フリーランスの福利厚生&保険をまとめてカバー!評判のフリーランス協会・ベネフィットプランをインタビュー
目次
フリーランスの不安に対応する保険とは?フリーランス協会・ベネフィットプランを紹介!
フリーランスの皆さん、自身が働けなくなったり、トラブルに見舞われた時のための備えは万全ですか?自身のスキルアップや案件獲得にはどんな対策を取っていますか?
フリーランスによる、フリーランスのための非営利団体「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」は、フリーランスに必要な賠償責任補償や福利厚生サービスを一般会員(有料)に自動付帯しています。また、収入・ケガ・介護の保険にも任意加入可能。
無料会員には、オンライン学習のプラットフォームや、登録するとクライアントからスカウトが来る「フリーランスDB」を提供しています。
そこで本記事では、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんと事務局長の中山綾子さんにインタビュー。協会が提供しているサービスはもちろん、設立の経緯や現在取り組んでいる課題についてお話を伺いました。
責任賠償保険等がない「フリーランス」の働き方を自信を持って勧められない。それが協会設立の原動力に
- 平田麻莉(ひらたまり)
- 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事
慶応義塾大学総合政策学部在学中にPR会社の立ち上げに参画。 米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶応義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学ビジネス・スクール委員長室で広報・国際連携を担いつつ、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程に在学した経験を持つ。17年に同協会設立。
- 中山綾子(なかやまあやこ)
- 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事・事務局長
個人ではファミリー向けのプロモーションの企画、事業開発支援などを行う(株)DaccoDayを設立。ママ向けメディア、教育関連企業のプロモーション戦略立案、イベントの運営などに携わる。
ーーまずは、協会設立のきっかけを教えて下さい。
平田さん:2017年の1月に協会を設立しましたが、私自身は設立前から10年近くフリーランスをしていました。クライアントの数だけ名刺を持って様々な仕事ができ、出産を経てもワークライフバランスを保てるフリーランスの働き方が合っていたんです。
子育てと仕事をフリーランスで両立していることに注目頂き、2015年にワーママオブザイヤーを受賞しました。その頃から、フリーランスに転身したいワーママの方から相談を受けるようになります。
しかし、フリーランスは保険をはじめとする社会保障が少ない働き方です。私自身は自己責任でフリーランスになったので仕方ないと思っていたのですが、それを周囲に勧めることにはためらいがありました。「一億総活躍」と旗振りしている当時の政府の状況とも矛盾していると感じたんです。
ちょうどその頃、LIFE SHIFT(ライフ・シフト)が発売され、厚生労働省でも多様な働き方を促進する環境整備が必要との報告書が示されます。一方で、フリーランスは個人で活動している事が多いため、働き方の実態が見えにくいという課題がありました。「会社員になれない方」と思われていたり、フリーターと混同している議員さんがいたことも事実です。
適切な政策を打ってもらうには、当事者のニーズや課題を届ける窓口が必要なのではないか。そうフリーランス仲間とランチをしながら話したのが、2016年の11月上旬。気持ちが高まってその日の夜中にパワーポイント5枚程度の企画書を作り、2ヶ月で当協会を立ち上げましたね。
▲取材はオンラインで行いました!
ーー非営利団体にすることは当初から決められていたんですか?
平田さん:当協会は当事者団体であることと、あくまでも社会活動であり、公正中立でいることを大切にしています。だからこそ、非営利団体にすることは最初から決めていました。
ですが、当協会の設立自体は、本業の合間にやっていくつもりだったので非常にカジュアルでしたね。当時を知るスタッフからは「BBQの幹事をやるような感覚で協会を立ち上げた」と言われる程でした(笑)。
おかげさまで、設立記者会見に力を入れたところ多くのメディアに報道頂き、発表から7日でご登録者が1,500名以上になりました。「こういう団体を待っていました」「こんな課題を解決して欲しい」という声を伺い、自分たちの予想を超えた期待、追い風を感じました。
そこからはその声に応えられるよう、自分の仕事の整理とサービス設計を早急に行い、今に至ります。
中山さん:当時、平田とは年に数回会うような間柄で、2016年11月のランチにも同席していました。あっという間に協会が立ち上がっていて、そのスピード感に驚きましたね。私はもともと企画の仕事をしていたので「手伝えることがあったら言ってね」と言ったら、本当に手伝えることがいっぱいありました(笑)。
ーー0から協会を設立していくにあたって、工夫したことや困難だったことはありますか?
