企業がテレワーク・在宅勤務で失敗しないためのマネジメント方法と成果の出し方

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キャリーミーは、2016年から約4年間、「ビジネス界にもプロ契約を」導入すべく、出社とテレワーク(在宅勤務)を組み合わせて働くプロ人材(業務委託契約)と、優秀な人材不足の企業をマッチングしてきた。

働く個人はフリーランスや、子育て中のキャリアウーマンや起業家など30代中心とした個人が6700人以上登録している。(2020年3月8日現在)

※キャリーミーの「プロ人材」とは、顧問や副業ではなく、平日日中に稼働し、もっと本業として実務に、成果にコミットしてくれる人材を指している。

テレワーク・在宅勤務でも働ける環境を提供し、いかに心地よく優秀な人たちに働いてもらうか

自社でもこうした出社とテレワーク・在宅勤務を組み合わせて働く業務委託プロ人材をフル活用(全メンバーの8割が業務委託プロ人材※)し、業績を成長させ、4年目の今でも売上は急成長し、前年同期比3倍になっている。

月次売上

また、キャリーミーの取引先は800社を超えてきているが、こうしたプロ人材の活用をうまく実施できている会社(株式会社いつも.様)は、なんと1年半に20人も!フル活用しプロ人材に業績アップに貢献してもらっている。

数百の事例を見てきて、テレワーク・在宅勤務でも働ける環境を提供し、いかに心地よく優秀な人たちに働いてもらうか、のノウハウを持っているかどうかで、(売上などの)成果は10倍以上異なってくるのでは、という実感を持っている。

事業内容から、キャリーミーは、おそらく日本でもトップ5に入るくらい、テレワーク・在宅勤務で働く「人材のマネジメント」方法、「成果の出し方」にノウハウがある企業だと自負している。

キャリーミーは出社とリモート・在宅を組み合わせて働くプロ人材が8割

今回は、コロナウィルスのニュースも毎日メディアが放映する中、不安も高まっているので、テレワーク・在宅勤務を推奨すべきかどうか迷っている方向け(主に企業側の管理者向け)に、「テレワーク・在宅勤務でも成果を上げるまとめ」として、弊社のノウハウを公開したい!と思って執筆したが、働く個人の方々も、もし共感する部分があれば、ぜひシェアしていただき、世の中に自律的な人を増やす活動を広めるお手伝いをしていただきたい、と思っている。

マーケティング組織図

※組織図は、「マーケティング部門」のみの組織図です。他、営業やCA(キャリア・アドバイザー)部門などがありますが、正社員は3名のみで、営業もCAも業務委託のプロ人材のメンバーで構成しています。

キャリーミー本体においては、33名のメンバーのうち、28名が業務委託のプロ人材、5名のみが正社員(大澤除く)である。しかも28名の業務委託の個人は「全員リモート中心」で、出社は打ち合わせベースである。

マーケティングチームのレギュラーメンバーは、CMO、広告運用、広報PR、Twitter運用・・・など7名いるが全員業務委託。CMO(マーケティング責任者)の毛利も創業メンバーであるが、業務委託契約で当初より出社は週2,3回の打ち合わせ程度である。

テレワーク・在宅勤務のマネジメントでおさえておくべき5つのポイント

早速だが、以下、抑えるべき5つのポイントを公開させて頂く。

この5ポイントを抑えれば、在宅・リモートでも全く支障なく業務がまわる、というよりも、むしろ、(意識の高い人であれば尚更)「自分を信じてくれてテレワーク・在宅勤務で仕事させてくれて有難い。必ず成果を出すべく努力する」と思ってくれて、頑張る傾向にあると思っている。

テレワーク・在宅勤務のマネジメント① 会社が管理すべきは時間より「成果」という考え方

テレワーク・在宅勤務のマネジメント①会社が管理すべきは時間より「成果」という考え方
これまでの私の経験上、多くの企業が人を時間・場所で管理しようとする傾向があるが、本来は企業が求めるのは労働時間・稼働する時間や場所ではなく、「成果」のはずである。
弊社では正社員にも業務委託のプロ人材にも伝えているが、「場所や時間も自由で良いが、成果だけは上げて欲しい」と。

