新規事業の立ち上げ時に必要な人材の見極め方
2021/4/21
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キャリーミーのプロ人材のメリットやリスクについてご紹介してきましたが、実際にどのようにプロ人材を活用していくのか想像がつかないという方もいらっしゃるのでは?そこで今回は、プロ人材を活用したケーススタディをご紹介します。今回は、キャリーミー代表の大澤に、キャリーミーを立ち上げる際のプロ人材活用例を語ってもらいました。これから新規事業の立ち上げを予定されている企業様にも参考になると思います!
目次
新規事業事業立ち上げにおける3つのステージ
- CARRY ME(キャリーミー)代表 大澤 亮
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96年、三菱商事入社。入社2年目にタンザニアへ赴任、ODAでの井戸掘削プロジェクトなどに携わる。99年に同社を退社、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)に入学。同校在学中にトランスワークスを創業。証券会社の比較サイト、中国茶のeコマースサイトを立ち上げ、米ゴメス社とサイバーエージェントに、いずれも売却する。その後、ドリームインキュベータ、土屋鞄製造所(取締役)を経て、2009年9月、ピーストゥピースを設立し、2016年にキャリーミーを正式ローンチ。
キャリーミー代表の大澤です。キャリーミーは、サービスローンチから今日までプロ人材の力を借りながら事業を展開してきました。今回は、キャリーミーのグロースまでの流れを新規事業立ち上げの観点からお話していきます。
前提として、私の中では新規事業を3つのステージに分けて考えています。
まず、「構想を作る・事業アイディアを練る」ステージ。
二つ目が「その事業アイディアを検証する」ステージ。
三つ目が「スケール化を目指す」ステージ。
それぞれ、活用したプロとその方法は異なるため、一つずつ紹介していきます。
ステージ1:新規事業立ち上げにあたり2人のプロ人材にアイディアをブレスト
前列左端が集客のプロ毛利さん。後列右端が人材業界のプロ布井さん。
一つ目の「構想を作る」段階では、私が現場へヒアリングなどを行った結果、「プロ人材と企業をマッチングする事業は成立するのではないか」と感じたことで、事業構想が出来ました。
この新規事業構想が現実的に立ち上げ可能か、ブレストとして2人のプロ人材に相談しました。
まず、人材業界のプロ人材である布井さん。「プロ契約」の事業は広い意味で言うと人材業界の分野にあたるので、自分の発想した「プロ契約」は事業として成り立つのかアドバイスを求めながら内容をブラッシュアップしていきました。
SEOを含むWebでの集客やディレクションのプロ人材・毛利さんにも話を聞いていました。人材関連の事業はいかに優秀な方々、弊社で言う「プロ人材」を集められるかがサービスのポイントだと感じました。そこで、少ない予算で優秀な人材を現実的に集客出来るのか相談したのです。
集客できると回答をもらい、また、毛利さん自身がこの事業に共感してくれて「是非一緒にやりたい」と言ってくれたのでマーケティング、特に集客の部分をお任せすることにしました。
このブレストには二つの意味があったと思っています。
一つは人材業界の知見を得ること。私自身人材業界の知見が全くなかったので、書籍で調べるだけでは限界がありました。そこで、人材業界のプロ人材である布井さんから意見をもらうことが大きな意味を持っていました。
二つ目は事業を現実的に落とし込んだ時に運営が可能か判断出来たこと。特に集客部分の「How」の部分を毛利さんの知見からある程度判断できたため、キャリーミーをローンチする決断ができました。
ステージ2:新規事業立ち上げの仮説検証では営業のプロ人材が加入
次は、新規事業立ち上げにあたりブレストしたアイディアを検証する、つまり、どんな風に事業を行ったら成功するか検証をしていくステージです。個人的にはここが一番重要なステージであると考えています。
このステージのポイントは、「誰のどんな課題をどんな風に解決するのか」を意識することです。キャリーミーのようなマッチングサービスの場合、「企業側のどういう課題をどうやって解決するのか」、「個人側のどういう課題をどうやって解決するのか」という2つの視点が求められます。それぞれに対して、仮説を作り検証することが必要です。
その仮説ですが、企業側では以下の3点を挙げていました。
・スタートアップや中小企業は優秀な人材の採用に苦戦しているのではないか?
・そうした企業は、ずば抜けて優秀な人を業務委託で活用したいのではないか?
・さらにサービスへの対価としてお金を支払えるのではないか?
