BtoBマーケティングとは?基礎知識から成果を出す戦略まで現役マーケターが解説!
2023/11/9
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この記事では、現役マーケターである筆者が、BtoBマーケティングの基礎から具体的な戦略までをシンプルかつ実践的に解説します。
初心者でもステップバイステップで理解できる内容になっているので、効果的なマーケティングを行いたいと考えているマーケターや企業担当者の方はぜひお役立てください。
目次
BtoBマーケティングとは?
BtoBマーケティングとは、企業を相手に商取引を行うことを指し、Business to Businessの略称です。
つまり、企業が他の企業を顧客として取引を行う際のマーケティングを意味します。
BtoBとよく対比されるのがBtoCですが、これはBusiness to Customerの略称であり、企業対消費者という意味です。
両者の最大の違いは、ターゲットとなる顧客の性質にあります。
BtoBは、個別の消費者ではなく、企業や業界団体などをターゲットにしています。
そのため、製品やサービスの開発、購入動機、価格設定などの点で独自のアプローチが求められます。
BtoBマーケティングの特徴は以下の通りです。
・長い販売サイクル
・高額取引
・意思決定者の多様性
BtoBマーケティングにおいて、大規模な取引やカスタマイズが必要な場合、意思決定から導入までの期間が長くなることが多いです。
個人との取引と違って、取引額が大きく、それに伴うリスクも大きいため、意思決定に時間が必要となったり、契約の複雑性も増します。
また、購入に関する意思決定は、多くの関係者や部門にまたがって行われることが一般的です。
成功するためのBtoBマーケティング戦略には、市場調査、明確なターゲティング、効果的な製品/サービスポジショニング、そして適切なプロモーションなどが挙げられます。
さらに、デジタルマーケティングの技術やツールを駆使し、オンライン上での顧客獲得や関係の構築も欠かせません。
総じて、BtoBマーケティングは、特定のビジネスニーズに対応する戦略的なアプローチが求められる分野であり、成功させるには一定のスキルや専門知識が求められます。
BtoBマーケティングとその他のマーケティングとの違いは?
BtoBマーケティングはその名の通り、企業向けのマーケティング活動を指しますが、実はBtoCやBtoE、BtoGなどのマーケティング手法とは、多くの違いが存在します。
それぞれの違いを正確に理解することで、ターゲットとする市場や顧客層に最適なアプローチを取ることができます。
ここでは、BtoBマーケティングが他のマーケティング形式とどのように異なるのか、その特徴と戦略に焦点を当て、それぞれご説明します。
BtoBマーケティング (Business to Business)
■対象:
企業や組織を主な顧客とするビジネス
■特徴:
主にビジネスの効率化や競争力向上をサポートする高価な製品やサービスが多く、取引の際には長い審議期間や多くの意思決定者の承認が必要とされることが一般的。
■戦略:
リード獲得や長期的なリレーションシップの構築、高度な技術情報・データの提供、トレーニングやサポートの提供が求められる。
BtoCマーケティング (Business to Consumer)
■対象:
一般消費者
■特徴:
個人の生活の質や日常生活を向上させる商品やサービスが多く、個人消費者の感情や直感など、消費者心理が購入行動に大きく影響する。比較的短い期間での意思決定が多い。
■戦略:
ブランディング、プロモーション、イベント、SNSマーケティングなど、消費者の関心を引き付ける手法が中心。
BtoEマーケティング (Business to Employee)
■対象:
企業の従業員
■特徴:
従業員の生産性、福利厚生、教育・研修などを対象としたサービスや製品、実店舗などが対象となり、従業員の満足度向上や生産性の向上が目的。企業の内部的な要因や文化に影響を受けやすいという特徴がある。
■戦略:
企業アライアンスや内部コミュニケーションの強化、キャリア開発プログラム、福利厚生の充実など、従業員のモチベーション向上策を中心とする。
BtoGマーケティング(Business to Government)
■対象:
政府や公的な機関
■特徴:
公共サービスやインフラの開発、維持管理などを目的に行われる。入札、公的手続き、法的規制など、独自のプロセスや基準が存在するため、意思決定までに非常に長い期間を要することが一般的。
