添削指導していただいています。実際の資金調達などは、これからの話ですが、そのほかにも色々な制度や財務的な知識を教えていただいています。
——その方は実際にどのような働き方をされているのですか?
今のところは、ピンポイントで来ていただくという感じです。あとはメールでの相談や彼女に制作物をつくっていただいたり、金融機関とかにアポを取って、事前にヒアリング調査をしてもらい、それをもとに、会って話をしましょうというところです。
——さきほどの美容施術の方や財務のプロの方は、CARRY MEの中でも珍しいパターンで、基本的には、副業ではなく平日の日中に働ける人を紹介することが多いんです。サービス業の副業の方で、平日の日中だけ働ける方や、財務のプロの方も、副業だけれど、朝の時間は使えるので、業務ボリュームがすごく多いという訳ではないからできるということなんでしょうか。採用に関する本音をいろいろお聞かせいただきたいなと思っていて。正社員でも、こういうプロ人材でも、どういう人材にぜひ来てほしいと思いますか。
基本的にどういった方でもウエルカムです。一番は、経営者目線、会社目線という、いわゆる、職業でとか、そういったようなもので会社を選ぶのではなく、生き方として会社を選ぶ。そういう選び方をしている人に来ていただきたいです。
「この会社は、僕の会社だよ」そういう人材が、うちの社内でも欲しいですし。でも、悲しいかな、そういう人って、なかなか一般の求人で来る方は少ないです。一方、うちの幹部社員は、やっぱり全然違います。もともと経営者で、ずっと長年、お互いに話をして、夢を語ってきて、それで入って来ているので。求人を見て、なんか条件合ったから行こうぜというものではなく、自分の目的意識を持って、僕はこの会社だったら勝負ができると思ったから来てくれている。そういう人は多少景気が悪かろうがとか、土曜日働こうが、日曜日働こうがなんて、まったく気にしないぐらい仕事が好きなんですね。
——逆にNGなケース。優秀であっても、こういう人は採用したくないな、みたい人はいますか。
基本的には、協調性がない人と、お金のために来ている人です。とんがっているやつは協調性がなくてもいいというケースも稀にありますが、それは職種によるかもしれません。お金のために来ている人は、お金で動きますから、大義がないですよね。
——現在の社員構成や特徴についても教えてください。
外勤のスタッフと内勤のスタッフに分けたとき、外勤が20パーセント、80パーセントが内勤です。最近、内勤だったスタッフを外勤もやってもらっているので、それでも25から30パーセントくらいですね。特徴は真面目な人が多いこと。あとは、うちのクライアント、お客さんだった人もいますね。
——お客さんだった方が社員になるパターンもある。その商品を好きになって、ということですか?
そうです。ある女性は、アトピーに悩む方で、日々のやり取りの中から、うちで働かないか?という事になり、今では弊社の執行役員にまでなっています。メールや電話ではやりとりをしていましたが、会ったことはなかったんですけどね。それから症状もみちがえるほど良くなっていって、まさに運命的な出会いですね。
——濱田さんの採用にかける思いはお伺いしたことはありましたが、今回のお話は初めてお伺いして感動しました。本日はありがとうございました。
インタビューした人
- 大澤 亮
新卒で三菱商事(株)に入社後タンザニア駐在を経て退職し、慶應義塾大学経営管理研究科修士課程入学。
在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立し(株)サイバーエージェントに売却。卒業後は(株)ドリームインキュベータにて経営コンサルティングと投資業務を担当する。
その後、(株)土屋鞄製造所に移り取締役兼COOとして2年半で売上・利益を2倍とすることに貢献。同社退職後2009年に(株)Piece to Peaceを創業し、代表取締役に就任する。
2016年からマーケティング分野を中心としたビジネス界のプロ契約サービス「キャリーミー」を創業。2023年現在、パーソルホールディングス(株)・本田圭佑氏等から投資を受け、日本企業へのプロ契約の普及に努めている。
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