この3点の仮説の検証と、この仮説が成り立つ際には、どんな職種の人材で、どのくらいの費用で、どういう企業(外資なのか、中小なのか、従業員数の規模など)ならこのサービスに手を挙げるのかを細かく仮説検証していくことがこのステージの課題でした。
また、個人側では「どういう職種・領域にプロが存在しているか、どのくらいの報酬なら業務を請け負ってくれるのか」を検証する必要がありました。
また、企業側と個人側の需要と供給が職種および報酬でマッチする必要があります。例えば、登録者がライターばかりで、企業側のニーズがマーケターにあったら事業として成り立たないからです。
このような課題の検証に活用したプロ人材としては、個人側はステージ1に引き続き、人材業界のプロである布井さんが中心になって対応していました。具体的には、登録者の面談をし、どういう個人が登録しているかを報告してもらいました。また、ローンチ直後の面談は私と毛利さんもやっていましたね。
企業側の仮説検証にあたり、3人の営業のプロに参画してもらいました。うち2人はテレアポのプロ。どちらも企業リストは持っていなかったものの、リストを作りながら自分たちで電話をかけてくれていました。彼らに1日150~200件電話してもらう一方で、取れたアポに対して、クロージングし、求人化し、適切なプロをご紹介するプロがもう1人。クロージングのプロと私で手分けして商談に向かい、どんなニーズがあり、求人を頂けるのか内容を収集しました。
このように、企業側の仮説は営業のプロ3名、個人側の仮説は人材業界のプロを活用することで、「ここならいける」という領域を開拓してもらいました。以下がこのステージでキャリーミーが得た検証の結果です。
新規事業立ち上げの仮説検証1:人材採用に苦戦する企業とは
当初の仮説通り、中小企業やスタートアップに非常に業務委託プロ人材のニーズが強く、その後、ここに絞り込んで営業活動を行っていきました。
検証をしていく中で分かったことがありました。大手企業にも営業に行ったのですが、ローンチ当時、キャリーミーのサービスは全く相手にされなかったのです。
理由は大きく二つあって、一つは慣習が強く、今までやってきた業務フローを変えられないこと。事業の重要な部分に業務委託の外部人材を活用することに対してアレルギー反応を起こす場合もあるようでした。しかし、お話を聞いた中では「派遣は採用しているし、正社員も取れている。個人に業務委託なんて、聞いたこともないしやったこともないから今後もやらない」とおっしゃる企業が多い印象でした。キャリーミーのサービス内容を理解しても、そもそも慣習として無理だという考えです。
二つ目が、一定以上の規模の大手企業だと優秀な正社員に年収1,000万円以上提示できるので、自社で優秀な正社員を採用しますと回答されるケースです。ここまで資金的に余裕があれば、業務委託の人材は必要ないということですね。理由は異なりますが、いずれにしても正社員に固執していると言う点で同じでした。
現在では、キャリーミー以外にも様々な業務委託のサービスが立ち上がり、風向きが変わっているのを感じています。
新規事業立ち上げの仮説検証2:業務委託でも採用したい職種とは
次に、検証したのは業務委託プロ人材でニーズの高い職種や領域はどこになるのかでした。
初期から圧倒的にニーズが高かったのは広報PRとデジタルマーケティング。
この領域において企業側は圧倒的に人手が足りなかった。労働力不足ではなくて、優秀な人材がいないことが課題でした。本当は正社員で採用したいんだけど、採用できないという声が企業から多く聞こえてきましたね。
また、個人側も、広報PR・デジタルマーケの分野の登録者が多かったです。私も広報やデジタルマーケの分野の優秀な個人の方とお話し、企業に貢献できると判断できたので、広報とデジタルマーケの分野に特化しようと決めました。「特化」というのは、企業へのプレゼンにおいて特に強みとしてご紹介していく中心分野を決めたという意味です。
新規事業立ち上げの仮説検証3:プロ人材も企業も満足する単価とは
ローンチ当時、プロ人材への報酬は、週に2,3回で月20~30万円で設定しました。
今思うとちょっと安かったと思うんですが、それは個人側も満足していただける単価で、そこにプラス30%という報酬を乗せるのであれば企業側も妥当だと感じてくれる範囲のサービスを提供出来ることが分かりました。
新規事業立ち上げに必要な考え方-PMF
事業の検証をする時期において、「どんなサービスがほしいですか?」と顧客に聞きたくなる人もいると思うのですが、私はそれは絶対に聞いてはだめだと思っています。
なぜなら、PMF(プロダクトマーケットフィット、プロダクトが市場にフィットしているか)という考え方が重要だと考えているからです。
どんなクライアントが自社サービスをものすごく必要としているのか答えを知りたくなると思います。でも、クライアントには答えを教えてくださいという姿勢ではなく、自社で仮説を立てて提案する必要があると考えています。
