顧問契約とは?業務委託との違いや費用相場を徹底解説!
2024/3/14
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顧問契約は、企業や組織が特定の専門知識や技術を必要とする際に重要な役割を果たします。
また、顧問契約は業務委託契約と混同されやすいですが、契約上の違いがあるので、顧問契約を検討している場合は両者の違いを明確に押さえておくべきでしょう。
この記事では、顧問契約の基本から、そのメリット・デメリット、契約時の注意点までを徹底的に解説します。
委任契約・準委任契約・請負契約といった異なるタイプの契約の特徴から、顧問契約の費用相場など、詳細にわたって紹介します。
知識をしっかりとつけ、自社にとって有益な顧問契約が結べるようにしましょう。
目次
顧問契約と業務委託契約の違い
顧問契約と業務委託契約は、どちらも外部に業務を委託する契約ですが、その目的や内容、契約形態などに違いがあります。
顧問契約は、特定の分野の専門家に自社の経営や業務に関するアドバイスや助言をもらうことを目的とした契約です。
外部の専門家などを招聘したり(外部顧問)、退職した社長やCEOが就任する(内部顧問)場合があります。
一般的に、顧問はコンサルティングがメインであり、実務まで対応できるケースは少ないです。
顧問契約は継続的な契約を前提としている場合が多く、顧問料は基本的に月額や年額で支払われます。
一方で、業務委託契約は、特定の業務を外部に委託することを目的とした契約です。
業務委託先は、専門家のほか、外部の企業やフリーランスで活動している個人など、顧問契約よりも幅広くあります。
業務内容は、コンサルティングのみ、実務のみ、または戦略〜実務まで一気通貫で依頼する場合など、業務を発注する企業のニーズ、業務委託先のスキル・技能に応じて変わります。
顧問契約と業務委託契約の大きな違いは、実務に対応できるかという点です。
壁打ちやコンサルティングを依頼したい場合は顧問契約でも十分ですが、実務のリソースが社内に不足している場合は、顧問契約を結んでも結局コストや手間がかかってしまうこともあります。
実務にも課題を感じている場合は、顧問より柔軟に業務を依頼できる企業または個人と業務委託契約を結ぶのがいいでしょう。
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プロジェクト単位での契約も可能なので、コストを最小限に抑えながら、優秀な人材を雇うことができます。
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顧問契約の3つの区分
顧問契約は、民法上は業務委託契約の一種とされています。業務委託契約は、法律上では定義されておらず、一般的に民法が定める「委任契約」「準委任契約」「請負契約」の3つの総称として使われています。
そのため、顧問契約を結ぶ際は委託したい業務が上記3つの区分のうちどれに当てはまるのかを検討する必要があります。
それぞれの契約の特徴について詳しく見ていきましょう。
委任契約
委任契約とは、当事者の一方(委任者)が、法律行為の代理を相手方(受任者)に委託する契約です。
顧問契約においては、委任者は企業や団体であり、受任者は弁護士、税理士、会計士、コンサルタントなどの専門家であることが多いです。
顧問は委任された業務を誠実に行う義務があります。
また、業務遂行において生じた結果について、クライアントに対して責任を負うこともあります。
委任契約の例は、以下の通りです。
・弁護士に企業の法律相談や訴訟対応などを委託する
・税理士に企業の税務申告や税務相談などを委託する
・会計士に企業の会計処理や財務分析などを委託する
・コンサルタントに企業の経営戦略策定や業務改善などを委託する
一般に、委任契約でカバーされる業務は、決定権限や代表権を含むものが多いです。
これには、交渉、契約締結、その他の法的行為などが含まれます。
委任契約は、顧問契約の3つの区分の中で最も一般的なものであり、幅広い分野の業務を委託する際に利用されています。
委任契約の報酬は、業務の履行に対して支払われます。
ただし、業務の履行によって一定の効果が得られた時に成果報酬を支払う場合など、委任契約でも成果に対して報酬を支払うケースもあります。
委任契約は、民法651条1項で「各当事者がいつでもその解除をすることができる」と定められており、業務を委託する側も、業務を受託する側も、いつでも理由なく契約を解除することが可能です。
ただし、やむを得ない事由があった時を除き、下記の場合には解除した当事者は相手方の損害を賠償しなければなりません。
・相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
・委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