平田さん:困難に感じたことは正直ないんです。ただ、ステークホルダーが多くないと社会的にインパクトのあるインフラが作れないので、そこには心を配っていました。
当協会は、全ステークホルダーの善意で成り立っています。協会が提供するサービスで、ステークホルダーそれぞれが利益を得る、バランス感覚が必要でした。
設立時に当協会のサービスに参加いただいた30事業23企業には1社ずつお願いに伺ったのですが、その後はありがたいことに口コミで広がりました。これも「ステークホルダーそれぞれが利益を得る」仕組み作りに、共感頂けた結果ではないかと思っています。
保険や年金、福利厚生などフリーランスのセーフティネットを整備することが課題
ーーフリーランス協会さんが解決していきたいフリーランスの社会的な課題についてお聞かせください。
平田さん:大きなニーズはライフリスクに対するセーフティネットの拡充です。
具体的には、健康保険、年金、出産介護の保障ですね。これらのリスクは、働き方問わず誰もが抱えていますが、しっかりとした保障がなされているのは会社員のみというのが現状です。
また、契約面のトラブルもメディア・広告・イベント業界を中心に依然として多い。具体的には、契約書が作成されない、報酬未払い、一方的な報酬の減額などが挙げられます。
こうした状況の改善が、当協会が取り組む課題の本丸です。
▲一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2021」より
設立直後の2,3年は今お話した課題を知ってもらうため、フリーランスは自律的で魅力的な働き方だという認知を広めるべく広報活動を行っていました。子育てなどプライベートとも両立ができ、働く場所にとらわれない働き方であるということを広めていったんです。
時代の流れもありフリーランス人口が増えてくると、政府へ提言を行う機会を得られるようになりました。契約や仲介事業に関する整備、ハラスメント防止措置など、政府と一緒にガイドライン整備に取り組んでいます。フリーランスの女性や女性経営者の保活、出産手当に関する政策提言などが実績としてあります。
ライフリスクに対するセーフティネットの拡充は、財源がからむので長期的に取り組む課題です。現状としては当協会で提供している福利厚生などでカバーしながら、ゆくゆくは国で環境整備がされるように、政府への働きかけも地道にやっていきたいですね。
ーー現在、特に注力されている取り組みはなんですか?
主に注力しているのは政策提言やガイドラインの周知徹底です。ライフリスクの環境整備に力を入れ、その裏付けとして「フリーランス白書」などの実態調査を行なっています。
また、企業側にはフリーランスを安い労働力ではなく対等なパートナーとしてリスペクトしていただけるよう啓発活動をし、フリーランスの活躍の場を広げたいですね。
一方で、世の中の流れや要請、社会ニーズをくみ取り、柔軟なリソース配分を行なっています。事務局内ではプロジェクト毎に担当を決めているので、その時々で必要なプロジェクトに全力で注力しています。
昨年のコロナ緊急支援や先日取り組んだコロナワクチンの職域接種などがその例です。
事務局の運営、会員サポート、ベネフィットプランなどはインフラとして安定運用していくことが重要です。その部分は別のプロジェクトメンバーで担保しながら、時流にも対応する形で進めています。
保険や福利厚生などの幅広いサービスは、フリーランスの暮らしをサポートしたいから
ーーフリーランス協会有料会員に提供しているベネフィットプランは、かなり充実していると話題になりました。具体的に教えてください。
平田さん:当協会の会員種類は大きく個人会員と法人会員があり、その中でも個人会員には年会費1万円の一般会員と、会費のかからない無料会員があります。それぞれの会員の種類で使えるベネフィットが異なっています。
保障の内容は、もともと私自身がフリーランスなので、そこで感じていた課題をフォローするものが中心でした。それに加えて、設立発表後にお声を頂戴して整備していった部分もありますね。
ここからは、主に有料会員の方が得られるベネフィットについてご紹介します。どんな立場のフリーランスの方でも使いやすい制度になるよう意識しています。
賠償責任保険の自動付帯
平田さん:賠償責任保険の自動付帯サービスは、協会設立当初から用意できました。個人で働く上で、賠償が必要になった場合は大きなリスクになります。また、個人契約では賠償責任が曖昧になることが多く、発注者が嫌がるケースも。そうした背景から、仕方なく法人化する方もいらっしゃるんです。
ちなみにフリーランスの賠償責任保険の加入は欧米では当たり前の制度。大手保険会社の賠償保険サービスに入ってないと契約してもらえないくらいです。