キャリーミーであれば、
・優秀な社員の採用に苦戦している企業が
・デジタルマーケティングや広報領域で
・週2,3回程度で約30万で
・非常に優秀な人が業務委託で稼働できます
というサービスですが、御社では使いたいですか?という提案が必要だったんですね。
新規事業立ち上げに必要な考え方ーユーザー(プロ人材)の属性を知る
この検証のステージで、どういう人がどんな理由で登録してくるのかを知りました。
キャリーミーはローンチ当初から「フリーランス」という言葉を敢えて使っていませんでした。重要な部分は「優秀さ」だと考えていたからです。
「優秀で、仕事を業務委託で受けてくれる個人」とはどんな人たちなのか。今では企業側からキャリーミーに投げかけられる質問ですが、サービスローンチ当初はキャリーミーもその理由を知らなかったんです。個人と面談していくなかで、彼らがどんな属性なのか、4つのパターンに分けられました。
1:起業家(起業してやりたいことがあり、それが軌道に乗るまで3-4年かかるので、それまで業務委託でやりたい人)
2:フリーランス
3:子育て中のキャリアウーマン
4:転職しても良いが、先に退職してしまったので転職が決まるまでは業務委託を請け負いたい人(スタートアップの元CXOなど)
このように登録者の属性が分かると、オウンドメディアでのキーワード選定にも活用でき、プロ人材向け集客戦略立案の重要な指標になりました。また、企業側へのプレゼンにも活用できました。
キャリーミーのようなサービスでは、企業側・個人側双方の課題感を理解するのはマッチングに非常に重要だったと感じています。
ステージ3:プロ人材を活用しスケール化し、新規事業立ち上げの総仕上げをする
スケール化を図るにあたってキャリーミーでも正社員採用を検討していたのですが、一方で自分たちのサービスの有効性を実感することにもなりました。なぜなら、優秀な人を採用するのに苦戦したからです。当時、自社でもやっと1名、時間をかけて採用が出来た状況でした。そこで「正社員はいい人がいれば採用しよう」という姿勢に切り替え、プロ人材を活用することを加速させました。
そこで、さっきお話した3名以外で、営業のプロ人材をさらに3名追加しました。その3名は全員フィールドセールスで、商談のプロ。とれたアポの商談・クロージングを担当してもらいました。
ステージ2では、テレアポのプロ2名とマーケティングチームがアポを取ってきてくれる形が多かったのですが、そこからスケール化するため、アウトバウンドの強化を行いました。
具体的には、1.3億の資金調達を挟んで、師弟採用の取り組みを始めました。
師弟採用とは、営業のプロと未経験者を同時に現場へ参画させ、営業のプロから未経験者が学びながら成果を出していく採用方法です。参画頂いた営業のプロは、アウトバウンド・フィールドセールス・カスタマーサクセス全てができ前職でMVPを何度もとっている優秀な方です。また、未経験者には学生のインターン生を入れました。このプロはマネジメントと営業を教えてくれる役割で営業の実稼働はしない立ち位置です。
そこで、もう1人テレアポのプロに入って頂いて、その人には週3回程テレアポの実践を指導してもらっています。正社員もそのタイミングで2名ほど採用できたのでこのチームに入ってもらい、アウトバウンドチームを結成。成果としては、初月からアポが取れて、結成2ヶ月目で成約がとれました。2020年11月に立ち上げて、12月にはもう売上が立ちましたね。
新規事業の立ち上げに必要な人材は新規事業のフェーズによって考える!
キャリーミーの立ち上げからグロースまでを例に取って、新規事業の立ち上げにおいて必要な考え方や人材の見極め方についてお話してきました。
最後に、新規事業を立ち上げたいと思ったスタートアップの場合、すべてのステージに社長あるいは事業責任者のコミットが必要だと考えます。オーナーシップを持ってやれる人、権限を持っている人が責任をもってグロースまで導く姿勢が求められます。
一方で、新規事業の責任者や社長が一人で走らず、専門のプロにフィードバックをもらいながら形にする必要もあります。キャリーミーにおいては、検証やグロースのフェーズでもプロ人材を増やしながら事業の成長に至りました。
このように、新規事業においてはプロ人材の活用もぜひ検討してみてください。以下の資料には新規事業開発のプロのプロフィールも掲載しています。
キャリーミーはマーケティング・広報領域を中心にプロ人材を紹介しています!
- 中途採用では出会えない優秀な人材が自社のメンバーに!
- 戦略から実務まで対応、社員の育成など業務内容を柔軟に相談!
- 平日日中の稼働や出社も可能!
この記事を書いた人
- 渡部 梓
大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。