委任契約では、顧問がクライアントに代わって重要な決定を行うため、選定される顧問はその分野の専門知識と信頼性が非常に重要です。
また、顧問はクライアントの利益を代表し行動するため、高度な倫理観と責任感が求められます。
準委任契約
準委任契約とは、当事者の一方(委託者)が、法律行為以外の事務処理を相手方(受任者)に委託する契約です。報酬や解除の考え方は、委任契約と同様です。
準委任契約の例は、以下の通りです。
・企業の財務分析・経営計画策定などを委託する
・税務相談、税務コンサルティング、税務調査対応などを委託する
・企業の業務改善、人材教育を委託する
請負契約
請負契約とは、当事者の一方(請負人)が、相手方(注文者)から仕事の完成を請け負う契約です。
請負人は仕事の完成を請け負うため、自らの責任と裁量で仕事を行い、その完成を保証する義務があります。
業務履行に対して報酬が支払われる委任契約とは異なり、請負契約は納品した成果物に対して報酬が支払われます。
請負契約の例は、以下の通りです。
・企業のシステム開発を委託する
・講演・セミナー講師を委託する
・企業の建物の設計・施工を委託する
請負契約は、顧問契約の3つの区分の中で最も限定的なもので、特定の業務の完成を委託する際に利用されています。
関連記事:【無料テンプレあり】業務委託個別契約書とは?基本契約書との違いや作成時の注意点を徹底解説
顧問契約の費用相場
顧問契約の費用相場は、専門家のスキルや経験、顧問契約の内容などによって異なります。
以下は、各専門家の費用相場の目安です。
また、顧問契約の内容に、以下のような業務が含まれている場合、顧問料が高くなる傾向があります。
・電話やメールでの相談
・書類の作成やチェック
・税務調査や法務トラブルの対応
このように、顧問契約の費用は、専門家のスキルや経験、顧問契約の内容などによって異なりますが、一般的に高額となる傾向があります。
そのため、顧問契約を検討する際には、費用対効果を十分に検討することが重要です。
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顧問契約のメリット
顧問契約を結ぶことで、自社の経営や業務の課題を解決するために、専門家の助言や指導を受けることができます。
ここでは、具体的なメリットとして以下の3点について解説していきます。
・専門家の知識や技術を活用できる
・業務の効率化や改善を図ることができる
・社会的信用を向上させることができる
専門家の知識や技術を活用できる
企業は経営や業務を行う上で様々な知識や技術が必要となりますが、自社ですべての知識や技術を保有することは難しい場合もあります。
そのような場合、顧問契約を結ぶことで専門家の知識や技術を活用することができます。
専門家の知識や技術を活用できるメリットの具体的な側面は以下の通りです。
高度な専門性
顧問契約を結ぶことにより、企業はその分野における専門家の深い知識と技術を利用することができます。
これにより、特定の領域に関する高度なアドバイスや洞察を得ることが可能になります。
新しい視点の獲得
外部の専門家は、企業内部の視点に囚われない新鮮なアイデアや異なるアプローチを提供することができます。
これにより、既存の問題への新しい解決策や改善策を見つけることができる場合があります。
最新の業界動向と情報
専門家は通常、自分の分野に関連する最新のトレンド、技術、規制などの情報を持っています。
これにより、企業は業界の最新動向を把握し、それに応じた戦略を立てることができます。
リスクの軽減
専門家の知見を利用することで、特に法律、財務、技術など複雑な分野におけるリスクを軽減することができます。
短期間での成果の実現
専門家を活用することで、企業は特定のプロジェクトや課題に迅速に対応することができます。
これにより、内部で専門知識を持つ人材を育成するよりも迅速に成果を出すことが可能になります。
また、顧問契約を通じて、専門家からアドバイスやサポートを受けることで、自社の人材の育成にもつながります。
総じて、顧問契約を通じて専門家の知識や技術を活用することは、企業にとって多くの利点をもたらすと言えるでしょう。
業務の効率化や改善を図ることができる
企業は、経営や業務を行う上で、様々な業務を遂行する必要がありますが、自社ですべての業務を効率的に行うことは難しい場合も少なくありません。
そのような場合、顧問契約を結ぶことで、専門家のノウハウやスキルを活用し、業務の効率化や改善を図ることができます。
専門家の知識や技術を活用できるメリットの具体的な側面は以下の通りです。
プロセスの最適化
顧問は、業務プロセスを見直し、効率化を図るための専門的な知見を提供します。
これにより、時間とリソースの節約、生産性の向上を実現できます。
問題解決の専門性
顧問は特定の問題や課題に対する専門的な解決策を提案することができます。
