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日本企業の長時間労働の原因と対策は?

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日本企業の長時間労働の実態を海外と比較!

日本人は諸外国に比べ恒常的な残業が問題となっており、近年話題の働き方改革でも「残業削減、長時間労働の是正」は改革の本丸とも言われています。

まず、日本人の長時間労働の実態について確認していきましょう。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査では、諸外国との年間総労働時間の推移を比較して見ることができます。

この調査では、労働者全体での総労働時間を比較していますが、日本はグラフの通り、特にヨーロッパ各国に比べ労働時間が長いことが指摘されています。

また、このデータにはパートタイム労働者のデータが含まれているという点に注意が必要です。なぜなら、日本の総労働時間を押し下げているのは、この「パートタイム労働者の増加」によるものが大きいからです。

厚生労働省のデータによると、

このようにフルタイム労働者の長時間労働については状況はほぼ変わっていません。所定外労働時間の推移は、リーマンショックの影響のあった2009(平成21年)を除き年間120〜130時間とほぼ横ばいの状況なのです。

なぜ日本企業の会社員の長時間労働はなくならないのか?

日本の会社員特有の現象とも言われている「残業」や「長時間労働」。
この発生メカニズムについてパーソル総合研究所が調査をしています。(パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」

この調査によると、日本企業の残業には下記4点の特徴があると言います。

・「集中」・・・ある特定のメンバー(多くは優秀層)に残業が集中してしまう
・「感染」・・・「帰りにくい」という同調圧力が感染し残業が常態化
・「麻痺」・・・ごく限られた過剰労働者層は他の残業をしている層より幸福度が相対的に高くなる
・「遺伝」・・・「残業は当たり前」など、若手時代の残業に対する価値観は部下から上司へ遺伝する

日本企業の残業の特徴:残業の「集中」とは?

日本企業の残業の特徴としてまず問題視したいのは残業が特定のメンバーに集中しているという点です。
同調査によると、

長期的な「育成」のウェイトを下げ、短期的な「成果」を追うためは、「今すでに」優秀なメンバーを中心にジョブ・アサインするのが効率的、ということです。従業員視点で見れば、働く個人が残業を減らすために独力でスキルを上げる努力をしても、職場では、スキルを上げた個人にすぐに業務がふってくる構造になっている

と指摘しています。

いくら短時間で業務を終えたとしても、ほかのメンバーが出来なかった業務を追加で割り振られてしまうという経験をされた方は少なくないでしょう。
一方、管理職側も「働き方改革」で就業時間の短縮をトップから指示され、部下に仕事を振ることができず、結果自らの残業時間を大幅に増加させているという現象も起こっているのです。

日本企業の残業の特徴:残業の「感染」とは?

日本企業の残業の特徴として2つ目に挙げられているのが「感染」です。

残業の「集中」によって、特定のメンバーが残業をしています。すると、ほかのメンバーに帰りづらい気持ちが生まれ、ずるずるとほかのメンバーにも残業が感染されていくのです。

しかも残業しているメンバーが上司や先輩であればその同調圧力はさらに大きくなります。

皆さんも会社員になりたての時に、上司や先輩から
「他の人よりも早く退社する際には、何かお手伝いすることは無いですか?と聞くようにしましょう」といったアドバイスを受けませんでしたか?

こうした意識を社会人のスタートから指導されている日本企業では、残業しているメンバーを見ないふりをして帰宅するということはしにくい環境であると言えます。

日本企業の残業の特徴:残業の「麻痺」とは?

労働時間が長くなると、長時間労働をしている労働者の幸福度は通常下降していきます。しかし、過剰労働をしているある一定の層については、幸福度が上昇するという結果がでました。

週60時間以上の労働をしている場合、健康に悪影響が及ぶことはこれまでの調査でも分かっています。

しかし残業が「麻痺」している層には、月に60時間を越えるような超・長時間労働をしてストレスや健康上のリスクを抱えているにも関わらず、それでも主観的な幸福感・満足感が高まっているという現象が起こっています。

同調査では、この現象について下記のように分析しています。

「一致団結した雰囲気があり、終身雇用の傾向が強い組織」の中において、「出世の見込みがある」個人がこの主観的な幸福度を高めていました。つまり、「この組織の中で出世できる」という期待を抱きながら過剰な残業をしている従業員は、心理的には満足度高く働きながら、病気・精神疾患・休職等につながるリスクを蓄積していっているのです。

日本企業の残業の特徴:残業の「遺伝」とは?

