世の中から「非効率な仕事」をなくす!起業のきっかけから注目の制度までその本音に迫る
2018/3/23
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経営者から事業や採用についての本音を直接インタビューするこの企画。第7回は、社会の非効率をなくし、働く人たちの生産性を高めることで暮らしを豊かにするスマートキャンプ株式会社の代表取締役 古橋智史さん。多くの企業に向けて業務の効率化につながるサービスを提供しているだけではなく、自社内でもプロ人材の採用やリモートワークデーなど新しい働き方を実現されています。事業を通してどのような未来を描いているか、他企業も注目する採用や制度を作るに至った本音に迫りました。
目次
「人の仕事を奪う事業」とは?働き方改革が話題の今求められるサービスと拡大の戦略とは
勤めていた時に感じた「非効率」を職場からなくしたい
弊社が行なっている事業は複数ありますが、基本的には「人の仕事を奪う事業」を行なっています。
例えば「BOXIL」という法人向けのクラウドサービスの比較サイトがその1つですが、「BOXIL」がユーザーとサービスを提供する企業のマッチングを行うことで、互いの探す手間を奪い、生産の効率化に繋げています。
このサービスは私の体験がもとになっていまして。大手企業でもベンチャーでも働いてきたのですが、職場における非効率が多いと感じていました。その非効率をなくすことで、働く人たちがもっと生産的な仕事ができると考え、起業に至りました。
これからも、多くの企業で各部署の仕事を奪うことで、付加価値の高い仕事に時間を割けるようにサービスを拡大していきたいですね。今はSaaSを利用する企業に限られていますが、今後は製造業や建築業など、BtoBでも違うカテゴリの企業でもこの事業を展開していきたいですね。
関係づくりとクロージング、2段階で行う新しい営業スタイルとは
「BOXIL」はBtoB向けのサービスですが、今は月に150万程度のユニークユーザーの方がいらっしゃいます。他と比較してもこれは高い数値だと思っています。
この数値に繋がったのはメディアによる集客も大きいです。メディアチームが弊社にはいるのですが、オウンドメディア内でどのようなサービスがいいのかヒアリングや調査を重ねて記事にすることを、ひたすら、2年以上積み重ねてきました。
webメディアって、記事がバズるとかきっかけがあって有名になるイメージかもしれませんが、私たちの場合、数字をひたすらに積み重ねています。1万から2万、2万が4万……という感じですね。100万を超えてからは10万ずつ伸びる成長曲線に変わったり。
ここまで数値を伸ばすには、やめないこともそうですが、費用はかなり重要になります。弊社の場合、1億は最低でもコンテンツマーケティング事業にかけていました。もともとコンテンツマーケティングに知見があればもう少し抑えられたかもしれませんが。
他の企業さんですと、ROIとかCPAをシビアに見るところも多いので、この額の1/10、もっと少ないと1/100しかかけないところも多いですが、これだと難しいのではないでしょうか。
最近ですと、コンテンツマーケティングに関わるライターさんや編集の方の単価もあがっています。そういった方々に「書きたい」と思っていただけるメディア作りが必要ですね。そのために弊社も多くの時間を割いたイメージです。
会社という括りには縛られない。求めるプロ人材と組織としてあるべき姿、その本音に迫る
プロ人材として、求められる働き方と姿とは?
今弊社には、正社員の方が30人弱、業務委託の方が10人くらいいますが、形としてそうなっているだけで、僕の中ではあまり契約形態については気にしていません。
実際に、正社員の人でも時短で働いている方もいます。そもそも事前にどのような働き方が一番パフォーマンスを出せるか聞いた上で実践してもらっています。自己申告した働き方で成果が出なかったら困りますよね(笑)。
そういう意味では、プロ人材というのは自分をコントロールできてパフォーマンスを残せる人ではないでしょうか。あとは、自分の得意なことと苦手なことを理解していて、自分が何者かを言える人。
これができない人、自分をコントロールできない、何事も受け身な人は弊社にとっては不要人材ですね。少なくとも弊社には向いてないと思います。今まで色々な人を見てきて、前職が大手かベンチャーかはあまり関係ありませんが、前の職場を他責思考で辞められた方はこの傾向が強いかもしれません。
成長のためには外の世界を見ることも重要、その上で選ばれる組織作りを
以前いた会社は仕事の時に内部で固まって一致団結して動く会社だったのですが、そうすると自然と外部とのコネも少なくなってキャリアの幅も狭くなるように感じました。そのため、今の会社では外部と交流できる仕組みづくりはとても心がけています。
そういった面で業務委託の方とはいい関係だと思っています。社員以外の方からは、普段とは違う角度からアドバイスをもらえますし、社員も自然と外部の情報に触れることができます。