■戦略:
信頼性の高いモノやサービスの提供、長期的なパートナーシップの構築、公共の利益を考慮した価格設定や提案内容が求められる。
CtoCマーケティング (Consumer to Consumer)
■対象:
個人消費者間の取引
■特徴:
個人が所有する中古品や手作り品、サービスなどのやり取り。個人同士の取引のため、信頼性や安全性が最も重視される。非常に短期的であり、一度きりの取引が中心。
■戦略:
ユーザーレビュー、口コミ、取引の安全性を確保するシステムやプラットフォームの提供などを行う。
GtoCマーケティング(Government to Consumer)
■対象:
政府から一般消費者へのサービスや情報提供
■特性:
公共サービスの提供、福祉、教育、公共の安全などを目的とした施策。公共の利益や安全性、透明性が重視される。政策や予算に基づいて提供されるサービスが中心。
■戦略:
情報の公開や透明性の確保、市民との対話やフィードバックの取得を中心としたコミュニケーション戦略などが行われる。
これらのマーケティング手法は、それぞれ対象や特徴が異なり、独自の戦略や手法が必要です。
効果的なマーケティング活動には適切な戦略や手法の選択・実行が重要であることを頭に入れておきましょう。
BtoBマーケティングのプロセス
BtoBマーケティングは、先にご説明したように、企業が他の企業とビジネスを行うためのマーケティング手法です。
BtoC(企業対消費者の取引)とは異なり、BtoBはより複雑な意思決定プロセスと多層的な関係構築を伴います。
ここではBtoBマーケティングの主要なプロセスを順を追って解説します。
状況や戦略に応じて、プロセスを一部調整する場合もありますが、まずは一般的なプロセスを覚えていきましょう。
①市場リサーチ
すべてのマーケティング戦略の基盤は、市場への深い理解から始まります。
市場リサーチの方法は、業界の動向、競合他社の活動、顧客のニーズなどを特定することが挙げられます。これらの市場理解は、適切な製品開発やマーケティング戦略の策定に不可欠です。
②ターゲット設定
BtoBマーケティングにおいて、正確なターゲット設定は非常に重要です。
適切なターゲットを設定することで、リソースの最適な活用と最大のROI(投資対効果)を追求することができます。
業種、企業規模、ニーズ、競合との関係性などを分析し、自社の製品やサービスが最も価値を提供できるセグメントや企業を特定しましょう。
③製品/サービスポジショニング
BtoBマーケティングのプロセスの中核的なステップの一つで、特定の製品やサービスが市場やセグメント内でどのように認識されるかを定義・位置づけることを指します。
適切にポジショニングを行うことで、他の競合と差別化することができ、企業の製品やサービスの競合優位性が高まります。
また、明確にコンセプトを伝えることによって、顧客が製品やサービスの価値を正確に理解でき、その結果、意思決定プロセスがスムーズに進行することを促します。
④マーケティング戦略の構築
BtoBマーケティング戦略は、「4P」などのフレームワークに沿って立案します。「4P」とは製品(Product)、価格(Price)、プレイス(Place)、プロモーション(Promotion)の観点から自社の商品・サービスを分析し戦略を検討する手法です。
1. 製品 (Product):顧客のニーズに対してどんな製品やサービスを提供するか
2.価格 (Price): 製品の価値に基づく最適な価格設定とは
3.プロモーション (Promotion): 製品やサービスの知識、興味、購買を促すためにどんなコミュニケーション戦略を実行するか
4.プレイス (Place): 製品が顧客に効果的に届くチャネルや流通経路は何か
特にデジタル時代においては、オンライン戦略やコンテンツマーケティングの重要性が増しています。
⑤プロモーション
BtoBマーケティングでは、様々なプロモーション手法を使用して、製品やサービスをターゲット企業にアピールします。
セミナーや展示会、デジタルマーケティング活動、オフラインでのキャンペーンなど、予算や戦略に応じて多岐に渡る方法が考えられます。
⑥販売と営業活動
マーケティング活動を通じて得られたリードや機会は、営業チームに引き継がれます。
営業は、リードのフォローアップ、商談の設定、製品のデモンストレーション、契約の交渉を行い、取引を成立させます。
⑦評価と改善
マーケティング活動を行った後は、その効果を適切に評価することが肝心です。
