
顧問契約の解除通知書はどう書く?円満に契約を終了させる手順と注意点
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顧問弁護士や税理士との契約を終了させたいものの、どのように切り出せばよいか悩む経営者や担当者の方は少なくありません。長年の付き合いがある場合や、今後の関係性を考えると、感情的な対立は避けたいものです。しかし、事業フェーズの変化やコスト見直しの際に、顧問契約の解約は避けて通れない経営判断の一つといえます。
本記事では、トラブルを防ぎつつ円満に契約を終了させるための解除通知書の書き方や、具体的な手続きの手順について分かりやすく解説します。この記事を読めば、角を立てずにスムーズな顧問交代を実現し、次の事業成長へ向けた一歩を踏み出すことができるでしょう。
そもそも顧問契約の解除通知書とは?3つの基本知識
顧問契約を終わらせる際、実務上極めて重要なのが「解除通知書」という書面です。単なる事務手続きと思われがちですが、これには後々のトラブルを防ぐための重要な役割が込められています。まずは、通知書の基本的な役割や、知っておくべき簡単なルールを整理しましょう。
1. 「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、契約を終わらせるための証明書
顧問契約の解除において書面を作成すべき最大の理由は、言った・言わないのトラブルを確実に防ぐためです。口頭での通知も有効ですが、後から「聞いていない」「いつまでに終わるのか不明確だ」と意見が食い違うリスクがあります。解除通知書という形で証拠を残すことで、契約解消の意思がいつ相手に届いたかを明確に証明できます。将来的なもめ事を未然に防ぐために、書面による通知はビジネス上のリスク管理における鉄則といえるでしょう。
2. 知っておきたい言葉の違い:過去に遡らず「これから先」の契約を終了させる
実務では「解除」と「解約」が混同されやすいですが、顧問契約の場合は将来に向かって契約を終わらせる「解約」が一般的です。厳密には、解除は契約を結んだ時点に遡って白紙にする効果を持ちますが、解約は将来に向かってのみその効力が生じます。継続的な顧問業務を特定の時点で停止させる場合は、この「将来に向けた終了」であることを意識しましょう。通知書を作成する際も、過去の業務を否定するのではなく、あくまで「これからの契約を終了させる」というスタンスで臨むのが円滑な手続きのコツです。
3. 法律上のルール:基本はいつでもやめられるが、相手への配慮も必要
弁護士や税理士などの顧問契約は、原則として当事者はいつでも解除が可能です。法律のルールにより、お互いの信頼関係がベースとなる契約は、理由を問わず一方的に終了させることができます。ただし、相手方に不利な時期に突然解約を申し出る場合は、やむえない理由がない限り、相手に生じた損害の賠償を求められる可能性があるため注意が必要です。権利として解約は可能ですが、引き継ぎ期間を確保するなど、相手への配慮を示すことが円満な解決への近道となります。
(参考:「契約期間中は解約できない」は本当か?」https://naganolaw.com/cms_wp/news/company/c_trouble/2175/
「契約解除とは?」「契約解除通知書とは?」https://biz.moneyforward.com/contract/basic/19254/)
解除通知書を作る前に確認すべき5つのチェックポイント
解除通知書を作成して発送する前に、まずは現在の顧問契約書の内容を徹底的に確認する必要があります。契約書には、解約に関する具体的なルールが定められていることがほとんどだからです。以下の5つの項目を確認し、自社に不都合な条件がないか事前に確かめましょう。
1. 何ヶ月前までに伝えるべきか:契約書に書かれた解約の期限
まず確認すべきは、解約の予告期間です。一般的には、解約希望日の1ヶ月から3ヶ月前までに通知するよう定められています。この期限を過ぎてしまうと、翌月分や翌更新月までの顧問料が発生し、無駄なコストを支払うことになりかねません。解約を検討し始めたら、まずは契約書に記載された通知期限から逆算してスケジュールを立てることが大切です。
2. 自動更新になっていないか:次の更新月を逃さないためのタイミング
多くの顧問契約には自動更新のルールが含まれており、契約期間満了の数ヶ月前までに申し出がないと自動的に1年更新されます。更新のタイミングを逃すと、さらに1年分の契約期間に縛られてしまうリスクがあります。通知期限だけでなく、契約期間がいつ満了し、いつまでに更新しないことを伝えるべきかについても、日付を特定して確認してください。
