Webサイトリニューアルで失敗しないための3つの手順とポイントを解説
2019/7/8
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事業立ち上げ、商品リリース後すぐ作ったWebサイト。そこからあまり手をかけることなく今に至り、そろそろWebサイトをリニューアルして集客を本気でやりたい。そう考えている企業は多いと思います。
しかし、Webサイトをリニューアルする際、注意すべきポイントがあります。これらのポイントを押さえて進めていかないとサイトへのアクセス数が落ちたり、サイト経由の売上が落ちたりと思わぬ失敗をすることも。そこでWebサイトリニューアルで失敗しないための3つの手順とポイントを、実例を交え紹介します。
目次
Webサイトリニューアルで失敗しない!3つの手順
Webサイトリニューアルで失敗しないための手順について、Plan、Do、Seeの流れでポイントを説明します。
Webサイトをリニューアルする際、この手順に沿って進めることでWebサイトリニューアル時に起こりがちな失敗を回避しやすくなります。そうすればリニューアル後のWebサイトは素晴らしいパフォーマンスを発揮するものに生まれ変わるでしょう。
- 【Plan】(実施前)Webサイトのリニューアル目的を明確にする
- 【Do】(実施中)Webサイトのリニューアル方法に注意する
- 【See】(実施後)Webサイトをリニューアルした後の経過を観察する
└目的の整理とゴールの設定
└よくあるサイトリニューアルの失敗例
1)新サイトで思わぬ障害発生!旧サイトへの切り戻しができるよう準備を行う
2)旧サイトで培ってきたSEOを再利用しよう!リダイレクト設定を行う
3)クローラーからアクセスされない?検索で突然順位が落ちたり、流入激減したりしないためにタグ設定
└コンバージョンの定義と設定 └KPIの設定、定期モニタリングの実施
Webサイトのリニューアルで失敗しないための手順
1.【Plan】Webサイトのリニューアル目的を明確にする
Webサイトリニューアルで失敗しないために挙げた3つの手順のうち最も重要なのは、この「【Plan】(実施前)Webサイトのリニューアル目的を明確にする」工程です。
この工程を適当にしたり、軽視してしまうとサイトリニューアルで失敗してしまうことがよくあります。パワーとコストをかけてリニューアルをするのですから、リニューアル目的を明確にし、本来の目的を達成するためのサイトリニューアルを行いましょう。
サイトリニューアルの目的整理とゴールの設定
Webサイトをリニューアルしよう!具体的なアクションをする前に、まず一度立ち止まって考えてもらいたいことがあります。
それは、なぜWebサイトをリニューアルする必要があるのか、リニューアルをすることで何を獲得しどんなことを実現したいのか。目的を整理しゴールを決定する。その決定によって、どんな準備が必要になるのか。しっかりと熟考してからWebサイトリニューアルを進めていきましょう。 いくつか例を挙げて説明します。
(例① )Webサイトからの売上が全体売上の5%しかないので業界水準の15%まで引き上げたい
→獲得したいゴールは、売上につながる購入やお問い合わせ(または資料請求)でしょうか。業界水準が15%というのが正しい数字だと仮定して、なぜ現状が5%しかないのかを分析・整理してからWebサイトリニューアルを検討することが重要です。
現状の分析には3C分析(*1)SWOT分析(*2)や、4P戦略(*3)を用いて進めると分かりやすいでしょう。このような分析を行った後にゴールを設定すると、Webサイト経由売上を15%に上げるというゴールではなく、「販売チャネル(Webサイトという販売経路)を増やし売上を〇万円増やす」など、具体的に変わってくると思います。
(例②)現状のWebサイトはほとんどアクセスされず流入が小さいので、たくさんの人に見てもらえるようにオウンドメディアを立上げ流入を増やしたい
→実際にオウンドメディアを立ち上げるには、オウンドメディアで紹介するコンテンツの収集やそのコンテンツを運営管理する人材、オウンドメディアの集客を行うためのSEOの知識が必要になります。 現状のWebサイトの課題や分析ができていない中で、オウンドメディアを立ち上げることだけをゴールにしてしまうと立上げ後に人手不足や知識不足を理由に運用できなかったり、思ったように集客できないというリスクもあります。
Webサイトの流入を大きく増やしたい点がゴールであれば、現Webサイトの流入経路を分析したり、集客方法を見直したりすることがまず重要です。オウンドメディアの立ち上げをゴールとする前に、現サイトの目的を整理して現状を分析し、改善する方法を見極めましょう。
Webサイトのリニューアルで失敗しないたのめの手順
2.【Do】(実施中)Webサイトのリニューアル方法に注意する
目的の整理とゴールの設定が明確になり、実際にWebサイトリニューアルの段取りをしていく際には、以下の3点に注意しましょう。これらは特に確認漏れや軽視されることが多い3点ですので、制作会社や開発会社にすべてお任せするのではなく注意して確認しましょう。
1)新サイトで思わぬ障害発生!旧サイトへの切り戻しができるよう準備を行う
Webサイトリニューアルのスケジュールを決める際に、併せて一緒に考慮しておくべきなのはWebサイトリニューアルが想定通り成功しなかった場合の対応です。
例えば、
- Webサイトリニューアルをしたら、サイトがダウンしてしまい復旧までの1週間サイトへ一切アクセスできなくなってしまった。
- Webサイトリニューアルしたことで以前のサイトよりアクセスが激減してしまい成功とは言い難い状況なので以前の状態に戻したい。
というようなケースです。
このような状況が起こった場合、以前の状態に戻すことは準備さえしておけば可能です。想定しない状態になった際は「旧サイトへの切り戻し」をしましょう。 具体的に行うことは
- 旧サイトのHTMLファイルをバックアップしておく