KPIやROIの計測を通じて、どの戦略や手法が最も効果的であったかを判断し、必要に応じて方針を調整したり、次の施策の立案に役立てましょう。
最後に、BtoBマーケティングは継続的なプロセスであり、市場の変化や顧客のニーズの変動に柔軟に対応することが求められます。
成功の鍵は、深い顧客理解とそのニーズに応じた価値提供にあります。
戦略に応じて、適切なプロセスを考え、PDCAサイクルを回すようにしましょう。
BtoBマーケティングの主な施策
BtoBマーケティングでは、企業間の取引を促進するために様々な施策を取り入れる必要があります。
企業の目的やターゲットとなる顧客に応じて適切に施策を組み合わせることで、効果的に成果を上げることができます。
BtoBマーケティングで主に用いられる施策をターゲットの階層別にまとめると上記の図のようになります。今回はこの施策のうちリード獲得施策を中心に解説します。
【潜在層向け】BtoBマーケティング施策
潜在層とは、現時点では課題を認識していませんが、将来的にニーズが生まれる可能性がある層です。
潜在層からリードを掘り起こすには、自社の商品・サービスの認知につながる施策を実行することが重要です。具体的には以下のような施策が挙げられます。
CM
CMは大きな予算が必要となりますが、幅広い層の認知を獲得できる施策です。BtoBのリード獲得を目的とする場合には、決済者層にアプローチしやすいタクシーCMなども人気です。
CMのデメリットは効果測定が難しい点にありますが、最近ではデジタル広告と同様にCPM、CPA、CPIなどが測定できる運用型テレビCMなども注目を集めています。
展示会などの大型イベント
さまざまな企業関係者が集まる大規模な展示会やイベントは、普段はアプローチできない潜在層と接点を持てる機会です。
業界別のテーマで開催されることが多く、対面でサービスを説明できるチャンスもあり、リードを発掘できる確率も高いです。
近年はオンライン上で出展できる展示会も増えています。オフラインよりもコストを抑えられる場合もあり、予算やリソースに応じて検討するといいでしょう。
【準顕在層向け】BtoBマーケティング施策
準顕在層は、何らかの悩みや課題を持っているものの、解決策が不明確な層です。解決策を見つけるため、情報収集を広く行っています。
準顕在層が持つ悩みや課題に役立つコンテンツを提供し、自社の商品・サービスに対する興味関心を高めることが大切です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどに表示される広告枠です。
たとえば、ビジネスパーソンによく読まれているニュースサイトやWebマガジンなど、自社の商品・サービスのジャンルに近いWebサイトやアプリに広告を表示させることによって、情報収集する準顕在層へ露出しやすくなります。
SNS広告
SNS広告はSNSアカウントの登録情報を利用して、自社の商品・サービスのターゲットに近い層へ配信できる広告です。
特に実名登録制のFacebook広告は、ビジネスの目的の利用者が多く、個人の詳細な経歴情報をもとに精度の高い広告運用を行うことができます。
ウェビナー
準顕在層が抱える悩みや課題に対する解決策やノウハウを紹介するウェビナーを企画することで、自社への興味関心や信頼感を高めることができます。広告やSNSで告知すことで新規リードを増やすだけでなく、自社のハウスリストに対するナーチャリングの施策としても有効です。
自社だけで集客が難しい場合には、親和性の高い企業との共催ウェビナーにすることでリードを増やすことができます。
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ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは準顕在層の悩みに役立つ資料を提供する施策です。自社のWebサイトやオウンドメディアにダウンロードページを設置し配布します。
導入事例などを紹介することによって、準顕在層に自社の商品・サービスを活用した課題解決策を提案することが可能です。ダウンロードページには、連絡先や企業名などを収集する登録フォームを設置しリード獲得につなげましょう。
【顕在層向け】BtoBマーケティング施策
顕在層は、現状の課題に対する解決策を把握しており、利用したい商品・サービスのイメージも固まっている層です。競合他社との比較検討にも入る段階のため、自社の優位性をアピールすることが求められます。
SEO
顕在層は明確な意図を持ってより良い商品・サービスを提供してくれる企業を探しています。