(参考:「中途解約条項とは?」https://keiyaku-watch.jp/media/keiyakuruikei/chutokaiyakujyoukou/)
3. 違約金などの発生有無:途中でやめる場合のペナルティの有無
契約期間の途中で解約する場合に、違約金や残りの期間分の報酬請求が定められていないか確認しましょう。法律上はいつでも解約可能ですが、特別な約束(特約)としてペナルティが設定されている場合があります。ただし、著しく高額な違約金などは無効とされるケースもあるため、気になる条項がある場合は事前に対策を検討すべきです。
(参考:「顧問契約の中途解約について」https://cs-lawyer.tokyo/column/2020/03/03.html)
4. 預けている資料やデータの扱い:返却や削除のルールはどうなっているか
顧問が管理している自社の資料やデータの返還ルールを確認してください。税務資料の原本や各種パスワード、社員情報などは、次の顧問へ引き継ぐために不可欠な資産です。契約書に返還方法や期限の記載がない場合でも、解除通知書において「いつまでに・どのような方法で返却するか」を明確に求める必要があります。
(参考:「労務顧問契約を解約したい場合」https://ogiu-sr.com/roumukomonfaq/3667/)
5. 秘密を守る義務:契約が終わった後も会社の情報を守ってもらう約束
顧問契約が終了した後も、業務上知り得た機密情報を外部に漏らさない「守秘義務」は継続するのが一般的です。解約によってこの義務が消滅することはありませんが、通知書に改めて「守秘義務の継続」を明記しておくことで、心理的な牽制にもなります。会社の重要な情報を保護するため、契約書上の有効期間を必ず再確認しておきましょう。
(参考:「顧問弁護士(顧問契約)の解約・変更はできる?」https://corporate-a-lawoffice.com/gca-termination-change/)
解除通知書に必ず書くべき5つの内容
解除通知書は、感情的な言葉を避け、事務的かつ明確に記載することが円満な解約のポイントです。相手に「何を・いつ・なぜ」解除するのかが正しく伝わるよう、以下の5つの必須項目を盛り込みましょう。ここでは、実務でそのまま活用できる具体的な書き方と文例を解説します。
1. どの契約のことかを特定する情報(契約を結んだ日付や契約書名)
まず、どの契約を解除したいのかを正確に特定します。複数の契約を締結している場合、特定が不十分だと手続きに遅れが生じます。具体的には、「令和〇年〇月〇日付で締結した〇〇顧問契約」のように、締結日と契約の名称を並べて書きましょう。これにより、双方の認識のズレをなくし、書面の効力を確実に発生させることができます。
2. 「契約を終了します」という明確な意思表示と、具体的な終了日
最も重要なのは、曖昧な表現を避け、契約を終了させる意思をはっきりと示すことです。また、契約書上の解約予告期間に基づいた「具体的な終了日(令和〇年〇月〇日)」を明記してください。日付をぼかすと、顧問料が日割りになるのか月額分発生するのかで揉める原因となるため、確定した日付を記載するのが鉄則です。
(参考:「契約解除通知書の書き方」https://biz.moneyforward.com/contract/basic/2931/)
3. 角を立てずに理由を伝えるコツ(「社内体制の変更」などを理由にする)
解除理由は、「レスポンスが遅い」といった相手への不満ではなく、「社内体制の変更」や「経営方針の見直し」とするのが最も無難です。これにより、相手の能力を否定せず、自社の都合による判断であることを強調できます。また、新たな事業領域に進出するため、特定の専門性を持つ人材が必要になったという説明も、相手のプライドを傷つけない合理的な理由となります。
(参考:「顧問契約解除通知書テンプレート」https://exia.co.jp/bizroute/kaiyaku-advisor.html)
4. 最後の顧問料はどう支払うか(日割り計算や、未払い実費の清算方法)
最終的な清算方法についても触れておきましょう。特に月途中の解約であれば「日割りでの支払い」なのか、あるいは「月額全額」なのかを、契約書の規定に沿って提示します。また、立替金や追加の実費精算が残っている場合は、その請求タイミングについても確認する一文を添えることで、金銭トラブルを未然に防ぐことが可能です。
