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女性が結婚・出産を経ても活躍するためのキャリアの選択肢

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出産が女性のキャリアにとって大きな壁に

女性のキャリアにとって、出産とそこから始まる子育て、家事は大きな壁となります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成30年版)」 によると、末子が1歳の子をもつ母に占める正規職員の割合は31.5%。
しかし子供が小4から小6にあたる9歳から11歳の時期は23.0%と、小学生でいる期間にかけ、その割合は更に低下していきます。

それだけ今の日本では乳児から学童期の子育てとフルタイムの仕事との両立は難しい側面があることが伺えます。

また、子供の成長につれ、どのような理由で女性が離職しているのかをパーソル総合研究所が調査しています。
これによると、子供が未就学児の間は家庭のサポートや職場との関係で退職する女性が多い一方で、子供が小学生になると子供の精神的、物理的なケアが必要になり退職するケースや体力的な問題での離職が多いと言います。

このように、出産や子育てが仕事との両立を阻んだり、女性のキャリア形成においてマイナスに働くこともあるのが日本の現状です。

そんななかでも、フルタイム、時短勤務、新しい働き方など、「自分らしい働き方」を実現できる選択肢が増えてきていることも事実です。
親が自分らしく、自信を持って仕事をする姿を見せることで、子供も仕事に対してポジティブな印象を持てるはずです。

本記事では自分らしい働き方、希望の働き方を実現するために、それぞれどのような対策や考え方が必要なのかご紹介していきます。

結婚・出産後に理想のキャリアを実現するための3つの働き方

今の職場で結婚・出産前と変わらない働き方をしたい!


今の仕事にやりがいをもっているので、今の職場で結婚出産後もその前と変わらず仕事がしたいと言う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、残業も出張もOKのフルタイム勤務をしていた方にとって、子供との暮らしは物理的な制約があります。

・保育園の送り迎えの時間や就寝時間
・子供が病気になったときの対応

など、子供の生活に合わせるため対策をとる必要があります。
100%独身時代と変わらない生活パターンとはいかなくても、ある程度折り合いをつけ、個人の業務効率化と合わせて取り組むことでこれまでと同様の仕事をしていくことはできるでしょう。

まずはご自身の仕事の棚卸しを行い、どんなタイムスケジュールでどんな仕事をしていたのか把握してみてください。

その上で家庭で話し合い、必要に応じてベビーシッターや家事代行などの外注サービスを選択していくと良いでしょう。

今の職場で働き方を見直したい


今の職場で働き方や生活を子供中心に見直しながら仕事を続けたいとする方には、産休・育休に入る前に、自分の会社の制度について確認しておくといいでしょう。

働き方を見直す時に確認すべき制度:①「短時間勤務」
短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする制度のことです。法律上短時間勤務の該当となる労働者が定められており、3歳までの子供を養育するフルタイム労働者がそれに当たります。

例:トヨタ自動車
子が小学校を卒業するまでの間、4時間、6時間、7時間労働の中から選んで短時間勤務をすることができます。

働き方を見直す時に確認すべき制度:②「時差勤務」

時短勤務についても、育休と同様、労働時間や子供の年齢などの設定を柔軟にさせている企業もあります。ご自身の会社に確認し、利用するか選択しましょう。

例:サントリー
時短勤務は子が中学校進学まで取得可能で、短縮時間は1日あたり2時間を限度としています。時差勤務は一定の範囲内で設定可能。

時短勤務は誰が、どのタイミングで、いつまで取得するのか考えましょう。
時短勤務は育休同様、男女ともに取得可能な制度です。例えば取得可能期間ぎりぎりまで使用するのか、もっと早くフルタイムに戻すのか、検討・相談しておく必要があります。

時短勤務を取得していると家事負担が取得していないパートナーに比べて増えがちです。特に育休については、長期間取得することで子供と長く関わる時間が持てますが、逆に保育園入園後に子供が保育園の環境に慣れずに苦労するという話も聞きます。

自分の仕事と子供との生活、パートナーとの将来的な家事の分担など、総合的なバランスを考えて戦略的に育休・時短勤務を選択できるといいですね。

新しい職場で新しい働き方を始めたい

もし、今の職場で家庭と両立できるイメージができない場合は、転職やフリーで活躍する選択肢を検討するといいでしょう。

具体的には転職活動や、社会人インターン、副業やパラレルキャリアを実現するためのサービスへの登録などを行います。もし産休・育休中であれば、一時保育などを利用してお子さんを預けてこうした活動を早めに行うといいですね。