たとえばマーケティング会社を探していれば、「マーケティング会社 おすすめ」「広告運用 マーケティング会社」などと検索する人は多いでしょう。
こうした顕在層の行動と検索ワードを予測し、自社のWebサイトやLPを上位表示することができれば、顕在層を問い合わせにつなげることができます。
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahooなどの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に検索結果のトップに表示される広告です。
ディスプレイ広告やSNS広告などよりもピンポイントでターゲットに広告を表示させることができます。コンバージョンする確率も高いため、顕在層への施策に向いています。
これらの施策は、独立して行うだけでなく、複数の施策を組み合わせることで、より大きな効果を発揮することが期待できます。
最も重要なのは、常に顧客のニーズや課題に焦点を当て、それに応える形でのマーケティング活動を展開することです。
ターゲットに対して効果的な手法を取り、成果を最大化できるように常に心がけましょう。
BtoBマーケティングで成果を出すためのポイント
BtoBマーケティングで成果を出すためには、単にフローに従い施策を実施するだけでは不十分であり、より緻密な戦略が求められます。
以下に、BtoBマーケティングで成果を出すために意識すべきポイントを紹介していくので、ぜひ取り入れて実行してみてください。
ターゲットの明確化
BtoBマーケティングでは、どの企業や部門、役職を対象とするかを明確に定義することが非常に重要です。
自社の製品やサービスが最も価値を提供できるセグメントが特定できたら、具体的なカスタマーペルソナを作成しましょう。
ビジネスを提供する対象を明確に定めることで、メッセージやコンテンツ、プロモーション戦略を最適化することができます。
他社との差別化
ターゲットとする顧客が、競合企業ではなく、自社の製品やサービスを選ぶべき理由を明確にしましょう。
独自の技術、サポート、料金体系など、他社との差別化ポイントを強調することで、顧客の関心を引きつけることができます。
差別化をするためには、自社および競合について理解を深める必要があります。
自社にしかない強み、競合が苦手としているポイントをしっかりと探り、訴求できるようにしましょう。
コンテンツマーケティングに力を入れる
前述の通り、BtoBマーケティングではコンテンツマーケティングが重要です。専門的な知識や情報を顧客にいち早く提供することで、業界のオピニオンリーダーとしての地位を築くことができます。
近年、コンテンツマーケティングに力を入れる企業が増えてきたこともあり、他社にない知見や、より質の高いコンテンツを提供できる企業が優位にビジネス活動を行うことができる時代になってきています。
ホワイトペーパー、顧客事例、ブログ記事など、価値のあるコンテンツを作成し、ターゲットオーディエンスに配信しましょう。
顧客との関係構築
BtoBの取引は、信頼と長期的な関係に基づいています。
そのため、顧客との関係を深化させることは、長い目で見ても重要度が高いです。
イベントやセミナーの開催、専用のサポートチームの設置など、顧客との関係を築く取り組みに力を入れることは、大きな成果に繋がる可能性を秘めています。
リードジェネレーションと育成
ウェブフォーム、ウェビナー、オンラインイベントなどを通じてリードを収集しましょう。
収集したリードは、マーケティングオートメーションツールなどを使って育成することで、販売チームへの引き渡しの効率化を図ることができます。
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パーソナライズされたアプローチ
昨今では、個人および組織の購買行動が多様化しているため、大衆に向けたアプローチよりも、それぞれにパーソナライズしたアプローチがより力を持つようになってきています。
顧客の過去の購入履歴や行動データを分析し、カスタマイズされたメッセージや提案を行うことで、顧客のニーズに応じたソリューションを提供することができます。
フィードバックの収集と改善
定期的に顧客からのフィードバックを収集し、製品やサービスの改善、マーケティング戦略の最適化を行いましょう。
市場分析だけでは分からなかった、顧客目線ならではの新しい意見が出てくるかもしれません。
アンケートやインタビュー、顧客満足度調査などの方法を活用することで、その後の施策に活かせる貴重なフィードバックをもらうことができるでしょう。