自分が雇用される側だったら、時間で管理されることを、どう思うか?を考えて頂きたい。
新入社員や転職してまだ1年目の若手(20代半ばなど)であれば別だが、求めるレベルが高ければ高いほど、あるいは創造性を要する業務であればあるほど、「人を時間・場所で管理することは逆効果」だと思う。

●業務の切り分け
では、成果を上げてもらうのに企業側は何をすべきか。

まず、重要なことは、「業務の切り分け」である。

会社の目標があって、部署の目標があって、その中の重要な部分として「あなたにはこの部分を任せます。」というその部分を、業務の中から「どう切り分けていくか」が重要になるが、この業務の切り分けが苦手な企業が日本には多いように思う。

恐らく、日本が高度成長期に豊富な労働力を利用して、人をとにかく正社員で新卒から採用し、(業務を基準としてではなく)人を基準に、ある業務をどんどん人に任せてきたから、必要な業務を明確にする、ということが苦手なのだと思う。

だから、優秀なエース級といわれる人材に、どんどん業務が振られ、そのうちその優秀な人材もパンクしてしまう、もしくは、やりがいを失くし転職してしまう、という本末転倒なことが起きてしまう。

少し余談になるが、アメリカにはジョブ・ディスクリプションというものがあって、正社員でも雇用する際に、「あなたはどこで(場所)、何をする(業務内容)ために、いくらで(条件)雇います」という規定がある。

だから、異なる業務や、ましてや転勤など命じようものなら、当然のように「ジョブディスクリプションに反しているので、行けません。」と正社員側から断られている。

●正しい目標設定
業務を切り分けたら、「正しい目標設定」が大切となる。
「正しい目標設定」とは、難しすぎず、簡単すぎないレベルの目標設定というあたりが良い塩梅だ。

もちろん、その目標設定に「いつまでに」という期限を設け、それを繰り返していく、言い換えればタイミングごとの目標設定を決めていくことが必要だろう。

つまり、正しい目標設定とは、個人が「本気になって取り組めば、何とかできるかも・・・」と思うレベル感が重要で、そうした目標を設定できると、個人は達成したら達成感を味わえる、達成できなかったら「どうすれば達成できたか」を考える機会を提供できる。

目標が高すぎると最初から諦める可能性が高いし、「できなくて当たり前だよね」とも成りかねない。逆に、容易過ぎると達成感もない。

なお、目標は必ずしも「〇件達成」というような定量的なものでなくても良く、例えば、人事制度の確立という目標があったら、3か月後に「大体5割は仕上がっている感」など定性的なものでも良いと思う。

テレワーク・在宅勤務のマネジメント② 正しいフィードバックでPDCAをまわす

テレワーク・在宅勤務のマネジメント②正しいフィードバックでPDCAをまわす

上記のような業務の切り分けと、正しい目標設定ができれば、その目標に対して、順調に進められているかの報告・進捗状況確認と、そのフィードバックを適切な形ですることが大切だ。

業務を振っても、振りっぱなし、確認ナシ、という状態だと(在宅であればなおさら)個人も不安になるかもしれないし、依頼した業務を会社がイメージしている方法と全く違う方法で進めていた際にも、軌道修正が効かない。

報告は週次や月次のレポートを必須にしても良いし、週次のミーティングで口頭ベースでも良いと思う。とにかく、進捗状況がどんな具合で、目標に対してどういうアプローチをとった結果、そうなっている、という把握を会社側もできていることが重要だ。

報告を受けたら、正しいフィードバック、つまり良い感じなのか、今一歩なのか、もしくは見当違いの方向性に進んでしまっているのか、軌道修正するにはどうすべきか、などのアドバイスを提供できる。

そうしてPDCAをまわしていける。更に言うと、そうしていくことで、プロ人材にしても正社員にしても、成果を出せる。
成果を出せる個人となかなかそうでもない個人が出てくるので、そうした際にはちゃんと報酬やポジションなどの機会の提供で、努力・成果に報いてあげることが重要なのは言うまでもない。
(これまでの日本社会のように、年齢が40歳になったから部長に昇進などといった年功序列は今の環境には合わないことは明らかだ。)

