PRのプロ人材を採用した本音は?苦境が続く不動産業界で成長を続ける企業の経営者が語る「必要な人材、不要な人材」

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経営者から事業や採用についてのホンネを直接インタビューするこの企画。今回のお相手は、2004年の会社設立後、不動産業界では異例の速度で2015年にJASDAQスタンダードに上場、2017年に東証2部、2018年には東証1部へと市場変更したプロパティエージェント株式会社代表取締役社長の中西聖さん。業界全体が苦境と言われる中で増収増益を続け、実際にキャリーミーを通してプロ人材を採用した企業が、事業やプロ人材に求める力など感じたままのことを話していただきました。

「夢のマイホーム」はもう終わり?進む暮らしの多様化

時代の変化で住宅は「住まい」から「資産」へ

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弊社では、不動産というフィールドの中で多くの事業に取り組んでいますが、現在主力の商品となってきているのは都心のコンパクトマンションの企画・開発・販売です。

時代の変化によって30平米から40平米ほどのマンションの需要が増えて、住み方や住宅との付き合い方に多様性が生まれています。これを弊社では「ダイバーシティレジデンシャル」と呼んでいます。

例えば、都心で働く女性の場合、都心エリアで30平米から40平米のマンションを購入すれば暮らしはかなり充実したものになります。

もし結婚して夫婦2人で暮らすようになっても、40平米もあると余裕を持って生活ができます。さらに子供が産まれて広い家に移る場合でも、買ったコンパクトマンションは人に貸せば資産になりますよね。弊社では資産としての運用も含めて行っているため好評をいただいています。

結婚する方も減って、昔のようにベッドタウンに家族4人で夢のマイホーム、という世帯構成ばかりではなくなってきました。女性の中にも、独身のうちから家を購入して将来結婚した時には人に貸してその収益をへそくりにする、という考えも出てきています。

こうした世帯数や社会構造の変化とコンパクトマンションはニーズに合致した商品なんですね。

必要なのは規模の拡大ではなく、お客様の期待に応えること

コンパクトマンションが支持される背景ですが、暮らしの多様化以外にも長生きリスクをはじめとした将来の不安があると思っています。暮らしが良くなり医療も発展したことで長生きする確率は増えていますよね。

もし100歳まで生きたとして、60歳で仕事をやめた後の40年をどう生活するのか?という疑問に真剣に向き合わなければいけない時代になりました。

しかし、ベッドタウンに戸建てを買ったとしてもそれは資産にはなりません。ですが、需要のあるコンパクトマンションを購入すれば賃貸にすることで資産に代えられるんです。

働き方や社会が変わって、終身雇用でしっかり退職金をもらい、老後は年金で生活…、という時代ではなくなりました。それを踏まえて将来を冷静に考えている人たちに支持されているのではないでしょうか。

そうしたお客様の想いにしっかりと応えるのが、弊社の使命でもあります。そのため、私たちは購入していただいたお客様に喜んでもらえるよう資産価値の高い場所を選んでいます。

資産価値の高さに比例するのは駅の乗降者数です。この数が多く、駅からも近い場所を厳選しています。そうすると自然と東京の都心エリアに限られてくるんですね。このエリアは古くから支持されているエリアですから、2020年問題の影響で価値が下がることもないと考えています。

毎年新卒の子たちから「全国に拡大しないのですか?」と聞かれますが、全国に拡大してしまうと、お客様の望む資産価値を提供できなくなってしまいます。そのため今後も東京の都心を選んでオーナーとなるお客様に喜んでもらえるよう続けていくつもりです。

ヒトの役割をAIが補うように!変わるヒトの役割と仕事の形

AIをいち早く取り入れたことで、業界内の大きな問題を解消

弊社では、インターネットを通じたサービスも提供しています。1つは「不動産投資タイムズ」というオウンドメディアです。このサイトでは不動産の資産運用に関する情報や、私たちの商品、また弊社以外の情報も含め、お客様や不動産投資を考えている方の役に立つ情報を提供しています。