超優秀な人たちを週5で束縛するより、短い期間とか週に数回とかのペースでスペシャリストの方からエッセンスをもらう方が会社としても個人としても成長しますからね。確かに時間はかかるかもしれませんが、スキルアセットが互いに蓄積される方がいいのではないかと思ってます。
その代わり、外の景色が見えるということは、今いる社員が他の企業に移るリスクも存在します。でも「リスクがあるからやめよう」とかではなく、外の景色を見てもらった上でもスマートキャンプがいい会社だと思ってもらえるようにしなければいけないのが代表である私や経営陣の役目だと思っています。
リモートワークデーや副業の推進も!その制度に隠された事業との関わりとは
水曜日は毎週リモートワークデー。その制度がうまれたきっかけとは
弊社では毎週水曜日にリモートワークを行っていて、他の方からもよく聞かれるのですがこれはとても評判がいいです。もともと、私があまりオフィスに来ることを大事だと思っていなくて。
ですが、仕事する際に仲間が隣にいる方が楽だという面もあり週5リモートは難しいだろう、という話から週1回リモートワークの日を設けるようになりました。実際やってみたら社員からもとても評判がいいですね。やる前に比べて他の日の会議室の予約が取りづらくなることはありましたが、それ以外は順調です。
リモートで作業してもらっている日については、僕の方から管理は全くしていませんね。だから極論、仕事をしていても、家で寝ていても、酒を飲んでいても自由、みたいな。
ここを管理してしまうと、結局管理し続けるしかなくなって互いに疲れてしまうんですよね。日々の仕事ぶりではなく、四半期ごとの成果を見て評価をしているので。成果しか見ていないという面では、他の企業よりもかえってドライかもしれません。
副業について代表自ら案出しまで?副業をすることで得られるメリットは?
リモートワークもそうなんですが、今弊社でやってることは昔勤めていた時に会社に縛られていたトラウマからきているようなものなんです。
会社に縛られるのではなく自分の人生を生きてほしい。ですので、副業も推奨しています。なんなら僕からアイディアを出してますね。
世の中の副業でできることって労働をシェアするだけでイケてない副業ばかりだと思っていて、それなら事業としてスケールは難しいけどやりたいことをやってほしいと思って社員には言っていますね。僕自身やりたいことはたくさんあるので。
今映画の制作をしているのですが、そこでは弊社の事業とは関係ない業界の人とも出会えますし、業界が変わるとそこにいる人の短所長所も全く変わってくるので、いいところを持ち寄れば互いに自分の活動をよりよくできるんじゃないかと思うことが増えました。これは副業をして初めてわかったことですね。
あとは、副業をすることで、経営者のマインドも自然と成長します。給料でもらう20万と自分の事業で稼ぐ20万って意味合いが全然違うので。その重みを理解した上で勤めて仕事できる人はすごく面白いと思っています。
最後に
ここまで色々話してきましたが、僕から一緒に働いてくれる人たちへは「あなたの人生」を生きてほしいという思いが強いです。会社として保険などのベネフィットや成長できるような機会は提供していくつもりですが、その環境を生かすも殺すも最後はその人次第なので。
ライフステージとか求める働き方とか、色々求めるものは違うかと思いますが、今の環境で好きにできる分、自ら考え動くことができる、マインドが一致する人たちと一緒に働いていきたいです。
インタビューした人
- 大澤 亮
新卒で三菱商事(株)に入社後タンザニア駐在を経て退職し、慶應義塾大学経営管理研究科修士課程入学。
在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立し(株)サイバーエージェントに売却。卒業後は(株)ドリームインキュベータにて経営コンサルティングと投資業務を担当する。
その後、(株)土屋鞄製造所に移り取締役兼COOとして2年半で売上・利益を2倍とすることに貢献。同社退職後2009年に(株)Piece to Peaceを創業し、代表取締役に就任する。
2016年からマーケティング分野を中心としたビジネス界のプロ契約サービス「キャリーミー」を創業。2023年現在、パーソルホールディングス(株)・本田圭佑氏等から投資を受け、日本企業へのプロ契約の普及に努めている。
著書 「世界をよくする仕事で稼ぐ」 (プレジデント社より出版)新刊「プロに外注」
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この記事を書いた人
- 我妻 柊哉
福島と東京の2拠点で活動を行うカメラマン兼ライター。
前職ではWebディレクターとして、ランディングページのワイヤーフレーム・コピー制作や記事コンテンツの編集を行う。
その後、生まれ育った地である福島に貢献したい想いからUターン、「福島TRIP」にカメラマン兼ライターとして参画し、観光者向けに福島の情報を発信している。
カメラマンとしては、地元企業のTVCM撮影から都内で行われる1000人規模のイベント撮影まで多岐に及ぶ撮影に携わる。