(参考:「顧問弁護士の解約通知書の書き方」https://www.prolegalist-navi.com/about-legalcounsel/cancellation-notice.html)
5. 会社の大切なデータや資料を返してもらう・消してもらうための一筆
預けている資産の返還を具体的に依頼します。原本資料の返送先や、電子データの削除証明を求める旨を記載してください。これらを明文化しておくことで、契約終了後の情報管理に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
| 項目 | 具体的な内容例 |
| 原本資料 | 決算書類、契約書原本、源泉徴収票など |
| 電子データ | CSV/Excel形式のデータ、e-TaxのID・パスワード |
| 期限・方法 | 「解除日までに郵送にて返却」「機密情報は確実に削除」 |
顧問契約を円満に解除するための5つの手順
顧問契約の解除を円満に進めるには、正しい順序が重要です。いきなり書面を送りつけるのではなく、段階を踏んでコミュニケーションを取ることで、引き継ぎの協力を得やすくなります。ここでは、トラブルを最小限に抑えながら次の体制へ移行するための5つの手順を解説します。
手順1:現在の契約書を読み、解約のルールと期限を正しく把握する
まずは、自社の契約内容をしっかりと把握することから始めます。前述の解約予告期間や自動更新条項、違約金の有無を改めて整理しましょう。もし契約書が手元にない場合は、顧問側にコピーを依頼するか、締結時のメール履歴を確認してください。ルールを正しく理解しておくことが、トラブルのない解約手続きを行うための土台となります。
手順2:通知書をいきなり送るのではなく、事前に口頭で相談・打診をする
事務的な書面が突然届くのは、関係性を悪化させる最大の原因です。まずは電話や面談で解約の意向を伝えるのが、最も円満な方法です。これまでのサポートに感謝を伝えつつ、「経営環境の変化により、やむを得ず体制を見直すことになった」と前向きな理由で打診します。事前に相談しておくことで、その後の書面手続きがスムーズになります。
手順3:合意した内容をもとに解除通知書を作り、確実に届く方法で送る
口頭でのすり合わせが終わったら、速やかに解除通知書を作成し発送します。送付方法は、届いた日時を客観的に証明できる配達証明付きの内容証明郵便や、追跡機能のあるレターパックなどが最適です。内容証明であれば、いつ、どのような内容を送ったかが記録されるため、後々の争いを防ぐ強力な証拠となります。重要な手続きであるため、確実性を重視した方法を選びましょう。
手順4:業務に穴が空かないよう、進行中の案件の引き継ぎメモをもらう
解約日までに、進行中の業務や未処理のタスクを一覧化してもらうよう依頼します。これまでの成果物やノウハウを社内に残してもらうことで、契約終了後に業務が停滞したり、期限付きのタスクで事故が起きたりするリスクを防げます。具体的には、以下の3点についてまとめた引き継ぎメモを受け取ると安心です。
- 案件一覧と進捗状況
- 訴訟や税務申告の重要期限
- これまでの判断経緯やメモ
手順5:空白期間を作らないために、次の「即戦力となるプロ人材」を確保しておく
現在の顧問を解約する前に、次の相談先を確保しておくことが最も重要です。特に現場の実務まで手が回っていない場合、単なるアドバイスだけでなく「実務まで動けるプロ人材」への切り替えが、事業成長を加速させます。キャリーミーのような人材マッチングサービスを活用し、マーケティングや事業開発の専門家を確保しておくことで、顧問交代のタイミングを事業改善のチャンスに変えることができます。
(参考:「顧問契約の解約・変更手順」https://a-lawoffice.jp/companycolumn-gca-termination-change)
まとめ:固定費を抑え、実務まで任せられる新しいプロ人材の活用へ
顧問契約の解除通知書は、ルールの遵守と事前の口頭打診を意識すれば、トラブルなく円満に進められます。契約の見直しは、企業の成長に向けた前向きなステップです。アドバイスのみといった顧問体制では、変化の激しい市場環境への対応が難しいケースもあります。固定費の重い顧問契約を見直した後は、必要な時に必要なスキルだけを導入できる、より柔軟な体制を検討してみてはいかがでしょうか。
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