ただし、すべての顧客が積極的にフィードバックを行ってくれるわけではないので、アンケートにインセンティブをつけるなどの工夫は必要です。
クロスセル・アップセルの活用
既存の顧客に追加の製品やサービスを提案することで、取引の価値を総合的に高め、LTV(顧客生涯価値)を増加させるという手法も時として有効です。
例えば、製品やサービスの導入や使用方法を顧客に教えることで、顧客満足度を向上させ、長期的なリピートビジネスを促進することができます。
これらのポイントを念頭に入れて、戦略を組み立てることで、BtoBマーケティングを成功へ導くことができます。
BtoBマーケティングの成功事例
ビジネスの現場ではどのようなBtoBマーケティングの戦略が実践され、どのような成果を上げているのかは事前に把握しておきたいですよね。成功事例を通して具体的な施策の実態や効果的なアプローチ方法を学ぶことは、新たな取り組みを始める際の貴重な指南となります。
ここでは、BtoBマーケティングの成功事例をピックアップし、その背景や成功要因を紹介していきます。
株式会社古田土経営のBtoBマーケティング事例
株式会社古田土経営は、全国の中小企業を支援する国内最大規模の会計事務所グループです。
会計事務所としては珍しくマーケティング部門を立ち上げ、さまざまな施策に取り組んでいます。
同社のマーケティング活動には、以下のような課題がありました。
2.MA運用者が不在
3.LPを量産するリソースが足りない
会計事務所がマーケティング部門を立ち上げることは珍しいため、参考にできるモデルも少なく、当初は派遣やクラウドソーシングなどを活用し、20名ほどでマーケティングチームを運営。
手探りでコンテンツマーケティングを進めていました。
中でも、クリエイティブの品質維持に課題を感じており、安定的な運営のためには、コンテンツ制作の「型」を必要としていました。
そこで同社はキャリーミーを通して合計4名のプロ人材をアサインし、MAの運用、コンテンツディレクション、新規事業のマーケティング戦略、LPのセールスライティングをそれぞれ依頼。
その結果、以下のような成果を上げることができました。
・プロ人材がMAの課題分析・再設定を行い、コンテンツマーケティングを本格的に開始。新たにリードを年間300件創出
・ナーチャリングフローもプロ人材により整理され、ナーチャリングメール経由で100件のウェビナー集客に成功
・プロ人材がブログの効果的な構成・見出しなどをテンプレート化。テンプレートをもとに、外部やパートメンバーへ業務を依頼しやすくなり社員の工数を削減
プロ人材は依頼した業務の遂行だけでなく、業務の方向性の相談・提案まで対応。プロ人材の活躍はさらなる新しい施策にもつながっているそうです。
このように、BtoBマーケティングに対する知見が自社で不足していたり、専門知識や経験を持つ人材がいないという場合は、業界やマーケティングに対して深い理解を持った組織およびプロ人材に委託することで、より大きな成果を出すことができる場合もあります。
自社でリソースがまかなえないという場合には、外部委託も検討してみましょう。
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全国の中小企業を支援する国内最大規模の会計事務所のマーケティングの裏側
BtoBマーケティングで陥りがちな失敗例
ここでは、BtoBマーケティングで陥りがちな失敗例について紹介していきます。
失敗を避けるための予防策も合わせて提示していくので、あらかじめ対策を取ることで、失敗を防ぐようにしましょう。
ターゲットの誤認識
▼失敗例▼
望むクライアント層や業界と異なるターゲットに向けてプロモーションやアプローチを行ってしまう。
【対策】
顧客のペルソナを明確に設定し、市場調査を徹底的に行うことで正確なターゲットを特定しましょう。
また、状況や時流に合わせて、定期的にターゲットの見直しを行うことも重要です。
強すぎるプッシュ販売
▼失敗例▼
過度なプッシュ型のセールスで関係性を損ね、購買の機会を逃す。
【対策】
押し売りではなく、クライアントのニーズや課題を深く理解し、解決策としての製品・サービスを提案するコンサルティング型のアプローチを取ることが効果的です。
複雑で長い決済プロセス
▼失敗例▼
決済プロセスが煩雑で、顧客が途中で離脱してしまう。
【対策】
ユーザー体験を中心に決済プロセスを設計しましょう。
テスト購入を行うなどして、改善点を見つけたり、顧客からのフィードバックを活用し、顧客が真に求めるプロセスを実現することが大切です。