同調査によると、残業の「遺伝」も、日本の会社員の大きな問題であると言えます。

部下の残業が多い上司はどんな属性か調査したところ、「若手時代に残業を多くしていた」という上司がそれに当たるそうです。また、そういった上司ほど、「時間をかけて業務を行った部下を評価する」「 自分の仕事が終わっても残って業務をする」というマネジメント傾向がみられているとのこと。

しかもこの傾向はたとえ転職しても同じように行動するそうです。
また、このようなマネジメントを受けた部下がまたその部下へと価値観を遺伝させてしまうことも十分考えられます。

日本企業の長時間労働への対策は、表面的なものでは解決しない!

副業・兼業2

日本企業に勤務する会社員は、上記の残業に関する4つの特徴のどれかを経験していることが多いでしょう。

それを裏付けるものとして、内閣府が2014年に発表している「ワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査」があります。

この調査では、被雇用者(個人)に「残業している人」のイメージについて尋ねたところ、「頑張っている人」「責任感が強い人」といったポジティブイメージが、「仕事が遅い人」「残業代を稼ぎたい人」というネガティブイメージを大きく上回ったと言います。

一方で企業側には「残業や休日出勤をほとんどせず、時間内に仕事を終えて帰宅すること」に対する人事評価について尋ねたところ、「人事評価では考慮されない」が74.0%。一方で「人事評価でプラスに考慮される」という回答は16.3%と、「長時間労働がないこと」は、マイナスの評価に直結はしないものの、「生産性が高く、良い評価」とならない現状があるとも取れます。

こうした価値観や残業実態が形成されることにより、多くの会社員の業務に対するモチベーションはどうなるでしょうか?

「麻痺」を感じている層以外の社員は「残業しないと評価されない」「業務を早く終わらせても意味がない」という感覚になり、生産性の低下や残業の助長につながるでしょう。

ですから、単に有給消化を奨励したり、ノー残業デーを設定するという表面的な対策では日本の長時間労働は解決しない可能性が高いです。では、どうすれば良いのでしょうか。

日本企業の長時間労働対策1:組織・チームのコンディションを定性・定量で把握する

まず行いたい対策として、組織やチームのコンディションを定性・定量で把握することです。

誰が、どんな仕事をして、どんな風に時間を使っているのか。そしてそれは周囲からどんな風に見えているのか(評価はもちろん、同僚や後輩が持っている感想なども含めて)を把握するのです。そこで得られる成果も把握しておく必要があります。

例えば、日々のタイムスケジュールを始業前にチームで共有し、終業後に乖離があったかどうか確認したり、面談を定期的に実施するといった対策が有効でしょう。

日本企業の長時間労働対策2:管理職のマネジメント力の強化・意識改革

日本企業の残業問題は、今見てきたように国民性や意識面での部分も大きく関わってきます。そこで問われるのは経営陣はじめ管理職のマネジメント力の強化と意識の変化です。

事業の目標を見定めた上で一つ一つの業務に落とし込んだ時、本当に必要な業務とそうではない業務を見極め、的確に部下に業務を割り振る能力が求められます。また、「残業をするということは能力がない(管理職本人のマネジメント能力も含め)」という意識改革も必要でしょう。

日本企業の長時間労働対策は急務!

日本企業の長時間労働の実態・原因・対策について見ていきましたが、特に日本の正規雇用者の長時間労働は深刻な問題と言えます。また、日本企業の残業の特徴を見ていくと、組織内での意識改革も必要であると分かります。

長時間労働を改革するためには制度・意識両面での対策を講じて行くと良いでしょう。

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この記事を書いた人

azusa watanabe
渡部 梓

大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は派遣社員として某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。

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