もう一つは、「ふじたろう」というサイトで、AIによって全国13万棟のマンションの相場価格を瞬時に知ることができます。不動産の相場価格に関しては、長年不動産業者とお客様の情報の非対称性が問題となっていましたが、実はこの問題の解決に大きく貢献しています。

例えば、同じマンションの中に201号室と301号室という家があったとして、この2つが同じタイミングで売り出される日って新築の時以外にはほとんどありません。この時は周辺賃料と想定利回りにより価格も出るのですが、10年経ったあとに301号室だけ売りに出す時、比較対象になる物件ってないんです。

10年も経ってしまうと価格も大きく動いてしまい、相談した不動産業者からしかユーザーは情報を得られません。ここに情報の非対称性が発生していました。

ユーザーもこれを知っていたため、価格に対して疑問を持ち続けていたのが課題でした。それが「ふじたろう」によって解決され始めています。

まだ不足している情報もあり大きな影響はありませんが、これが3年から5年もすれば、AIが出した相場情報を見てから不動産業者に交渉しに行くのが当たり前になるでしょう。その未来に向けて改善も行っていくつもりです。

知識があるだけの社員は無価値。情報化社会の中で求められる力とは?

AIの普及やITの発展は、お客様の行動だけではなく、働く社員たちにとっても大きく影響を与えます。例えば、物件探しなんかは、「ふじたろう」のようなAIを実装した情報収集サイトとチャットボットで十分にできると思っています。利用者のリテラシーも次第に上がっていくでしょうから、この点は非常に大きいです。

社内の業務も大きく変化が起きます。例えば、書類のデジタル化。手書きにしていた資料をデータ化したのですが、それにより自動でチェック機能が働くので、ダブルチェックを行うことはなくなりました。

お客様との進捗についても、ステータスごとにオートメーションでマーケティングされたメールが届くシステムができています。税務に関わる仕事も、既に会計ソフトによって自動化されている部分もありますし、ある程度ロジックに落とし込める仕事は今後なくなっていくでしょう。

IT化が一番与える大きな影響って、情報化社会による知識の無価値化だと思うんです。新卒のようにこれから育てる社員は別ですが、中途でプロと呼ばれるような人材において、知識があるだけっていうのははっきり言ってもう価値がないんですよね。その人の知識は一時的に必要かもしれませんが、会社が吸収して成長したらそういう人はあっという間に不要人材になります。

この先重要になるのは、その知識や経験をいかに会社のミッションに結びつけ実行するか、それを他のメンバーと協調して行えるかだと思います。

そして、実行力に裏付けされた直感力ですね。物事の真実は脳内で考えた論理ではなくその外にあると知っているかどうか。論理だけなら本来不正解な事柄を正解だと説得することだってできてしまいますからね。

必要なのは会社との協働。実際に「プロ人材」を採用した経営者の本音とは?

1つの領域では誰にも負けない知識がプロ人材には必要

弊社には、週5で働く社員とは別に、7人のアドバイザーや顧問となる方々がいます。この方たちは、専門分野に対する知見が相当深いです。1つの領域において一般の人が届かない所まで情報の深堀りをすることは、プロ人材に求められる能力の1つですね。その力を会社のミッションを理解してもらった上で活用されています。

キャリーミーを通して弊社にも1人、PRのプロのKさんに来てもらっています。まだ採用して半年も経っていませんが、採用した効果は大きく実感しています。

業界で初めて蔦屋家電さんの家電を設置した物件を出すことと、タレントの真矢ミキさんが弊社のイメージキャラクターに就任するということで蔦屋家電さんと共同記者会見を行いましたが、これも彼女の力が大きいです。

ただ、Kさんのようにプロフェッショナルな人材って、週5で来てもらう必要があるかと言われるとそうでもないんですよね。

本当に専門性が求められる分野であれば、他の会社でも仕事してもらう方がその分野の知見を深めてもらうことにもなりますし、特殊なポジションだからそもそも「週5で欲しい」方ではないんですね。「週1だから欲しい」とも言えるかもしれません。