- 旧サイトのサーバーの契約などをサイトリニューアル期間+1か月など少し長めに残しておく
- 旧サイトのアクセス数、アクション率を計測しておく
- リニューアルから1週間など適切な期間を区切り、一定数値を下回ったら旧サイトに切り戻すなどのしきい値を決めておく
実作業は社内で行わず制作会社や開発会社へ依頼をすることが多いと思います。しかし上記の内容を依頼する側が把握し、詳細を詰めておくことは非常に重要です。
2)旧サイトで培ってきたSEOを再利用しよう!リダイレクト設定を行う
Webサイトリニューアルの際に、ドメイン変更やURL変更は行ったがリダイレクト設定をし忘れたというケースがあります。
検索エンジンは、基本的にURLの引っ越しによる自動判別ができません。サイトのページの場所が変わった場合は、リダイレクト設定を行い引っ越し先のURLを検索エンジンに伝えることがSEOにおいて非常に重要です。リダイレクトの設定をしたいという話がわからない制作会社や開発会社はないと思いますのでしっかりと議論しましょう。
さらに少し詳細にお話しすると、リダイレクトの仕方も細かく設定ができます。現状のサイトの流入をランディングページ単位で確認し、どういうリダイレクト処理をしてもらいたいのかを要望しておくとSEOが弱くなるということは避けられると思います。
例えば、オウンドメディアがあるサイトの場合、1記事ページ単位でリダイレクト処理を行うのか、/magazine配下は全て新URLのトップに飛ばすなど/配下の単位で行うなど2通りがあります。
記事の中でもSEO流入を多く稼いでいる記事がいくつかあった場合、その流入の多いURLについてはページ単位でリダイレクト処理を行うべきです。さもないと、すべてがトップに飛んでしまい、ページを見たユーザーががっかりしてサイト離脱してしまうことが避けられません。
3)クローラーからアクセスされない?検索で突然順位が落ちたり、流入激減したりしないためにタグ設定
リニューアルの制作作業をしている最中は、公開前であるためコンテンツが検索エンジンからクロールされないように設定する場合があります。しかし公開後もその設定を解除することを忘れてしまい、クローラからの評価が下がり検索順位が下落するということがあります。
例えば、制作中に設定したno indexという設定が残ったままになっていて公開後もindex化されずに検索順位が下落してしまうことがあります。Indexされずにサイトを運営すると流入はみるみる落ちていってしまいます。
こういうケースを避けるにはGoogleが提供するSearchConsoleで確認することが大切です。登録は無料ですので事前に登録することをオススメします。
Webサイトのリニューアルで失敗しないたのめの手順
3.【See】(実施後)Webサイトをリニューアルした後の経過を観察する
Webサイトリニューアル後は、効果が改善されているかを経過観察しながらチューニングしていくことが重要です。 具体的には、コンバージョンの定義を行い、KPIを決め、定期モニタリングをしましょう。
サイトリニューアル後のコンバージョンの定義と設定
自社にとっての正しいコンバージョンの種類を定義し、その価値を評価することをオススメします。
今まで当たり前と思っていた「お問い合わせ」というコンバージョンも、Webサイトリニューアルによって「資料請求」「会社問い合わせ」など細分化されている可能性もあります。また、企業によって資料請求は1万円の価値があるが、会社問い合わせは0円の価値に近いということもあると思います。
あるいは今までアナログにしか定義や計測できていなかった「電話問い合わせ」などもWebサイトリニューアルでスマートフォンでも閲覧できるWebサイトを行った結果、計測できるようになった場合もあるでしょう。 (実際にGoogle Analyticsで電話のタップ数を計測することはできます)
以下は例です。 コンバージョン1)Web資料請求 価値 2万円 コンバージョン2)企業問い合わせ 価値0.2万円 (10件に1件は商談につながるようなものがあるので資料請求の0.1倍で設定) コンバージョン3)電話問い合わせ 価値1万円 (既存顧客からの来電も半数弱あるため資料請求の0.5倍で設定)
KPIの設定、定期モニタリングの実施
次に設定したコンバージョンが月にいくらぐらいあれば合格なのか、目標を決めます。
目標売上からさかのぼって資料請求件数を決めてもよいでしょう。この目標を一般的にはKPI(*4)といいます。KPIを決めたら、そのKPIを日単位、週単位に換算し、日々のアクセスやコンバージョンがそれに達成しているのかどうかを経過観察していきましょう。
大幅に下回っているようであればその原因の分析を行った上でまずLPO(*5)を実施しましょう。それでも解決できない場合は、集客強化のためにSEO対策を行ったり、SEMリスティングを実施してみるのもよいかもしれません。
サイトリニューアルの手順とポイントを押さえて成功させよう!
Webサイトリニューアルで失敗しないための3つの手順は理解いただけましたか。
細かいケアが必要な部分もありましたが、サイトをリニューアルするということはそれだけリスクもありリターンもあります。
重要なのは、目的の整理とゴールの設定をしっかり行い、コンバージョンの定義とKPIの設定をすることです。それさえ関係者の中で確認できていたら大きな失敗はなくWebサイトリニューアルは行えると思います。
リニューアル中はリダイレクト処理やクローラーの設定に注意しましょう。万が一障害があった際はスムーズに旧サイトへ戻すことができるよう、切り戻し対応の準備も忘れずに。
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この記事を書いた人
- 相沢 唯
- リクルート在籍中のWEBマーケッター。Webマーケティングにおける、現状分析、ベンチマーク、競合企業と相対分析、KPIモニタリング、コンテンツ企画優先施策の業務設計、リスティング広告、SEO対策など、Web業務全般を担当。プライベートでは3児のママ。