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BtoBマーケティングや売上を支える「インサイドセールス」のメリットと導入方法、成功のポイント

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インサイドセールスとは

インサイドセールス(内勤営業)とは、訪問せずに遠隔で行う営業活動のことです。そのはじまりは、アメリカと言われています。国土の広いアメリカでは取引先を直接まわることが難しいため、電話での営業活動がさかんでした。そしてその営業手法のことを内勤営業、インサイドセールスと呼んでいたのです。

現在では電話のみならず、Eメール・ITツールやDMなどを活用し、通常の営業活動の一部もしくは全てを遠隔化することで効率化を図っています

また、フィールドセールス(訪問営業)にトスする前の、マーケティングにおける一つの人的な活動としてのインサイドセールスは、企業のマーケティング活動や売上創出に非常に重要な役割を果たしていると言われています。特にBtoB企業については近年インサイドセールスが非常に注目され始めています。なぜ今、インサイドセールスが注目を浴びているのでしょうか?本記事ではインサイドセールスについて解説しながら、実際の効果的な導入方法についてもご紹介します。

インサイドセールスとフィールドセールスのメリット、デメリット比較

まずはインサイドセールスとフィールドセールスのメリットとデメリットを比較しながらその特徴をご紹介します。

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスのメリットとして、以下が挙げられるでしょう。

①営業活動の効率化
これまで直接クライアントを訪問し営業活動していた場合より移動時間などが大幅に短縮され、訪問営業より多くのクライアントに営業活動することが出来ます。
移動時間に充てていた時間を他の営業活動や、PDCAを回す時間に割きやすくなるため、営業効率も上がっていきます

②経費の削減
主に訪問営業でかかる交通費が大幅に削減することが可能です。また、営業効率があがるので、フィールドセールスよりも少ない人数で成果を上げることが可能になります。

③受注見込みの低い顧客にもアプローチしやすくなる
訪問営業の場合効率化しようとすると受注見込みの高い顧客のみ営業に回ろうとしがちです。すると、アプローチする顧客の幅が狭まってしまいます。その点インサイドセールスでは訪問のタイムロスがないため多くの顧客にアプローチ可能です。

④ノウハウを共有しやすくなる
ITが進んでいなかった時代の従来のフィールドセールスでは、顧客情報は各セールスマンのメモや頭の中にあることが多く、また、その営業のノウハウも共有されにくいことで突出して営業力のある人とそうでない人の差が大きく出てしまうという課題がありました。フィールドセールスでIT化が進むと、顧客の名前や住所といった基本情報から具体的なニーズまで、オンラインで様々なことが共有できるようになります。現代は顧客の方からインターネットを中心に情報収集する時代になり、そこで自社のサイトにアクセスしたり個人情報を顧客側から入力してくれるチャンスがあります。そうした具体的な顧客情報をすぐにリストにして営業メンバーに共有できるようになりました。また、営業内容もオンラインで管理することで、成績の良いセールスマンがどんなスケジュールで、どんな方法で営業活動しているのか見えるようになります。そうするとほかのスタッフの営業力アップにも寄与できる可能性があるのです。

インサイドセールスのデメリット

①顧客との信頼関係が希薄になりやすい
直接訪問するということは営業側としては骨の折れることですが、逆に顧客にとっては訪問までしてくれたという信頼感につながるケースも多いです。そういった関係が築きにくくなるというデメリットはあります。

②複雑な説明や商談には不向き
例えば高額であったり、商品が複雑で説明が多岐に渡るようなものの営業活動の場合、対面しなかったり商品自体を見ないで顧客に購入を促すのは非常に難しいです。例えば車や家をオンラインだけで購入を決定するというのは難しいとイメージいただけるのではないでしょうか。

フィールドセールスのメリット

①顧客と密な信頼関係が構築できる
フィールドセールスのメリットはインサイドセールスのデメリットの裏返しでもあるのですが、その一つが顧客との信頼関係の構築と言えます。
単にメールや電話、オンラインのやりとりをしているよりも直接対面することで表情の小さな変化を読み取ることができ、細やかな営業活動が可能になります。また顧客側では、わざわざ足を運んでくれているという事実が顧客として大切にされているという気持ちの醸成にもつながります。

②複雑な説明や商談が可能
もう一点のインサイドセールスのデメリットの裏返しとしてのフィールドセールスのメリットとして、複雑な説明が必要な商品のセールスが可能であるということです。直接話して必要な体験のサポートをすることができるのは面と向かって話すフィールドセールスの得意分野と言えるでしょう。

③より深い情報を顧客から得られる可能性がある
もう一点のメリットとしては「より深い情報を顧客から得られる」という点があります。具体的には顧客と対面して接客することでわずかな変化をキャッチしやすくなります。その変化に応じた提案の変更ができたり、顧客の方から個人的な情報やインサイトを開示してくれる可能性が上がるのです。