反対に、週5でいてほしいプロ人材もいます。弊社のWebマーケティングを担当してもらっているプロ人材は、週5でも時間が足りないくらいです。

彼には「不動産投資タイムズ」のUUをいかに高めCPAを下げるか、という課題がありますが、これには一生終わりがないです。弊社のWebマーケティングについて知見を深め続けて欲しいと思っています。プロ人材と呼ばれる方の力が欲しい時にどういった形態が一番お互いのためになるか、これは会社側が見極めるべき点です。

必要なのは会社のファンになってもらうこと。好循環を生む企業と人材の関係性

効率化が機械によって実現される中で、今後採用する人に求めているのは、実行力と協働力の2つですね。この2つの力は弊社の社風にもよく表れています。

最近では、「永遠に終わりのないマニュアルを作ろう」という動きがあります。

営業活動の中で成功と失敗をフローごとに細分化して、何が有効かを共有しているんですね。マニュアルを作る時に立場に関係なく腹を割って悩みを話す機会になりますし、実体験に基づいて深堀りされたマニュアルなので新しく入社した人にも評判がいいです。

こうした社風は、社員みんなが会社のビジョンに共感して、お客様の役に立つために仕事をする、という共通認識を持っているのが大きいと思います。

その結果、1人勝ちではなく、ナレッジを共有しあってみんなで勝つ、という世界観が社内全体にありますね。

プロ人材の方に関しては、知識や経験が求めるハードルを超えていることはもちろん、相性もあると思っています。そこは面談をしてしっかり見極めます、一緒に仕事をする上で絶対に大事なことなので。この相性という所で言うと、ビジョンに共感してファンになってもらえるかどうかも大きいかもしれません。

Kさんとは別にPRを担当する社員がいるのですが、この社員が早く独り立ちできるように、Kさんには教育までしてもらっています。

Kさんが過去築いてきた人脈を持てるようにしてもらったり。Kさんの人脈は今までの仕事でも直接的に役に立ってきたので、それを弊社の社員が身につけるってとても大きいことですよね。

もし我々の社員が独り立ちした時、Kさんが不要になるのではないか、という意見もありますが、我々と同じビジョンを見て会社のために尽くしてくれる方を手放したいとは思いませんよね。

社員が独り立ちするまでにKさんも成長を続けていますし、その頃にはまた別の新しい価値をKさんは持っているでしょう。その新しい価値をまた我々は必要としますから、そこにいい関係が生まれると思っています。

最後に

プロフェッショナルな方には、これまで積み上げてきた知識と経験をどう活かしてもらえるか、弊社を通してどういう人になってもらえるかまで考える必要が会社にはあると思っています。これは我々が努力すべき点です。その上で、会社のビジョンを知って協働できるような人と一緒に新しい価値を創っていきたいですね。

インタビューした人

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大澤 亮

新卒で三菱商事(株)に入社後タンザニア駐在を経て退職し、慶應義塾大学経営管理研究科修士課程入学。

在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立し(株)サイバーエージェントに売却。卒業後は(株)ドリームインキュベータにて経営コンサルティングと投資業務を担当する。

その後、(株)土屋鞄製造所に移り取締役兼COOとして2年半で売上・利益を2倍とすることに貢献。同社退職後2009年に(株)Piece to Peaceを創業し、代表取締役に就任する。

2016年からマーケティング分野を中心としたビジネス界のプロ契約サービス「キャリーミー」を創業。2023年現在、パーソルホールディングス(株)・本田圭佑氏等から投資を受け、日本企業へのプロ契約の普及に努めている。
著書 「世界をよくする仕事で稼ぐ」 (プレジデント社より出版)

新刊「プロに外注」

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この記事を書いた人

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我妻 柊哉

福島と東京の2拠点で活動を行うカメラマン兼ライター。
前職ではWebディレクターとして、ランディングページのワイヤーフレーム・コピー制作や記事コンテンツの編集を行う。
その後、生まれ育った地である福島に貢献したい想いからUターン、「福島TRIP」にカメラマン兼ライターとして参画し、観光者向けに福島の情報を発信している。
カメラマンとしては、地元企業のTVCM撮影から都内で行われる1000人規模のイベント撮影まで多岐に及ぶ撮影に携わる。

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