CARRY MEとは

CARRY ME創業者が語る、企業が「プロ人材のシェアリングサービス」を活用するべき3つの理由

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シリアルアントレプレナーであり、CARRYME(キャリーミー)代表取締役社長の大澤亮さんの写真

2015年にスタートした、フリーランスとして働くプロ材と、採用に困っている企業の仲介サービスCARRY ME(キャリーミー)。「一億総個人事業主時代の到来」「正社員を囲い込む時代は終わった」と言われる現代のニーズに応えるそのサービスは、売上昨年比率10倍以上と、現在も急成長中です。
その創始者が、株式会社Piece to Peace代表取締役社長の大澤 亮(おおさわ・りょう)さん。これまでに5つの事業を立ち上げ、そのうち2つは米ゴメス社とサイバーエージェントに売却と、シリアルアントレプレナーとして活躍。
今回は、そんな大澤さんに、CARRY ME(キャリーミー)を立ち上げるまでの経緯や、サービスにかける想いを伺います。

フリーランスと企業のマッチングサービスCARRY ME(キャリーミー)代表取締役社長の大澤亮さんのプロフィール写真
大澤 亮(おおさわ・りょう)
株式会社Piece to Peace(CARRY ME運営会社)代表取締役社長。

早稲田大学商学部を卒業後、三菱商事へ入社。入社2年目にタンザニアへ赴任、ODA(政府開発援助)での井戸掘削プロジェクトなどに携わる。帰国後、同社を退社し、慶應義塾大学大学院経営管理研究家(MBA)に入学。在学中に起業し、2つの事業を米ゴメス社とサイバーエージェントに売却する。

その後、株式会社ドリームインキュベータに入社し、大手企業とベンチャー企業両方の経営コンサルティング、ベンチャー企業投資も担当。同社退職後、土屋鞄製造所に取締役兼COOとして入社し、2年で売上20億円から45億円、経常利益も2倍以上にして退職。

2009年9月に株式会社Piece to Peace(ピーストゥピース)を創業。2015年にフリーランスと企業の仲介サービス事業「CARRY ME(キャリーミー)」を立ち上げる。

著書に、「世界をよくする仕事で稼ぐ」(プレジデント社)。

「貧しい人のために働きたい」グローバルに活躍するべく、アフリカのタンザニアへ

ーCARRY ME(キャリーミー)立ち上げに至るまでの経緯についてお伺いします。大学を卒業後、三菱商事に就職されていますが、その理由を教えてください。

私は大学を卒業後、三菱商事に入社し、ODA(政府開発援助)を扱う部署を志望しました。理由は、在学中に留学した経験から「グローバルに活躍したい」「貧しい人のために働きたい」という想いがあったからです。

念願叶って入社2年目でアフリカのタンザニアに赴任し、井戸掘削プロジェクトなどに携わりました。しかし、アフリカの深刻過ぎる貧困問題に大きなカルチャーショック受けると同時に、自分の無力さを痛感することとなりました。

理由は二つ。一つは、私の能力不足です。日本の常識が何一つ通用しない環境でトラブル対応に走り回っても、思うように人に動いてもらえない現実に、「いくら人のため、世界のために働きたいと理想を語っても、問題解決能力、マネジメント力、利益を生み出せる経営能力がなければ何もできない」ということを思い知らされました。

もう一つは、ODAの在り方そのものです。ODAというのは、実はその国や国民たちのことを最優先に考え、命懸けで行われるものではありません。日本の税金を使っていることもあり、日本の国益や日本人の安全が確保された上で、支援地域が決められます。その為、本当に早急に援助しなければいけない地域へ何もできない、という悔しい思いをしました。

そのため帰国する頃には、「思い描いていたような理想の支援は何一つできなかった」と無力感でいっぱいでした。

帰国後、1999年の3月に会社を退職し、経営全般のスキル獲得・実務経験を得るべく、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科修士課程(MBA)に入学し、同時に起業しました。

「本当の支援とは何か?」持続可能性のある支援をするために、プロの経営者を目指す

シリアルアントレプレナーであり、CARRYME(キャリーミー)代表取締役社長の大澤亮さんの打ち合わせ中の写真
ー「世界の貧しい人のために何か支援をしたい」と考える方はNPO法人を立ち上げる方が多いと思うのですが、株式会社として経済活動をしようと思ったのはなぜですか?