フィールドセールスのデメリット

①移動に時間・金銭的なコストがかかる
フィールドセールスの第一のデメリットとしては、移動時間と移動にかかる金銭的なコストがかかることです。営業をしている時間だけでなく、移動時間についてもコストととらえると非常にもったいないと感じるでしょう。

②訪問に人的リソースを取られる
フィールドセールスでは訪問・対面でセールスを行うので、一人の営業マンに対して対応できる顧客は一人です。対してインサイドセールスであればITやメールなどを使って一度に多くの顧客に対してアプローチが可能です。また、インサイドセールスでは時間や場所の制約が緩和されるのでこれまで営業の第一線で活躍しながらも長距離の移動は難しいというシニア層や、家事や子育てで時間的な制約のある子育て世代がリモートで活躍しやすくなりますが、フィールドセールスのそれには限界があります。このように人材活用の面においてもフィールドセールスはやや難しい側面があります。

インサイドセールスに向いている営業例

次に、インサイドセールスに向いている商品はどんなものが考えられるでしょうか?
また、インサイドセールスに向いていないとされるものでも工夫次第でインサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせて対応することで営業業務の効率化を図ることができます
まずはこちらの表をご覧ください。

abcd-pc

このように、営業のタイプは商品の値段と、商品説明の複雑さで四つに分けることが出来ます。
インサイドセールスを全面的に行っても全く問題なく、むしろインサイドセールスに向いているとされているのはAの安価で商品説明にも煩雑さがない商品です。リモートで行っても説明がある程度のレベルを保てれば即購入に繋がりそうな価格帯の商品のセールスこそ、積極的にインサイドセールスに転換し、効率化を図ると良いでしょう。

一方、それ以外のタイプではインサイドセールスをすべての営業活動に転換するのではなく、営業の一部ないしは多くをインサイドセールスに切り替えることで現状より営業効率が向上する可能性があります。

上記の表で言えば、BやCの営業活動ではインサイドセールスとフィールドセールスをうまく組み合わせて効率化が図れるでしょうし、Dの場合は、フィールドセールスを補助的に活用する方法が効果的かもしれません。

また、ITの世界では安価で質の良いクラウドサービスが多数リリースされ始めているのでそうしたサービスを積極的に利用することにより、インサイドセールスの守備範囲は現状より比較的に広がっていく可能性も秘めています。
しかしインサイドセールスを増やしすぎた結果、
①フィールドセールスを減らし過ぎて、顧客の不信を招いてしまった。
②遠隔での商品説明でメリットがわかりづらくなってしまい、見込み顧客を逃した。
というように、効率化を図ろうとするばかりに顧客への信頼を失ってしまうこともあります。気を付けましょう。

タイプ別インサイドセールスの導入方法

次に、今ご紹介した営業のタイプ別にインサイドセールスの導入方法についてみていきましょう。

全面インサイドセールスが適しているケース

まず、インサイドセールスの全面導入が適しているケースについてみていきます。
一般的な営業活動の流れである、
①営業用リスト作成
②アポイントメント獲得
③ヒアリング
④営業
⑤見積もり作成
⑥契約

という一連の流れを全てインサイドセールスによって置き換えるという手法です。
低価格、説明や商談が比較的簡単な商品の営業においてはすべてインサイドセールスに置き換えることで移動コストや時間を大幅に削減できます。
営業用のリスト作成はITでデータ化し、アポイントメントもメールや電話を中心に行います。実際の商談では、テレビ電話やWEBなどのツールを利用することで遠隔にいながらもお互いに顔や商品を見ながらコミュニケーションを取ることが可能です。
このようにフィールドセールスのすべてをインサイドセールスに置き換えた例として、数万円規模で行える手頃なリスティング広告運用サービスを提供しているある企業があります。その企業では新規営業件数の最大化を目的に全面的なインサイドセールスの導入を行いました。すると、訪問による移動時間削減で受注が3倍に伸びたのだそうです。

インサイドセールスの一部導入が適しているケース

先に示した一般的な営業活動の流れである、
①営業用リスト作成
②アポイントメント獲得
③ヒアリング
④営業
⑤見積もり作成
⑥契約
のうち、一部をインサイドセールス導入すると効率化が図れるケースについて
みていきましょう。
先程のタイプだと、BからDのタイプにあたります。
例えば③のヒアリングまでをインサイドセールスで行い、④の営業以降をフィールドセールスで行うという方法があります。ヒアリングまでは遠隔でメールやITツールを駆使して行うことで顧客の具体的なニーズをデータにしておきます。すると、クロージングを円滑に進めることが可能になります。フィールドセールスではある程度その商品について知識を深めていただいている顧客に対してクロージングのみに集中して営業が出来るので、アプローチの仕方も顧客のニーズや商品の疑問点について細やかに変更することも可能です。
また、②のアポイントメントから直接対応した方が良いというような場合もあるでしょう。その際は①のリスト作成をインサイドセールスに変更してみましょう。要は顧客情報のデータ化です。詳しい顧客情報をデータ化し、営業のチーム内で共有することで、効率を上げることができます。例えばフィールドセールスに向かう際にも効率の良い顧客回りが実現できたり、顧客からの問い合わせがあった際、スタッフ全員が対応出来るということもあります。また、メールやオウンドメディア、SNSなどで定期的に情報発信していくことで見込み客から顧客へと育成(ナーチャリング)し、顧客にしていくことも可能です。そうなればその先のアポイントや営業もスムーズに行われます。

