フリーランスのスキルの磨き方と顧客との上手な付き合い方
CARRY MEでクライアントを複数抱えながら、活躍しているWebマーケティングのプロ。実際にフリーランスで仕事を始めてみた、これから始めようと思っている誰もが抱える悩み、実際にスキルをどうやって磨いていくと自分の市場価値を高められるのか?また、自身が希望する働き方(例えば月1回出社や育児休暇を取りたい等)を実現するために、クライアントと上手に付き合っていくにはどんな工夫をすべきかを紹介したいと思います。
目次
フリーランスのスキルの磨き方
自分の希望する業種や業界、企業から案件をもらえるようになるために、フリーランスのスキルをどう磨いていったらよいのか。私自身が工夫していたポイントを過去の経験から2つに分けてご説明します。
① 最新の求人ニーズとトレンドを抑える
希望する業種や職種の求人ニーズとそのトレンドを抑える
②ニーズと自身のスキルのギャップを埋める実務を積む
最新ニーズと自身のスキルを比較し、不足し補強したい部分について実務を積む
③実務をすぐ積めない場合は、横のつながりを活用しインプットする
不足し補強したいと考える部分について実務を積めない場合、同業種や同職種の人と積極的にコミュニケーションをとり、仕事のノウハウをインプットしていく
フリーランスのスキルの磨き方① 最新トレンド・ニーズを抑える
希望する業種や職種の求人ニーズとそのトレンドを抑える
自分がこれから挑戦したいと思っている職種について、どんな求人があるのかを抑えること。これは相手や市場を知るということなので最も重要なポイントです。
このことを重要視せずに起業を先にした結果、マーケットニーズがなかった、マネタイズ(収益事業化)することができなかったと失敗する人は少なくありません。
では、具体的にどう求人トレンドを抑えるのか。実例を元に紹介してみます。
求人サイト(ハイクラスの転職サイト「ビズリーチ」)でマーケティングを検索してみると、下記のようにマーケティングでも、広報・PR・広告宣伝、リサーチ・データ分析、商品企画、商品開発、販促、MD・VMD、バイヤーと職種が分かれていることがわかります。
また、それぞれの件数はマーケティングの求人件数全3550件のうち、広報PR広告宣伝やリサーチ・データ分析が8割弱を占め、このスキルをニーズが多いことが明確です。
マーケティングの中でもどのスキルを磨くべきか迷っているのであれば、広報PRであり、リサーチやデータ分析スキルを最優先して磨くべきであることがわかります。
-広報・PR・広告宣伝 1387件
-リサーチ・データ分析 1254件
-商品企画 916件
-商品開発 561件
-販促 810件
-MD・VMD 99件
-仕入れ・バイヤー 69件
次に業種別の求人件数を見てみると、ITとメーカー、マスコミ・メディアで8割超の件数を占めていることがわかります。
-IT 1858件
-メーカー 724件
-商社 107件
-流通・小売 254件
-コンサルティング 345件
-マスコミ・メディア 466件
-エンターテインメント 156件
-金融 253件
-建設 33件
-メディカル 235件
-エネルギー 6件
-保険 39件
-不動産 52件
-士業 203件
-サービス 203件
-運輸・交通 4件
-物流・倉庫 2件
-その他(教育・官公庁) 48件
すなわち、最新の求人トレンドは、ITとメーカー、マスコミ・メディア業種における、広報PR広告宣伝、リサーチやデータ分析スキルというスキルを身につけることが最もニーズがあることがわかります。
また、マーケティングにおけるトレンドを調べるには、各求人サイトが運営するオウンドメディアをチェックし、そのオウンドメディアのタグやキーワードを抑えることが最も近道です。具体的な例はこちらです。
こちらは、とある求人サイトのオウンドメディアにおいて、マーケティングというワードで検索をかけてみた結果です。
こちらを見ますと、コンテンツマーケティング、BtoBマーケティング、ダイレクトマーケティング、インバウンドマーケティングといったキーワードが引っかかってきます。
すなわち、マーケティングの中でもこの辺りのテーマがトレンドであり、抑える必要があります。
コンテンツマーケティング、BtoBマーケティング、ダイレクトマーケティング、インバウンドマーケティングに関して、面接時に自身の経験や強みを経営者に語れるようにプレゼン資料を作ったり、職務経歴書をその観点でわかりやすくまとめたりすることが重要です。
また、そのテーマに絞り込んで売れている書籍を読みインプットの量を増やすことも効果的でしょう。
フリーランスのスキルの磨き方② ニーズと自身のスキルのギャップを埋める実務を積む
最新ニーズと自身のスキルを比較し、不足し補強したい部分について実務を積む
最新ニーズをとらえ、自身のスキルと比較し、補強したい部分が明確になったら、最も効果的なことはやはり実務を積むということです。百聞は一見にしかずというのはまさにこのことです。
あまりその職種やテーマにおいて経験が足りていないので実務を簡単に積むことができないという場合は、未経験も歓迎してくれるような求人を探し、待遇や条件が多少希望より低くなってしまっても経験を買ってでもする!という気持ちで挑戦すべきです。