タンザニアへ赴任していた頃、現地にはNPO法人もいました。しかし、「予算が足りない」という理由で支援や活動が十分にできていない団体がいくつもあり、寄付を様々な法人・個人から募ってなんとか賄えている、もしくは賄えず活動が休止している状態でした。

「ODAのように国益や、商社マンとしての自社の利益を最優先すると救えない地域が出てきてしまう」「NPO法人を立ち上げても、収益がなければ持続して十分な支援をすることができない」という現実を目の当たりにした私は、十分な収益を得ることと、持続可能性のある支援をすることの両方を実現させるために、プロの経営者を目指すようになりました。

ビジネススクール卒業後は、さらに経営の勉強を深めるために、ベンチャー企業から大手企業までの経営コンサルティング(ビジネスインキュベーション)、投資を手がけるドリームインキュベータで経営コンサルタント及び投資担当者(主に海外担当)として約2年半働き、その後は今やランドセルと革の鞄で知名度を上げた土屋鞄製造所で取締役兼COO(途中で専務取締役に就任)として2年間半働きました。

※大澤さんが土屋鞄製造所の専務取締役として取り組んだ施策や実績は、こちらの記事『土屋鞄の元役員がはじめて語る土屋鞄の売上、利益が急成長した本当の理由』をご覧ください

ー土屋鞄製造所を退職された後、代表取締役社長を務められている株式会社Piece to Peace(CARRY ME運営会社)を創業されたんですよね。

Piece to Peaceという社名には、「小さなカケラ(個人の想いや、個人が持つスキルや知識)が集まって世界が平和になる」という想いが込められています。

創業してから数年は、「地球貢献」をテーマにエシカルファッションを主な事業ドメインとしており、ユナイテッドアローズ等のセレクトショップや百貨店への卸・販売を実施するとともに、エシカルの必要性を啓蒙活動するイベントなども開催していました。

そんな中、同じ志を持った人たちに出会ったことがきっかけで、「伝えたい想いや知識、スキルがある人」と「想いのある人と出会いたい、学びたい人」を繋げる、マッチングプラットフォーム「shAIR(シェア)」を2013年に立ち上げました。

ーshAIR(シェア)は、会員数1万人を超えていると伺いました。

特に、「教えたい」という想いを持った個人が多く、あっという間に1,000人が集まりました。

なぜこの「教える」サービスにニーズがあったかというと、「これまでのキャリアやスキルを活かしたいけど、母親をしながらだと働ける時間が限られているので就職できない」と悩んでいるワーキングマザーや、「独立したけど営業が上手くいかない」と悩んでいるフリーランスの方がいたからなんですよね。こういった、「週5日フルタイムで企業に勤めることはできない(もしくは望んでいない)けれど、スキルや経験はある。だから何かに活かしたい」という個人はすごく多いんです。

この「shAIR(シェア)」というサービスは、社員は私だけで、個人事業主の方と運営していました。業務委託契約だと正社員として雇用するよりコストがかからないですし、独立されているくらいなのでその分野のプロとしてスキルが卓越していて、成果にコミットしてくれる優秀な方ばかりだったんです。そこで、他の企業も「週2、3日で働いてくれるスキルのあるプロ人材」と出会うことができれば、企業にとっても、スキルを活かせる環境に出会えず悩んでいる個人にとっても、Win-Winなのではと考えました。

プロ人材のシェアリングサービスを提供するCARRY ME(キャリーミー)創業

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ーなるほど。それでCARRY ME(キャリーミー)を立ち上げられたんですね。

サービスを立ち上げた頃は登録者数が少なかった為に、成約件数が月に1、2件ともどかしい思いをした時期もありました。

ですが今ではありがたいことに、優秀なフリーランスの登録者が2,000人を超え、350社以上の企業の経営者が採用の相談をしてくださっています。今では毎月優秀な個人事業主の登録が200件以上あります。広告は一切使っていません。

なぜこれだけ個人にニーズがあるかというと、4つのポイントがあると考えています。

①終身雇用の終焉:大企業で正社員として働いていてもいつ会社が傾くか、リストラされるかわからない
②能力が活かせない:大きな企業では優秀な人材のスキルは存分に活かされず、また会議ばかりが多いといったような無駄も多く、自分の時間・スキルが無駄に感じている
③人生100年時代への対応:80歳になっても稼ぎたい(稼がないといけない)と思う人が増えている
④一方、クラウドソーシングのような双方相手の顔が見えないプラットフォームでは安くスキルが買い叩かれる傾向がある

非常に優秀なスキルを複数持っている人は、「週2日出社で月額50万円」といった高額案件のマッチングも成立するようになりました。企業からも個人からも「こんなに素晴らしいサービスがあるんだと感動しました。本当にありがとうございます」と感謝のお声をいただいた時は、「求められているサービスを提供できるようになってきたんだな」と、感慨深くなり泣いてしまいました。

