実践版 成功するB向けオウンドメディアを作る!〜良質なコンテンツを作成するプロセスを紐解く
『実践版 成功するB向けオウンドメディアを作る!』と題して、コンテンツマーケティング手法について取り上げる、今回はその第2回です。
第2回めの今回は、20年もの前にあのビル・ゲイツが発していた言葉を皮切りに「コンテンツ」と呼ばれるものの深淵に迫っていきたいと思います。
前回に重ねて、音楽の話題も盛ってしまいました。ぼくが非常に音楽好き(主に、ハードロック)でもありますので、しばらくはそんな話題にもお付き合いください。では、今回もよろしくお願いします。
もはや良質なコンテンツでなければ戦えない
ひところ、Content is king と言い方が広がったことを記憶されている方はどれくらいいるでしょうか? コンテンツマーケティングという言葉が広がる以前、コンテンツSEOという方法が跋扈する頃にあちこちで語られましたが、この言葉は実はビル・ゲイツが1996年に語っていた言葉でもあります。
その後、インターネットの主役を他社に譲ることになりますが、PC分野での王者として先の先を予言した言葉として、現在もある意味「伝説」化しています。
一部、引用しましょう。
50年前に始まったテレビ革命は、テレビメーカーを含む、様々な業界に波及していったものの、長期的な成功を手中に収めたのは、メディアを使って、情報や娯楽を提供した人達であった。
インターネット等のインタラクティブなネットワークにおいては、「コンテンツ」の定義は広範に渡る。例えば、コンピュータソフトウェアもコンテンツの形式の一つであり — 非常に重要度は高い。事実、今後もMicrosoftは、このタイプのコンテンツを最も重要視していくだろう。
雑誌をそのまま電子の領域に移動するだけでは、オンラインで成功を収めることはできない。オンラインメディアの欠点を克服するだけの深さ、そして、インタラクティビティ(双方向的な要素)が、印刷メディアのコンテンツには欠けているためだ。
インターネットは、専門的な科学の情報を交換する仕組みに革命をもたらしている。印刷版の科学雑誌は、発行数が少なく、そのため、価格が高くなる傾向がある。大学の図書館は、科学雑誌の顧客の大半を占めている。専門的なオーディエンスに対して情報を配信するこの手法は、ぎこちなく、ペースが遅く、また、高額のコストがかかるものの、代案が存在しない状態であった。
パブリッシャーは、大勢のオーディエンスを集めるために、小額の料金を請求する煩わしさから開放されるだろう。
成功を収める者は、アイデア、経験、そして、製品の市場、つまりコンテンツの市場として、インターネットを進歩させていく。
翻訳文は、http://www.seojapan.com/blog/content-is-king-by-bill-gates
による
(1996年3月1日 ビル・ゲイツ)
1996年に語られた言葉とは思えないところが、さすがビジョナリーとしてのビル・ゲイツです。まさに、圧巻です。
現在は、既に2018年。ビル・ゲイツが思い浮かべた未来は実現しているのでしょうか?
少なくとも、多くの人がある興味からスマホに話しかけ、あるいは検索キーワードを入力し、特定のページを表示させ自身の課題解決を図るという世界は実現しています。
だからこそ、その結果に「責任」を負うのが情報発信者たるメディア側であることは論を待ちません。
そのメディアの「定義」は明確か?
さて、話をコンテンツマーケティングに進めましょう。
先に上げた言葉を言い換えて、Content is Magic という言葉を掲げました。
「優良顧客を生み出すものが良いコンテンツだということ」というのが、その言葉が示す意味。
コンテンツマーケティングとは、見込み客や顧客にとって価値のあるコンテンツ(=良質なコンテンツ)を提供し続けることで、興味・関心を惹き、理解してもらい、結果として売上げにつなげるマーケティング戦略のこと。何度も訪問して購入してくれるリピート(=優良)顧客を育てるということは、つまり、継続的に訪問したくなるコンテンツづくりをするということです。
では、ユーザーを惹きつける継続的かつ長期的なコンテンツづくりとは、どのように行なえばよいのでしょうか。
考えるのは、「誰が喜んでくれるだろう?」という視点です。
先の検索をするというユーザーの行動を思い出してください。
改めて「良いコンテンツ」を考え直す
検索キーワードの絞り出し方や、その検索キーワードに対応したコンテンツづくりについては、また改めて実践的な方法をお伝えしていこうと考えていますが、今回はまだその前提となるコンテンツの考え方について深掘りをしたいと考えました。
繰り返しますが、「誰が喜んでくれるだろう?」と考えることこそが一番有益であり大切だと考えられるからです。
「求められる音楽」と「天才が作る音楽」
ここで、前回に引き続きコンテンツとしての音楽を取り上げてコンテンツの制作を深掘りしていきたいと思います。
音楽家で天才という代名詞で多くの人が思い浮かべるのは、クラシックの世界ならモーツァルトになるのではないでしょうか。モーツァルトがその天才性にも関わらず短い生涯を閉じ、しかも誰の遺体ともわからぬまま共同墓穴に埋葬されたというのは実に悲しい逸話です(映画『アマデウス』でも胸の痛くなるシーンでした)。同様に天才という言葉で語られながらも、難聴を抱えていたなどのサイドストーリーから大きな人気を博しているのがベートーヴェンです。特に、日本では年末の「第9」は欠かせない風物詩でもあります。この二人の音楽家に共通するのは、それまでの貴族とのパトロン契約から開放されて自由な職業音楽家として生きようとしていたという点に尽きます。