インサイドセールス成功のポイント

最後に、インサイドセールスの成功のポイントを3つご紹介していきます。

1)フイールドセールスとの密な連携

これは一部をインサイドセールスに切り替えた場合に特に注意が必要です。これだけITが進んでいるので、顧客データはじめ必要な情報の共有をインサイドセールスとフィールドセールスの間で行なっていくことが肝心です。顧客も情報の共有はなされているものと思っているので、これを怠ってしまうと効率がむしろ下がったり、顧客の信頼を損ねる結果になります。1人の顧客の信頼を損ねてしまうと、その売り上げが見込めないだけでなく顧客からの紹介でのさらなる売り上げといった波及効果も見込めなくなります。
また、逆にフィールドセールスを行う時に、定量・定性でどの顧客において知っておきたい情報があった場合、フィールドセールスのメンバーで質問内容をしっかり揃えて置かないといざデータ化する際全く意味のないものになっている、ということもあります。より効果を上げる営業活動にするには、このようなセールスのメンバーでの情報共有や擦り合わせが非常に重要です。

2) マーケティング組織との密な連携

インサイドセールスはフィールドセールスより営業活動の回転数が高いので、その情報量も当然増えます。その情報をマーケティング組織にすぐ連携することでその情報を適切に加工し、このような有益な情報としてフィールドバックを得ることが出来ます。その情報を活用すれば効率のよい営業活動になり、さらにPDCAのサイクルが上がっていくことになります。
○ノイズの除去:リスティング広告などで得たデータはノイズが入りやすいのでそれらを除いてもらうことで効率よく営業に向かえます。
○受注見込みの高い顧客がわかる:ターゲットを細かいデータ分析で細分化することが可能になるので、より受注見込みの高い顧客を選びとることが出来ます。また、似たようなニーズや志向を持っている顧客をセグメントして提案内容に変化をつけたりと、より響く営業活動が実現できるようになるでしょう。

3) ナーチャリングのシナリオ設計

最後のポイントはナーチャリングのシナリオを戦略的に設計するということです。ナーチャリングとは、育成という意味があり、マーケティングでは買ってくれる見込みのある客(見込み客)を顧客化していくという場面で使われる用語です。見込み客はまだ購入の意思は固まっていません。それをどのように顧客化させるのかというストーリーを営業のチームで構築し、インサイドセールスとフィールドセールスのそれぞれの分野でどんなアクションに繋げていくのか戦略立てて共有していくことが重要です。
まずはマーケティングで見込み客がどのような志向を持っているか、どういった情報を求めていてどのような状況になれば商品を買ってくれるのかを見いだします。

インサイドセールスでは、SNSやホームページ、オウンドメディア、メールマガジン、カタログなど対面ではないあらゆるツールを検討して見込み客が知りたいことを必要なタイミングで提供するようにします。
フィールドセールスでは、実際に対面して話した結果感じたり得ることのできた情報を分析し、次の営業の提案に繋げます。
このように、インサイドセールスとフィールドセールスがデータに基づいてナーチャリングの戦略を立て、計画的に営業活動していくことで顧客化できる可能性が上がっていきます。

最後に インサイドセールスで成功するためにも[ヒト]の力は重要!

インサイドセールスを成功するポイントで重要なカギになるのは人材と人が持つ営業ノウハウのシナリオ化です。社内で十分な人材やシナリオにできるようなノウハウ、知見がない場合、その道専門のプロにそのスキルをインプットしてもらうというのも選択肢です。0から知見を築くのは時間もパワーもとても骨のかかる作業になりますので、ぜひ即効性が高く専門知識もあるプロの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

azusa watanabe
渡部 梓

大学卒業後アパレルメーカーで販売、ディストリビューター(在庫管理、換金計画策定等)、店舗支援を担当する。結婚退職後、転居し地方公務員へ。個人住民税課税業務に従事。第一子育休中に再転居により公務員を辞し、無職での保活と子連れの再就職活動を経験する。その後アパレルメーカーでのディストリビューター業務の傍らCARRY ME経由でライティング活動を開始。現在は某企業の社内広報業務を行いながらCARRY MEにてライティング関係の業務委託案件を請け負うパラレルキャリア実践者。プライベートでは二児の母。