長い営業サイクルへの不慣れ
▼失敗例▼
短期間での成果を求めすぎ、目標や売上を達成できない。
【対策】
営業サイクルの長さを理解し、長期的なリレーションシップ構築やアフターフォローにリソースを割くことが必要です。
コンテンツ不足
▼失敗例▼
見込み客が求める質の高いコンテンツや情報を提供せず、単に製品やサービスの宣伝のみを行う。
【対策】
価値提供型のコンテンツを作成し、ターゲットの疑問や課題を解決する情報を提供することで、信頼関係の構築を促進しましょう。
また、他社と似たようなコンテンツでは、自社の製品やサービスのユニークな価値を伝えることができません。
顧客の課題に対する独自の視点や解決策を提供する質の高いコンテンツを用意することで、他者と差別化が図れ、顧客は自然と製品やサービスについて興味を抱いてくれるようになります。
フィードバック不足
▼失敗例▼
クライアントからのフィードバックや市場の動向を十分に収集・分析せず、施策を継続してしまい、成果がうまく上がらない。
【対策】
定期的にフィードバックを取得し、それをもとにマーケティング戦略やプロダクトの改善を行いましょう。
データドリブンの意思決定を心掛けることが重要です。
マーケティング部門と営業部門の連携不足
▼失敗例▼
両チームの目標や戦略が異なることで、顧客へのアプローチが一貫しない。
【対策】
共通の目標とKPIを設定し、定期的な情報共有の場を作りましょう。
必要に応じて、営業とマーケティングの協業を強化するプラットフォームやツールの導入も検討します。
ROIの測定が不十分
▼失敗例▼
ROIが不明確なため、戦略の方向性を見失う。
【対策】
測定したいKPIを明確にし、適切な分析ツールを使用しましょう。
また、定期的なレビューと、必要に応じた戦略の修正を行うことも大切です。
このような失敗例と対策を具体的に分析し理解することは、効果的なBtoBマーケティング戦略を展開する上で重要です。
特定の業界や市場における特有のニーズに対応するためには、常に顧客との対話と反応を重視し、柔軟に戦略を調整できるようにしましょう。
BtoBマーケティングにおいて知っておきたい用語
BtoBマーケティングの世界には、業界特有の専門用語や略語が数多く存在します。
初めてこの領域に足を踏み入れる方にとって、これらの用語は一見難解に思えるかもしれません。
しかし、これらの用語を理解することは、効果的なBtoBマーケティング戦略を築くうえで不可欠です。
ここでは、BtoBマーケティングを行う上で知っておくべき主要な用語を解説し、その背景や意義を明確にします。
■アカウントベースドマーケティング (ABM)
特定の企業やアカウントに焦点を絞り、その企業のニーズや課題に合わせたカスタマイズされたマーケティング活動を展開する手法。
■リードジェネレーション
自社製品やサービスに興味関心のある潜在的な顧客の個人情報を収集し、見込み客を獲得するプロセス。
■マーケティングオートメーション (MA)
マーケティング活動やコミュニケーションを自動化するためのツールやプラットフォーム。
■セールスファネル
顧客が製品やサービスを購入するまでの過程やステージを示すモデル。
認知 -> 興味 -> 比較 -> 行動、というように進む。
■MQL (Marketing Qualified Lead)
マーケティング施策を通じて創出された案件確度の高い見込客。
■SQL (Sales Qualified Lead)
営業チームにとって追跡やフォローアップをするのに適した、購入の意向が高いリード。
■CRM (Customer Relationship Management)
顧客との関係を管理し、最適化するための技術や戦略。
多くの場合、ソフトウェアやツールを指す。
■コンテンツマーケティング
価値あるコンテンツを提供し、ターゲットとなる顧客の関心や信頼を引き付けるマーケティング手法。
■バリュープロポジション
製品やサービスが提供する独自の価値やメリットを明確に伝えるメッセージや提案。
■ROI (Return on Investment)
投資対効果。直訳は「投資収益率」もしくは「投資利益率」。
マーケティング活動にかけた投資が、どれだけのリターンをもたらしたかを測定する指標。
これらの用語は、BtoBマーケティングの領域で頻繁に使用されるものであり、基本的な知識として把握しておくと役立ちます。
BtoBマーケティングを外部委託する際の選び方
BtoBマーケティングの成果を最大化するためには専門的な知識と経験が必須です。