そして、この当時、音楽を消費するということは現在で言うライブを体感することと楽譜を購入することに他なりませんでした。余談ですが、ぼくはギターはもちろん大好きですが(何しろハードロック好きですから)、ピアノ曲もかなり好きでベートーヴェンのピアノソナタは聴き込んでいます。現在私たちが目にするピアノという楽器はベートーヴェンが優秀なピアノ職人とともに作り上げたものだというのも豆知識です。特に、ベートーヴェンは、ペダルを効果的に使う奏者だったそうです。
それは天才が生み出す音楽の数々でした。
時代は(場所も)進み、ぼくが若者だった時代の音楽の世界の英雄が先ほど「引退」を宣言しました。小室哲哉氏です。引退の顛末はここでは語りませんが、時に彼も「天才」と呼ばれていました。80年代、彼が敏腕プロデューサーとして数多くのヒット曲を世に送り出し大活躍をしていた時代に語っていた言葉があります。
正確に引用ができないので、こういうことを言っていたという程度に読んでいただきたいのですが、
「ヒット曲には幾つもの方程式がある。歌手(アーティスト)に合わせて、またそのテーマ(歌詞)に合わせてそのパズルを埋めていくだけだ」というような話でした。
音楽的には、
・Aパターン:カノン進行 |C|G|Am|Em|F|C|F|G|
・Bパターン:(王道)|FM7|G7|Em7|Am|
・Cパターン:(小室) |Am|F|G|C|
など、ポップスの分野では定番化したコード進行があり、Cは小室哲哉氏が多用していたパターンです。(『Get Wild』がこのパターン)。
また、せっかくなので、少し曲を生み出すというところに焦点を当てて語ると、ぼくの大好きなThe WHOによくあるパターンですが、ギターで音楽を作るという考え方で、そのままギターを横にスライドさせて転調させるという方法(有名な例が、『SummerTime Blues』です)。似たような例は、坂本龍一氏の『Behind The Mask』でもあります。これは、ギターで演奏するのに非常にかっこいい曲ですが(クラプトンのカヴァーが有名ですね!)、ギターで作る曲を無理やりピアノで作ろうとした曲だと本人が語っています。
音楽の話題はこれくらいしして、まとめましょう。
「良いコンテンツ」を生み出すために必要なこと
- その情報を受け取る側に立って、必要なものごとを組み立てる
これは、まさにあらゆる曲を量産していた小室哲哉氏が実践していた方法でもあります。よく知られた逸話で、歌詞を書く際には女子高生の会話を書き溜めたノートから印象的な言葉をピックアップしていたなどというものもあります。 「軸をずらす」ことで良質なコンテンツを誕生させる
誰もが知っている事柄をちょっと横から見直して新しい発見をする。いわゆる「バズ」るためのテクニックでも語られますが、軸をずらすということを意識することはとても有効です。先の音楽の例でいうと、『SummerTime Blues』や坂本龍一氏の『Behind the Mask』が良い例です。計測を踏まえたPDCA(コンテンツの修正)
実は、一番肝心なのはこの3つ目です。記事を書いたらおしまい、公開したらジ・エンドではありません。ある指標を持って計測を踏まえ、繰り返し記事をアップデートしていくことこそ最善の答えです。
まとめに代えて
今回は、「良いコンテンツ」に関して、約20年前のビル・ゲイツの予言めいたコラムの言葉からコンテンツの魔法を考察してみました。
余談ですが、筆者は10年前には電子書籍事業に真剣に取り組んでいまして、音楽と書籍の融合を「電子書籍」で実現したいと本気で考えていました。無残に夢と終わりましたが、「電子書籍」それ以前に制作されたCD-ROMというメディアをもう既に誰も覚えていないのかもしれませんが、ほとんどが(現在のスタンダードな)パソコンではもう確認することもできないものばかりです。幾つか、まさに魔法のような傑作も存在していますので、もしご興味があれば古いマシンを用意してぜひ見てみてください。
クリエイティビティを大いに刺激されるはずです。
さて、次回は「ターゲットとゴール」の設定について、少し具体的にぼくが携わってきたメディアの事例も参考にしながら紐解いていきたいと思います。お楽しみに。
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この記事を書いた人
- 野田 収一
1966年生まれ。
大学卒業後、書店店長を営みながらamazon.comの誕生を目の当たりにし衝撃を受けWebを仕事にしようと心に決める。 (株)リクルートのWeb制作に携わり、愛知県下の有名企業のWebサイト、採用サイトのプランニングから制作までをディレクター/プロデューサーとして一貫して担う。大手企業のインターネット初期のサイトに数多く携わっていました。
現在は、Webマーケティングをテーマにセミナー開催、執筆等を行なっています。また、「新しい働き方」推進のために複業を実践もしながら、個人の生産性向上アップのための講演なども準備中です。
大規模サイトから小規模サイトまで、臨機応変にサイトのシステムからマーケティングまで統括的な知識を持っていることは大きな強みでもあります。 近年のマーケティング分野での実績は、
・高級不動産
・留学エージェント
・葬儀業
・大規模Webマガジン
等、分野も業界も多岐に渡ります。
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