顧客の業務を獲得することは難しいという場合は、自分で実際に実務を積むような環境を作ってみることをオススメします。
例えば、コンテンツマーケティングというテーマで実務を積むべきと考えた場合、オウンドメディアの運営というのが求人内容に良くヒットすると思います。オウンドメディアとはブログなどを指しますが、実際に自分でブログサイトなどを使ってブログを開設し運営してどんなものなのかを確かめてみることをオススメします。
ブログを開設し運営するという実務のみですと、実際に即戦力でそのテーマの実務として捉えて評価してもらうには難しいこともありますが、そのテーマにおいての必要な業務やポイントなどにおいての勘所を吸収することは可能です。
フリーランスのスキルの磨き方③ 実務をすぐ積めない場合は、横のつながりを活用しインプットする
不足し補強したいと考える部分について実務を積めない場合、同業種や同職種の人と積極的にコミュニケーションをとり、仕事のノウハウをインプットしていく
とはいっても、実務をすぐに積めない場合や即戦力につながるような実務を積んでいきたいという場合にオススメなのは、横のつながりを活用したインプットです。
同業種、同職種で自身が一目置くような人や仕事の相談などをできる人を見つけ、その人と積極的にコミュニケーションをとり、仕事のノウハウや活用しているツール、顧客課題に対してどんな提案をしているのかなどを情報収集し学んでいくというのをオススメします。
なかなかそのような人のつながりやコミュニケーションは取りにくいという場合は、そのテーマにおけるセミナーを検索してみてください。
出典元 https://www.sendenkaigi.com/class/detail/contentmarketing.php
少し検索してみただけでも、上記のような興味深い実践講座が見つかります。このような講座は実務に活かせる実践的な内容やノウハウが盛り込まれているため、有料であることが多いですが、インプットとしてはとても重要なので少し投資してでも吸収していくことをオススメします。
フリーランスの顧客との上手な付き合い方
次に、自身が希望する働き方(例えば月1回出社や育児休暇を取りたい等)を実現するために、クライアントと上手に付き合っていくにはどんな工夫をすべきかを紹介したいと思います。
クライアントと上手に付き合うということは、良好な関係性を構築することです。
良好な関係性は、双方がどんなスキルを持っているか、課題を持っているかを明確に理解し合い、その上で業務を行っていき、業務の中で良好な信頼関係が築けていることが重要です。
信頼関係は一日で築けるものでも築くものでもありません。日々の打合せや提出資料、提案内容の精度において、顧客の期待を上回るような取り組みができていることが大切です。
そのために、私が具体的にしていることは以下3つです。
①時間や納期を必ず守る
②自身のアウトプットについて顧客の評価をヒアリングする
③顧客の期待より自身の提供価値が下回る場合は追加課題をヒアリングし取り組む
どれも顧客や顧客への業務に対して誠実に向き合うことを指します。
時間や納期を守ることで特に気を付けていることは、打合せ資料などを顧客も事前に内容を確認できるように打合せより1-2日前に提出するように心がけることです。
細かい配慮でもあるのであまり気づいていない顧客もあるかもしれませんが、私が経営者であれば大きな判断や投資決裁を求められる提案であれば、事前に検討する時間が少し欲しいと考えるなと相手の立場を考慮して用意します。
また、顧客の評価をヒアリングすることやその評価結果によって自身の提供価値が下回る場合は追加課題を取り組むというのは、自己完結型で仕事を行わないようにすることであり、自己満足に走らないということを指します。
実際に素晴らしい提案内容であっても、顧客の理解を得ていなかったり、顧客との足並みがそろっていなかったりしたら、その提案は良い提案とは言えません。
現実的で良い提案に変えるにはどうしていくことが必要なのかを顧客とじっくり話し合ってその先のアクションを前のめりに取り組んでいくことで初めて関係性を構築することができ、信頼を得ることができます。
評価をヒアリングすることが難しい場合は簡単なアンケートフォームを使って定期的に業務に対するフィードバックをしてもらう形でもよいと思います。
フィードバックをもらうのは気が引けるという意見があるかもしれませんが、会社員ですと考査や査定評価などが定期的にあり、上司から自身の仕事に対して評価をもらうと思います。それと同じことです。
フリーランスでスキルを磨くというのは、常に自分の業務を客観的に見て評価する機会を作らない限り、スキルは陳腐化し、契約期間は短くなっていく可能性があります。
そのような自身への戒めと吸収したいという学習意欲をもって業務に取り組むプロ人材を経営者は求めていると思います。フリーランスで長く活躍したい、希望する業務や働き方を勝ち取りたいと思う方はぜひ、意識してチャレンジしていきましょう。
この記事を書いた人
- 相沢 唯
- リクルート在籍中のWEBマーケッター。Webマーケティングにおける、現状分析、ベンチマーク、競合企業と相対分析、KPIモニタリング、コンテンツ企画優先施策の業務設計、リスティング広告、SEO対策など、Web業務全般を担当。プライベートでは3児のママ。