これにより、企業は困難な問題を効果的に解決し、業務をスムーズに運営できるようになります。
新技術の導入
専門家は最新の技術やツールに精通しており、これらを業務に統合する方法を提案することができます。これにより、企業はテクノロジーを活用して業務効率を高めることができます。
戦略的なアプローチの採用
顧問は戦略的な視点から業務を評価し、長期的な改善計画を立案することができます。
これにより、企業は目先の問題だけでなく、将来的な成功に向けた効率的なアプローチを採用可能です。
コスト削減の実現
顧問はコスト削減の機会を特定し、無駄の削減やリソースの最適化を通じて全体的なコストを減少させる提案ができます。
従業員のスキルアップ
顧問は従業員に対して新しいスキルやノウハウを伝えることができ、これにより従業員の能力向上と業務の質の改善が期待できます。
組織文化の改善
顧問は組織文化やチームワークの改善にも貢献できます。
新しい視点やアプローチを取り入れることで、効率的で革新的な職場環境を促進できるでしょう。
専門家は、それぞれの分野において、業務の効率化や改善に関するノウハウやスキルを有しています。
顧問契約を結ぶことで、企業はこれらの専門家のノウハウやスキルを活用し、自社の業務をより効率的に行うことができます。
社会的信用を向上させることができる
顧問契約を結ぶことで、企業は専門家の知識や技術、ノウハウを活用できるだけでなく、社会的信用を向上させることもできます。
以下にその理由を説明します。
信頼性の向上
著名な専門家や業界の権威との顧問契約は、企業の信頼性と評判を高めます。
これは、顧客や業界関係者は、専門家が関与している企業をより信頼しやすくなるためです。
法令遵守
法的、財務的な専門家との顧問契約は、企業が法令を遵守し、倫理的なビジネス慣行を重視していることを示します。
市場での地位の向上
専門家の助言に基づいて効果的な戦略を展開することで、企業は市場での競争力と地位を向上させることができます。
これは、ブランドの信頼性と影響力を高める効果があります。
公的機関や規制当局との関係強化
規制や業界基準に精通した専門家の助言は、企業が規制当局や公的機関との良好な関係を築くのに役立ちます。
これにより、企業の信用と社会的責任の評価が向上します。
このように、顧問契約は企業にとって様々なメリットをもたらす契約です。
顧問契約を検討する際には、自社の経営や業務における課題を明確にし、それらを解決するために必要な専門家を選定することが重要です。
顧問契約のデメリット
顧問契約には、先に述べたように多くのメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。
ここでは以下の3つのデメリットを解説していきます。
・費用がかかる
・契約期間や解約条件に注意が必要
・顧問との相性が合わない可能性がある
各デメリットに対する対処法も併せて解説していくので、ポイントを押さえて不利益を避けられるようにしましょう。
費用がかかる
顧問契約は、専門家の知識や技術、ノウハウを活用できるというメリットがある一方で、これらのサービスを利用するには通常、相応の費用が発生します。
そのため、企業の経営状況によって、顧問契約のメリットを享受できるかどうかは十分に検討する必要があるでしょう。
具体的には、以下の点に留意する必要があります。
・顧問契約の費用をかけて得られるメリットが、費用に見合っているかどうか
顧問契約を検討する際には、これらの点を十分に検討し、費用対効果を判断することが重要です。
しかしながら、後者については、顧問からの助言やサービスが直接的な財務成果に結びつかない場合、支出した費用の正当性を評価することが難しくなります。
顧問の成果が長期間にわたって現れる場合、短期的な費用対効果を判断するのは困難なため、慎重に判断しましょう。
また、顧問契約を結ぶ際には、顧問料の相場を把握しておくことが重要です。
顧問料は、専門家のスキルや経験、顧問契約の内容などによって異なりますが、一般的に高額である傾向があります。
そのため、事前に相場を把握しておくことで、適切な顧問料を交渉することができます。
これらの点を考慮すると、顧問契約を締結する際には、その費用が企業の財務状況や戦略的目標に見合うものであるかを慎重に評価することが重要です。
顧問サービスの利点を享受しつつも、財務的な負担を適切に管理するバランスが求められます。
契約期間や解約条件に注意が必要
顧問契約は、一般的に1年から3年程度の契約期間が設定されます。
契約期間が満了するまでは、一方の意思表示によって解約することはできません。
そのため、契約期間内に顧問契約を解約したい場合は、解約条件を事前に確認しておくことが重要です。
解約条件は、契約書に明記されていることが一般的です。
解約条件には、以下のようなものが挙げられます。
・解約の申し入れの方法