賠償保障を当協会の有料会員に加入するだけで整備できます。この制度を活用して、少しでもフリーランスの皆さんが仕事を獲得しやすくなって欲しいと思っています。
所得保障ーベネフィットプランで任意加入できる収入・怪我・介護の保険
平田さん:傷病手当金や労災など、自身が就業できない時の補償はフリーランスにありません。
万が一の時に補償があるかないかで、その後の生活が大きく変わります。私自身も子どもを育てている身として、収入が途絶える訳にはいきません。こうした補償の必要性を感じ、設立当初から整備を行っていました。
任意加入ではありますが、団体保険のため個人で加入するよりも割安に補償が受けられます。
フリーランスの契約トラブルをサポートするフリーガル
▲プレスリリースより
平田さん:私を含め、契約トラブルの経験があるフリーランスは多く、当協会設立当初から契約トラブルに関するサービスの提供を望む声は大きかったです。しかし「実態が分からないとサービスは作れない」と保険会社さんからご指摘をいただきました。
そこで、契約トラブルの実態調査を行った上で一緒に制度設計をし、設立から3年目にサービスを開始。上記の図のように、無料の電話相談や、弁護士の紹介などを行っています。
フリーランスの福利厚生サービスーWELBOX
平田さん:フリーランスでも会社員と同じような福利厚生があればと検討したのがWELBOXです。いくつかある福利厚生サービスの中で、WELBOXを当協会が選んだ理由は健康診断のためのサービスが充実していたこと。
ご存じの通り会社員であれば毎年決まって健康診断を受けますが、フリーランスは健康診断を受ける機会に恵まれません。WELBOXは提携医療機関が多く、体が資本のフリーランスこそ、健康診断に行って欲しいという思いがあるんです。
フリーランス協会代表理事&事務局長おすすめのベネフィットプランとは?
ーーベネフィットプランで、特に会員の方から人気のあるサポートはどれですか?
平田さん:フリーランスデビューしたての方には、クラウド会計サービスや法人カード、法務税務相談が特に人気ですね。
どんな属性の方にもご評価いただいているのは賠償責任保険自動付帯と健康診断割引や映画などレジャー優待も豊富な福利厚生クーポンサイトのWELBOXです。
あとは、フリーランスに仕事を依頼したい人が無料で検索できるフリーランスDB。ありがたいことに、プロフィールを登録するだけでスカウトが来たというような投稿を度々SNSで見かけるので、注目いただけているのだと思います。
ーーお二人が個人的におすすめするベネフィットプランのサポートを教えてください。
平田さん:家計の担い手として、賠償責任保険や所得保障に入っている安心感はありますね。あとは、WELBOXの割引サービスがお得で気に入っています。レンタカーなどをお得に利用できたり、映画はいつも500円引きで見られるんですよ。
中山さん:無料会員でも使えるフリーランスDBとSkillsbuildは是非たくさん使っていただきたいですね。フリーランスDBと連動したオンラインコミュニティも運営していて、不定期のオンラインランチイベント「みんなの昼休み」には1度に100名近く申し込みがあり、ランダムな小グループでおしゃべりしています。孤独になりがちなフリーランス同士が緩くつながる場になっています。
SkillsbuildはIBM社が社会貢献として提供する職業訓練プログラムで、フリーランスの活躍支援として2020年からフリーランス協会の無料会員・有料会員どちらも活用できるサービスとして仲間入りしました。
ビジネススキル、語学、ITなど幅広い講座がありますので、仕事の路線を変えたい、新しいジャンルを広げたい時にSkillsbuildが便利だと思います。ぜひ積極的に活用いただきたいですね。
ーー最後に、ベネフィットプランの今後の展望をお聞かせください。
平田さん:先ほどご紹介したフリーガルが2021年9月より自動付帯になり、年会費据え置きでサービス内容が拡充します。提携企業様も増えているので、オンライン会議ツールなど、今の時代にあわせたサポートも行なっていきたいです。
新しい取り組みとしては、かねてより要望の多かったフリーランスの「キャリア相談窓口」です。共助の仕組みを活用しフリーランス協会が費用補助する形で、一般会員向けに格安で提供するつもりです。フリーランスでも、会社員同様、相談できる仕組み作りを整えていきたいですね。
今回ご紹介したフリーランス協会さんおよびベネフィットプランは、こちらからチェックしてください!
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この記事を書いた人
- 渡部 梓
大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。