しかし、多くの企業がこの分野での専門家を社内に有していないために、外部の支援会社やプロ人材の力を借りることを検討する場面も少なくありません。
適切な外部委託先を選択できるかどうかは、BtoBマーケティング活動の成功を左右する最も重要な要素となります。
ここでは、マーケティングの外部委託を検討する際のポイントや確認すべき点について詳細に解説します。
業界経験の確認
外部委託先が過去にどれだけ自社の業界に関わってきたかは、その業界の独自の課題やニーズを理解しているかの指標になります。
専門的な知識や経験は、マーケティング活動の質を向上させる大きな要因となるので、必ず依頼先の企業の得意分野や、これまでの経験について確認しましょう。
実績と評判のチェック
過去の成功事例やクライアントの推薦は、委託先の能力の証明となります。
サービスの質や取引の透明性など、口コミや、過去のクライアントのインタビュー記事などに目を通し、クオリティチェックを行うようにしましょう。
特に、業務委託をするに当たって、コミュニケーションはプロジェクトの進行や期待値の整合性を保つために必要不可欠です。
そのため、定期的な報告やフィードバックができる委託先は、課題を迅速に解決する可能性が高いと言えます。
可能であれば、過去のクライアントなどとコンタクトを取り、プロジェクト進行中のコミュニケーションの質についても調査できると良いでしょう。
関連記事:企業が業務委託を活用するメリット・デメリットを会社経営者が解説
価格とコストパフォーマンス
質の高いサービスは高価であることが多いですが、その価格が正当であるかをしっかりと確認しましょう。
コストとリターンのバランスを事前に見極めることで、費用対効果の高い投資が可能となります。
カスタマイズの可否
一般的な戦略を実施するだけではなく、企業固有のニーズに合わせたカスタマイズが可能な委託先は、より柔軟で効果的な戦略を提供できる可能性が高いです。
また、独自の具体的な戦略提案は、依頼先の会社が真にクライアントの成功を追求していることの証拠となります。
必要に応じて、複数の会社に戦略を立案してもらい、自社に最も適した戦略を提案してくれた会社を選ぶのも方法です。
契約内容の明確化
契約の条項や条件が明確であることは、両者間の誤解やトラブルを避けるために必要です。
特に期間、費用、サービスの範囲などの主要な部分をしっかり確認した上で契約を結びましょう。
関連記事:業務委託の避けるべきトラブル事例5選!契約上の注意点を徹底解説
文化と価値観のマッチング
企業の文化や価値観が合致する会社とのパートナーシップは、長期的な関係の形成や信頼関係の構築に寄与します。
持続的な成果を追求するための基盤ともなるので、両者の思想や方向性が揃っているかを確認しましょう。
まとめ
この記事では、BtoBマーケティングの基本的な概念から、効果的な施策、さらには成功事例やよくある失敗例について触れてきました。
BtoBマーケティングは、行うべきプロセスも多く、一朝一夕には成果が現れないものです。適切な戦略を実行しPDCAを回しながら、持続的な成功を目指しましょう。
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この記事を書いた人
- 加来 涼太
3度の事業立ち上げを経験し、これまで2度事業売却した連続起業家。 フリーのプロ人材としても、数社で活躍する現役のWEBマーケター。
2014年、高校3年時にフィリピン留学したことを機に、大学在学中に留学代理店事業を立ち上げ学生起業を経験。WEBマーケティングを独学と実践で学び、WEB経由での集客活動を仕組み化し、同事業を約4年間運営した後に事業売却。新卒後は、海外にある日系ITスタートアップの新規事業プロジェクトに約半年間参画。
2019年、自社ITサービスの開発・WEBメディアの運営事業等を行う株式会社ツーベイスを創業。サイトM&Aプラットフォームサービスの運営開始から約1年後に、自身2度目の事業売却を行う。1年間の運営期間で審査した対象サイトは約200件に及ぶ。現在は、月間最大100万PV越えのWEBメディアを運営したり、留学関連の新規事業立ち上げに従事。過去に立ち上げた累計のサイト数は10を超える。
2023年、自身の会社を経営しながら、これまでの経験を活かし、フリーのSEOディレクター等としても数社で活動している。主な実績:約1年間/週1程度の稼働で、事業会社が運営するサイトへのオーガニックトラフィック数を月間約20万増やし、昨対比で約200%増を達成。同サイトの月間トラフィック価値30,000$以上の向上も実現。