・解約の申し入れに伴う違約金の有無や金額
解約条件によっては、解約に多額の違約金が発生する場合があります。
そのため、契約書の内容を十分に確認し、自社にとって不利な解約条件になっていないかをチェックしておきましょう。
なお、契約書に途中解約の条件が記載されていない場合でも、民法では、一定の条件を満たせば契約期間の途中でも解約することができます。
ただし、相手方との合意が得られない場合、裁判に発展するリスクがあります。
そのため、契約書に途中解約の条件を明記しておくのがおすすめです。
顧問との相性が合わない可能性がある
顧問契約を成功させるためには、相互の理解と協力が必要ですが、これが常にうまくいくとは限りません。
顧問との相性が合わないと、以下のような問題が発生する可能性があります。
・顧問のアドバイスが、自社のニーズに合わない
・顧問との関係が悪化し、契約を解約せざるを得ない
このように、顧問との相性が合わないことによって、顧問契約のメリットを享受できなくなることが起こり得ます。
そのため、顧問契約を検討する際には、顧問との相性も考慮することが重要です。
顧問との面談や、信頼できるツテから紹介を受けることで、顧問との相性をある程度判断することができます。
具体的には、以下の点に留意する必要があります。
・顧問のコミュニケーション能力
・顧問の専門分野
顧問契約を結ぶ際には、これらの点を十分に検討し、自社にとって最適な顧問であるかを判断しましょう。
また、顧問契約を結んだ後も、定期的に顧問とのコミュニケーションを図り、相性を確認することが重要です。
相性が合わない場合、早めに契約を解約するなどの対応が必要となります。
顧問契約を結ぶ際に注意すべきポイント
顧問契約は企業にとってメリットが多いですが、契約締結の際にはいくつかの留意すべきポイントがあります。
ここでは、顧問契約を結ぶ際に注意すべき3つの重要ポイントについて解説していきます。
・顧問の専門性や経験を確認する
・契約条件の詳細化
・コンフリクト(利益相反)の回避
これらに気をつけながら契約することで、顧問契約を成功に導くことができるので、しっかりと覚えておきましょう。
顧問の専門性や経験を確認する
顧問契約は、専門家の知識や技術を活用することで、自社の経営や業務の改善を図ることができる契約です。
そのため、顧問の専門性や経験が自社のニーズに合っていないと、顧問契約のメリットを享受することができなくなる可能性があります。
以下に、顧問の専門性や経験を確認する際のポイントを解説します。
経歴と資格
顧問の経歴、専門的な資格や認定を確認しましょう。
これには、以前の職歴、学位、専門家としての認定、公的な資格などが含まれます。
過去のプロジェクトと実績
顧問が過去に携わったプロジェクトや業務の実績を確認しましょう。
これにより、顧問の専門性が自社のニーズに合致するか評価することができます。
関連する業界知識
顧問が特定の業界や市場に精通しているかを確認しましょう。
業界固有のトレンドや規制に関する深い理解は、特定の顧問を選ぶ際に重要な要素です。
また、顧問との面談や、顧問の紹介を受けることで、顧問の専門性や経験をより具体的に判断することができます。
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契約条件の詳細化
契約条件を明確にすることで、両当事者間の誤解を防ぎ、期待されるサービスの範囲と品質を保証することができます。
契約条件の詳細化においては、特に以下の点に留意しましょう。
・顧問料
・契約期間
・解約条件
・守秘義務
契約条件を詳細に定めることで、顧問とクライアント間の期待の不一致を最小限に抑え、将来的なトラブルや誤解を防ぐことができます。
また、顧問契約を結ぶ際には、契約書を作成することが一般的です。
契約書の作成にあたっては、専門家に法的なアドバイスを求め、双方の利益を最大限に保護することが望ましいです。
加えて、契約条件は顧問の専門性や業務の内容、クライアントの特定のニーズに応じて適応させることも大切です。
これにより、顧問契約が双方にとって有益かつ効果的なものとなるでしょう。
顧問契約書に記載する一般的な項目については、後ほど詳しく解説していきます。
関連記事:業務委託の避けるべきトラブル事例5選!契約上の注意点を徹底解説
コンフリクト(利益相反)の回避
コンフリクト(利益相反)とは、顧問が複数の顧客から依頼を受け、その顧客の利害が相反する状態です。
コンフリクトが発生すると、どちらの顧客の利益を優先すべきか判断に迷い、適切なアドバイスを行うことができなくなる可能性があります。
コンフリクトを回避するためには、以下の点に留意する必要があります。
顧問の業務内容の明確化
顧問契約を結ぶ際には、顧問が行う業務の範囲と内容を明確に定義することが重要です。
これにより、顧問が提供するサービスの範囲を理解し、利益相反の可能性を事前に防ぐことができます。