自分がこれまで培った強みを活かしながらより柔軟に、自分が目指す働き方を目指していきましょう。

例えば、週1からやりがいのある仕事を探せるキャリーミーでは、

・大好きな「インテリア」の仕事で週4日・時短正社員での転職に成功したママ
・育休中に2社で稼働し、月額30~40万円の報酬を得たママ
・勤務していた企業での正社員の働き方に限界を感じ、フリーに転身しキャリーミーで複数の案件を獲得したPRのママ

など、時間と場所を自由に選択し、やりがいもある新しい働き方を得たママが多数いらっしゃいます。このような新しい働き方も一つの選択肢に入れてみると良いでしょう。

育児と両立しながら理想のキャリアを実現するために、絶対考えておくべき3つの対策

①時間・日によってメリハリをつけ、夫婦・パートナー間で協力する事例

子供の迎えの担当曜日をきめ、担当以外の曜日はいくら残業をしてもいいというルールにしています。迎え担当の日は夜の家事育児を一手に引き受けることにしています。

お互いにシフト勤務なので、まず固定曜日や時間帯を休みにしてもらうようにして職場のシフトが作成してもらいます。そのシフトに応じて、毎月子供の送り・迎え・育児のシフト表を作成し、運用しています。

管理職になったことで、就業時間以外の会議をやめるようにしました。部下への権限移譲を積極的に行い、必要な会議に絞って開くなど、自分で業務時間のコントロールができるようになったため、管理職ではなかったころよりも自分の仕事時間にメリハリが持てるようになりました

このように、時間や日によってメリハリをつけ、パートナーと協力することによって時間を確保することができます。予定やお迎えなどの担当の共有には、予定シェアアプリやGoogleカレンダーなどのクラウド上の予定管理がおすすめです。

②パートナー以外の協力者を増やす事例

フルタイム勤務なので実家近くに住み、出張や残業時は実家に子供のお迎え、入浴や夕食といった育児や家事を依頼しています。小学生になる子供は、おじいちゃんおばあちゃん宅に帰宅してもらっています。

残業や出張が必要な日はシッターサービスを利用し、育児や家事をお願いしています。費用はかかりますが、プロなので連絡事項などもしっかり共有され、ありがたいです。

病児保育のサービスにも可能な限り登録をしています。どうしても抜けられない仕事がある時は、病児保育のシッターサービスを活用しました。

上記のような事例以外にもまた、各自治体にあるファミリーサポートを活用したり、シッターサービスよりもカジュアルな「相互サポートサービス」に加入するという方法もあります。

③家事や育児などの時間を短縮し、仕事の時間を確保する事例

独身時代にはあまり気が付かない点として、「通勤時間のロス」があります。ある女性管理職の方は、職場の徒歩圏内に引越することで、家・職場・保育園の往復を楽にしました。

また、日用品や食材の宅配サービスを利用して時間の短縮したり、調理家電や掃除家電、洗濯乾燥機などを利用して家事の時間を減らしその分育児や仕事の時間に当てている方もいます。博報堂が行った調査によると、働くママの約4割が食材の宅配サービスを月に1回以上利用しているのだそうです。
このように、便利なサービスや商品を上手に活用して家事や育児の時間を短縮する方法も効果的です。

コラム:妊娠がわかったら…産休・育休の制度をおさらい!
産休とは、「産前休業」と「産後休業」のことを言います。産休は正社員だけに関わらず、誰でも取得できる権利です。
産前休業は出産予定日の6週間前(双子の場合は14週間前)から会社へ請求すれば取得できます。産後休業は、出産翌日から8週間を指し、この期間は原則として就業できません。(産後6週間経過後、本人が請求し医師が認めれば就業可能です。)
一方育休とは、「育児休業」のことで、1歳に満たない子供を育てる男女労働者で、一定の条件を満たせば申請することで子供が1歳になるまでの期間取得することができます。
また、産休・育休を取得することで解雇したりすることは法律上禁止されています。もしそうしたことがあった場合は、会社のある都道府県の労働局へ相談しましょう。

働き方の多様化で結婚・出産後も活躍できる選択肢が増えている!

働き方が多様化している現代では、結婚や出産を経ても家庭を両立しながら仕事をする方が男女ともに増えています。

今回ご紹介した様々な選択肢のなかから、ご自身の理想とする生活のバランスに応じて柔軟に仕事も生活も選択していけるといいですね。

この記事を書いた人

azusa watanabe
渡部 梓

大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。