「転職を繰り返してしまったから働けない」、「ママになったら働けない」なんてことはありません。これからも、チャレンジする意志のある個人に機会と適切な報酬を供給できるサービスでありたいと考えています。

ー確かに、顔や人柄が見えにくいクラウドソーシングサービスでは価格競争に陥ってしまいがちですが、スキルや在り方が正当に評価された上で適正な報酬を得られる素晴らしいサービスですね。

企業がもっとフリーランス(プロ人材)の活用に着目するべき3つの理由

ー企業が採用活動を行うときに、CARRY ME(キャリーミー)を活用するメリットはなんですか?

企業が採用にCARRY ME(キャリーミー)を利用するメリットは大きく3つあると考えています。

ひとつは、専門スキルがあり、かつ精神的に自立している(雇用に頼らない)優秀なプロを、比較的低コストで採用できることです。

CARRY ME(キャリーミー)に集まるプロ人材は、「自立してやっているだけのスキルとキャリアがある」という自負のもと独立した優秀な方ばかりで、大変活躍されています。そういうマインドで仕事をされる方たちは当然成果も出やすく、契約継続率は約85%と高い数字となっています。

採用は現在売り手市場と言われていますが、それは正社員として採用しようとしているからで、日本においてフリーランスの活用はまだ19%と言われています。つまり、フリーランスに業務委託をする場合は買い手市場なのです。年収1,000万円クラスの人材を、週2、3日など必要な分だけ出社するスタイルで採用することで、正社員として採用するより、そして企業に外注するよりもコストが削減できます。

日本企業はどうしても「時間で働く」週5回フルタイムの雇用を求めがちですが、これからは正社員は人材争奪戦となっていくため、週2、3回でも同等以上の成果を出せる「成果・業務にコミットできる」人材の採用をどう活用できるか、ということが会社経営のキモになってくると思っています。

2つ目は、企業は企業単位での採用からプロジェクト型での採用に切り替える事例が沢山出てきていますが、そのプロジェクト型の採用に向いているということです。プロジェクト単位での採用では、ステージによって採用したい人材が変わりますし、解散するリスクもあります。そのようなプロジェクトのステージに応じて数か月間のみ、週数回のプロの人材を投入していく、ということが可能になります。

3つ目は、社内にノウハウを蓄積できる点です。社内にその分野のプロがいない場合、外注をするのが一般的な企業も多いですが、デメリットとして「社内にノウハウが蓄積できない」という点が挙げられます。ですが私はクライアントに、未経験の若手の正社員と、フリーランスのプロ人材をセットで採用することを推奨しています。

フリーランスや起業家等のプロ人材には週1、2回で出社してもらい、実務と合わせて若手の未経験の正社員の育成も担当してもらうのです。スキルやキャリアのある人材を正社員として中途採用しようとするよりも遥かにコストが抑えられますし、かつ若手の教育もできるのでノウハウを社内に蓄積することができます。更に、若手の教育がしっかりされるので、離職率が下がるというメリットもあります。

※実際に、CARRY ME(キャリーミー)を通してフリーランスのプロ人材への業務委託と若手の未経験正社員をセットで採用された株式会社ティエヌさんのインタビュー記事はこちら『女性社員比率98%!女性活躍企業ならではの人事制度やプロ人材と正社員のセット採用の効果に迫る!』からお読みいただけます

ー相性が良い企業や職種はありますか?

クライアントは、IT系のスタートアップが多いです。成長をさらに加速させるために採用をしたいけど、まだ知名度がないので採用に苦労している、というフェーズの企業が多いですね。その他、正社員の採用に苦戦しがちな不動産業界、Web集客が課題となる医療法人やスクール(専門学校等)、新規事業のプロジェクト立ち上げで苦戦している大企業、それから「SNSの運用、SEO対策、広報・PRなど、週5フルタイムで雇用しなくても良い仕事を必要な分だけ採用したい」という企業があります。

職種としては、Webマーケッター、広報・PR、法人営業のマッチングが多いです。

先日も、「Webマーケティングを担当できる人材がいないから月200〜300万円で外注しているけど、月に一度レポート1枚がくるだけで、ノウハウも社内に溜まっていかない」と悩んでいらっしゃったクライアント(歯科医)に、その業界について詳しいぴったりのWebマーケッターをご紹介することができ、代表の方も非常に喜んでいました。