顧問の顧客層の把握
顧問が現在契約している他のクライアントや過去の業務関係について理解し、その中に利益相反が生じる可能性がある顧客がいないか確認することが重要です。
コンフリクト発生時の対応策の明確化
顧問契約書には、利益相反が発生した場合の対応策を明記しておくべきです。
これには、顧問の業務内容の変更、特定のクライアントとの業務の停止、または最悪の場合、契約の解除に至る手続きを含めることができます。
コンフリクトの回避は、顧問契約における信頼関係を保持し、双方の利益を保護する上で非常に重要です。
利益相反が発生する可能性を事前に把握し、適切に管理することで、顧問契約の効果を最大化し、トラブルを未然に防ぐことができます。
顧問契約書に記載する一般的な項目
顧問契約書に記載される一般的な項目は、契約の明確化と双方の権利及び義務の保護を目的としています。
以下に、顧問契約書に通常含まれる主要な項目を解説します。
1. 契約当事者の情報
顧問(個人または会社)とクライアント(企業や組織)の正式名称、住所、連絡先情報が記載されます。
2. 契約の目的
顧問契約の目的や目標を明確に記述します。
この部分で、顧問が提供するサービスの範囲や性質が定義されます。
3. 顧問の業務内容
顧問によって提供される具体的な業務、責任、およびサービスの範囲を詳細に記載します。
ここには、顧問が実施する具体的なタスクや活動が含まれます。
4. 顧問料
顧問に支払われる報酬額、支払いのタイミング、支払い方法(例:一括、分割、成果物に基づく等)が記載されます。
5. 契約期間
契約の開始日と終了日を明記します。
また、自動更新条項がある場合は、その条件も記載します。
6. 解約条件
契約を終了するための条件、通知期間、解約手続きなどが記載されます。
これには、中途解約に伴うペナルティや条件も含まれることがあります。
7. 秘密保持条項
顧問が業務遂行中に知り得たクライアントの機密情報を保護するための条項です。
情報の取り扱いや保護に関する詳細が定められます。
8. 責任と保証
顧問の責任の範囲と、提供されるサービスに対する保証(またはその免責)に関する条項が含まれます。
これは、潜在的な法的責任を明確化し、予期せぬリスクから双方を保護します。
9. 非競争・非引き抜き条項
顧問が契約中及び契約終了後の一定期間、クライアントの競合他社と契約を結ばない、またはクライアントの従業員を引き抜かないことを約束する条項が設けられることがあります。
10. 適用法と管轄
契約に関する紛争が発生した場合に適用される法律と、紛争解決のための管轄裁判所が定められます。
11. その他の一般条項
修正、通知、完全合意、分離可能性など、契約に関連する一般的な法的条項が含まれます。
これらの項目は、顧問契約が双方にとって公平で明確であることを確保し、認識の相違や紛争を防ぐために大変重要です。
契約内容は個々の状況によっても異なるため、専門家の法的な助言を得ながら適切に調整することが望ましいです。
まとめ
この記事では、顧問契約の基礎知識から、業務委託契約との違い、顧問契約時の注意点まで網羅的に解説してきました。
顧問契約は、上手に活用することで企業や組織にとって大きな価値をもたらすことができます。
本記事が顧問契約を検討し、実施する際の参考となり、より効果的で満足のいく関係を築く助けになれば幸いです。
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この記事を書いた人
- 加来 涼太
3度の事業立ち上げを経験し、これまで2度事業売却した連続起業家。 フリーのプロ人材としても、数社で活躍する現役のWEBマーケター。
2014年、高校3年時にフィリピン留学したことを機に、大学在学中に留学代理店事業を立ち上げ学生起業を経験。WEBマーケティングを独学と実践で学び、WEB経由での集客活動を仕組み化し、同事業を約4年間運営した後に事業売却。新卒後は、海外にある日系ITスタートアップの新規事業プロジェクトに約半年間参画。
2019年、自社ITサービスの開発・WEBメディアの運営事業等を行う株式会社ツーベイスを創業。サイトM&Aプラットフォームサービスの運営開始から約1年後に、自身2度目の事業売却を行う。1年間の運営期間で審査した対象サイトは約200件に及ぶ。現在は、月間最大100万PV越えのWEBメディアを運営したり、留学関連の新規事業立ち上げに従事。過去に立ち上げた累計のサイト数は10を超える。
2023年、自身の会社を経営しながら、これまでの経験を活かし、フリーのSEOディレクター等としても数社で活動している。主な実績:約1年間/週1程度の稼働で、事業会社が運営するサイトへのオーガニックトラフィック数を月間約20万増やし、昨対比で約200%増を達成。同サイトの月間トラフィック価値30,000$以上の向上も実現。