テレワーク・在宅勤務のマネジメント③ タスクアイデンティティーを明確に

テレワーク・在宅勤務のマネジメント③タスクアイデンティティーを明確に

タスクアイデンティティーとは「業務の完結性」、とでも訳すべきだろうか・・・

業務の全体像を明確にし、自分は何のために(目的の明確化)これをしていて、全体の中でどの部分を担っているのだろうか、他のチームのどの部分と結合することで完成するのか、を明確にし、それを、業務を実行する正社員もしくは業務委託のプロ人材などにもきちんと伝えることが重要だ。

タスクアイデンティーが明確になると、目的意識がはっきりとする、チームワークが良くなる、他チームとの関係性が明らかになるので業務の改善案、もしくは、「この業務は不要なのでは?」など業務効率化の様々な案も出やすくなる。

テレワーク・在宅勤務のマネジメント④ 事業や会社、業務の社会的意義の強調

テレワーク・在宅勤務のマネジメント④事業や会社、業務の社会的意義の強調
ここ10年か15年は特に、正社員も業務委託で働くプロ人材も、「自分が何のために働くのか、何に時間を使うのか」、をより意識して働く、世の中の流れにあると思う。

誰しも、自分が時間を使っていることが、社会のマイナス面に貢献してしまっている(例えば環境汚染など)だと知ったら、モチベーションは下がるだろう。

どの会社や事業も「何らかの社会的意義」はあるはずなので、それを正しい形で伝えることは、雇用側、会社側が思っている以上に重要だし、モチベーションアップという意味では効果がある。(もちろん、会社のブランディングにも意味があると思う)

ちなみに、弊社では以下の3点を意義として掲げている。
・埋没労働力の解消
・リスクをとる人を増やし、リスクとり挑戦する人を受け入れる社会を創る
・学歴などにとらわれずに正しい努力・成果を出した人が報われる社会にする

テレワーク・在宅勤務のマネジメント⑤ 自律的な人を選ぶ

テレワーク・在宅勤務のマネジメント⑤自律的な人を選ぶ
そもそもの人の採用基準において、「自律的な人」など在宅でも成果を出せる人を選ぶことが重要だ。

もしかしたら、今回の記事の5つのポイントにおける1番最初に記載すべきだったかもしれないが、「自律的な人」に業務を任せる、ということが前提条件にある。
(そうでなければ、自律的な人になるようにトレーニングしていくことが、先に手を付けるべき、重要なマターになる)

なので、これからの時代には採用基準としては(業務委託のプロ人材では当然のことながら)正社員も自律的である、という基準が必須になってくるだろう。
ちなみに、弊社が業務委託のプロ人材の採用基準として重視していることは、以下の3点である。

「自律的であること」、
「その業務において求める成果を出すスキルがあること」、
「成果を何としても出す、というコミットメント、意識があること」

プロ人材とはいえ、スキルだけでは成果を出しにくいことが、これまでの約4年間の経験で得られている。

なお、今回の記事は自社で在宅・リモート中心のプロ人材と共同で事業を創った経験はもちろんのこと、文献を読みながらまとめたものである。

特に、2019年以降はリクルートで30年にわたり組織における人間の感情や個性を研究し続けた大沢武士氏の「心理学的経営 個をあるがままに生かす」をかなり参考にさせて頂き、それを自社に適用し、運用させて頂いている。

共感頂く部分があれば、シェアいただき、在宅勤務導入を迷っている企業への背中の一押し、をお願いできれば、と思っている。

参考文献:
心理学的経営 個をあるがままに生かす
著書 大沢武士

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https://carryme.jp/recruitment.html

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この記事を書いた人

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大澤 亮

新卒で三菱商事(株)に入社後タンザニア駐在を経て退職し、慶應義塾大学経営管理研究科修士課程入学。

在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立し(株)サイバーエージェントに売却。卒業後は(株)ドリームインキュベータにて経営コンサルティングと投資業務を担当する。

その後、(株)土屋鞄製造所に移り取締役兼COOとして2年半で売上・利益を2倍とすることに貢献。同社退職後2009年に(株)Piece to Peaceを創業し、代表取締役に就任する。

2016年からマーケティング分野を中心としたビジネス界のプロ契約サービス「キャリーミー」を創業。2023年現在、パーソルホールディングス(株)・本田圭佑氏等から投資を受け、日本企業へのプロ契約の普及に努めている。
著書 「世界をよくする仕事で稼ぐ」 (プレジデント社より出版)

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