別のケースでは、週1回出社で月10万円程度の「営業プロ」を「レンタル営業部長」という役割で紹介しました。あまりに結果が出るので、翌月には「週2回 月20万円にしてほしい」と企業側から依頼があり、そのような形で今も継続しています。ちなみに、この会社からは2ヶ月で5名の営業や人事制度のプロ人材を採用していただき、高い評価を頂いています。

CARRY ME(キャリーミー)に懸ける想い

シリアルアントレプレナーであり、CARRYME(キャリーミー)代表取締役社長の大澤亮さんの写真
ーフリーランスにとっても、企業にとっても非常にメリットのある真のマッチングが実現しているのですね。大澤さんがCARRY ME(キャリーミー)を通して実現したいことや、サービスに懸ける想いを教えてください。

CARRY ME(キャリーミー)を通して実現したいことは3つあります。

1つ目は適材適所。適「才」適所と表現した方が良いかもしれません。日本では、優秀な人材は大企業もしくは外資系企業(コンサルや金融)に就職する傾向がありますが、「優秀な人材こそ、成熟企業ではなく成長企業で活躍して欲しい」という想いがあります。

もちろん全員ではありませんが、大企業に就職した優秀な学生が、既存の終身雇用、年功序列の企業の制度に入って才能が埋もれ、その企業でしか活躍できない、転職もできない人材になってしまうケースをよく見かけます。また、日本社会や経済という観点から見ても、成長分野にリソース(優秀な人材)を配分した方が良いことは明らかです。「今すぐに成長分野で稼働できる極めて優秀な人材」と成長企業のマッチングをCARRY ME(キャリーミー)で実施しています。

2つ目は、埋没労働力の解消です。フリーランス人口は日本でも1,000万人を超え、それ以外にも優秀な主婦やまだ収益化できていない優秀な起業家など、埋もれている稼働は沢山あるのに、日本での外部人材の活用率はわずか19%です。才能や経験が埋もれてしまっているのはもったいないですよね。ここは解消したいと思っています。

3つ目は、リスクをとってチャレンジする優秀な個人にセキュア・ベース(安全基地)を提供し、安心して失敗できる環境・社会を創りたいという想いです。
日本でも、よく「これからの企業や社会には、失敗を恐れず、創造性やチャレンジを促し、ゼロベースで考えること」の必要性が言われるようになってきました。

CARRY ME(キャリーミー)は、「仕事を貰えない」ことが最大のリスクであるフリーランスや起業家にとって、「何かあっても、適切かつ十分なスキルがあれば、仕事を獲得でき、食っていける」というある一定の保証、安心感を提供することで、十分な創造性を発揮して新しいことにチャレンジできる土壌を創ってもらいたいと考えています。

ー最後に、大澤さんの今後の展望を教えてください。

私は、松下幸之助さんの「指導者はそれぞれの人の持ち味を考えて用いることが大切である」という言葉が好きで、「適材適所」が仕事をする上で一つのテーマになっています。一人ひとり得意不得意や役割があって、その素晴らしい個性が活きる環境を見つけられるかどうかでキャリアは大きく変わります。私たちはその環境に出会える機会を提供していきたいと考えています。

具体的には、地方展開や、シニア層の活躍の場をもっと増やしていくことを視野にいれています。特に、採用難に困る地方の成長企業に、東京等に在住のプロ人材を週1,2回と在宅で担当してもらい、地方の活性化につなげる、ということはやっていきたいと思っています。

シニア層については、既にプロのフリーランスとしてクライアント先で活躍してくださっている方が複数名いらっしゃいます。「とても優秀な方なので、出社日を増やしていただけませんか」とクライアントから相談がくるくらい活躍されているんですよ。

一人ひとりの個性が輝く環境に出会えるよう、今後もチャレンジする個人と企業を応援できるサービスを提供していきます。

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この記事を書いた人

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小野瀬 わかな
ライター
1992年生まれ。茨城県出身。大学卒業後、株式会社ウィルフォワードに入社。クリエイター兼経理担当として、企業の採用コンサルティングに付随するクリエイティブを担う。主に大手美容クリニックや自動車会社のオウンドメディアのコンテンツ制作、運用を担当。これまでに担当したインタビュー記事は150本を超える。2018年4月にライターとして独立。採用や次世代の働き方を中心に、取材、ライティング、撮影を行っており、その人ならではのストーリーや経験を通して、生き方や働き方、在り方のヒントを発信するべく活動中。
Twitter:https://twitter.com/wakana522
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個人ブログ:http://onosewakana.com/

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