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30歳を過ぎてもキャリアチェンジする5つの方法

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30歳を過ぎてもキャリアチェンジする5つの方法

毎日、転職やキャリアの相談に乗る中で、非常に多いのが、
「キャリアチェンジしたいのですが、どのようにしたら良いのかわかりません。」
というものです。

30歳を過ぎてから、経理から広報・PRなど全く異なる領域へのキャリアチェンジはあまりおすすめできません。理由は、十分な経験を積んでからのキャリアチェンジであればともかく、中途半端に2,3年での一分野の経験を積んですぐにキャリアチェンジする人は、下記のような壁にぶつからです。

  1. またすぐにキャリアチェンジしたがる傾向にあり、そうするとキャリアが壊れてしまう(生涯年収も大きく下がる)
  2. 転職時や社内の人事など、他人からキャリアを見た際にも「何がしたいのか、なぜ全く違うキャリアを選んだのか。 これまでの仕事が余程嫌いだったのではないか?」と思われ、深い意図は理解しがたく、合理的な説明も難しくなる

一方、自分の得意な領域をある程度経験した後、周辺領域でのキャリアチェンジであればどんどんチャレンジしていくべきだと思います。 たとえば、新規の法人営業で活躍してきた人が、営業戦略の領域、もしくはマーケティングの領域へのチャレンジは周辺領域で、キャリアアップに十分成り得るものです。 

とはいえ、みなさんの本音としては、 「全く違う領域も見てみたい」 「どうしても今いる分野は合わないので、全く違うキャリアでチャレンジしたい」 という部分も多いのではないでしょうか? 現実には、27歳、28歳くらいであれば転職してキャリアチェンジもできるのですが、30歳にもなってくると得意な分野、経験してきた分野が決まってくるため、わざわざ未経験の方を採用する企業は多くありません。

では、30歳を過ぎてキャリアチェンジするにはどうしたら良いのか? 今回は、「30歳を過ぎてキャリアチェンジをする5つの方法」としてそれぞれご紹介します。

1. 社内で異動を申し込む

キャリアチェンジを考えたら、まず考えてみるべきは社内異動です。 転職ほど環境を完全に変えることはできないものの、社内での異動であれば社内事情も把握できるので、人間関係や給与の大幅な変動といったリスクは避けることができます。 そのときにキャリアを成功させるために重要なことは以下の2点です。

  1. 今の仕事で結果を出す 今の仕事で成果を出せないまま異動願いを出しても、上司の方からは「逃げている」と思われたり、生意気だと思われるだけで、異動が叶わないケースが多くあります。 
  2.  本当にキャリアチェンジしたいのか、その次にしたい仕事は自分のキャリアにつながるのか、社内で調べる よくあるパターンが異動したいと思って異動願いを出したものの、異動が叶ったと思ったら、全然思っていた仕事ではなく、後悔する、というもの。 もしくは、仕事は面白くてもキャリア上は元の業務の方が付加価値が高く、「もったいない」ということも。

2. MBA取得やスクールに通うなどして何かスキルを身につける

一般的にキャリアチェンジする方法として最も薦められていますが、得てして大学院やスクール等は高額なところが多く、また完全に1年、2年等仕事を休んでしまうとキャリアが失われることにもなるので、あまりおすすめめはしていません。

ただ、一流校へのMBA留学等は良い人脈ができる等の価値も大きく、キャリアチェンジを実現できている方も多くいるため、一概に良い悪いは判断できません。 ちなみに、「MBAを取得すべきかどうか、取得するなら海外か国内かの判断基準」については別途記事を作成していく予定です。 年齢などもあり、ケースバイケースですが、基本的には、目的ごとに考えると、転職するためにMBAを取得しておくというのはOK(悪くない選択肢)、スケールさせる事業を創る・起業するためにMBAを取得しておくというのはおすすめできない(MBAの学費を起業に割り当てた方が効率的)、フリーランスになるためにMBAを取得しておくというのは全くナンセンス(MBAではフリーになるためのノウハウは得られません)、です。

MBA取得後、キャリアチェンジとして成功しているケースは、 コンサルティングファームへの転職、金融関連の会社(銀行や証券、外資金融等)への転職(ただし20代でないとなかなか難しい)、等が多いですね。

3. チャレンジしたい領域において、ブログ等でアウトプットする

チャレンジしたい分野において、アウトプットしていくことは非常におすすめめです。 アウトプットするためには、アウトプットの分量の10倍も100倍もインプットしていかないといけません。 つまりそれだけノウハウが自身に貯まり、1年も継続できれば経験者とまで行かなくても、経験者に近いくらいのノウハウが貯まるでしょう。 たとえば、「(未経験だけど)PR・広報担当になりたい」と思っているケースを想定してみましょう。

 「PR・広報業務の基本」 から始め、 「A社のPR・広報戦略まとめ」、 「B社の広報・PR業務では■■をすべき」  など、いくつか設定し、ブログ等にアウトプットとしてまとめていくことは非常に意味があります。

もちろん、アウトプットのためには、書籍、実務経験者へのインタビュー、Web情報等から、大量のインプットを得て、分析していく必要がありますので、専門知識を身につけることができます。 ブログにすることの意味は、他の人に読まれる、という良い意味での緊張感があり、正しいことを書こう、面白いことを書こう、というインセンティブが働くことです。 本などは読むだけで終わることが多いと思うのですが、複数の視点を入れて自分でアウトプットすることで自身のノウハウになります。 なにより、こうした作業を繰り返していくと、「広報・PR」においては経験者にかなり近づけるので、応募できるようになり、履歴書や職務経歴書でアピールできればブログを見た担当者は採用したくなることでしょう。

※書類を送るときは、履歴書等でアピールするだけでなく、ブログの自信のある部分をプリントアウトして紙でも送ることをお薦めします。 履歴書や職務経歴書に書くだけではわざわざWebにアクセスして見ない可能性もありますので。 もちろん、内容がプロから見ても、それなりのレベルであることが条件ですが・・・ そのブログがプロから見ても唸るようであれば、年齢や他の基準を満たしていなくても、書類を通過することも十分にありえます。

4. 社外で副業ないしインターン等で活動してみる

4つ目は、上記の「チャレンジしたい領域でブログ等でアウトプットをする」をもっと実践に近づける形で、「社外で副業ないしインターン等で活動する」ということです。 平日の夜や土日を利用して、「何等かの実践」の経験を積んでおけばそれは未経験ではなく、経験者に近い立ち位置となります。 そのために最も有効な活動がインターンでしょう。 副業の場合、現職の規定の問題もありますし、受け入れ先でも未経験の人をアルバイト等で受け入れることはなかなか難しいでしょう。 インターンで申し込む際も、全くその新しい領域について不勉強で行くのではなく、本やWeb等からの情報収集を十分にしておくとスムーズで、できれば上記のようにアウトプットしておくと受け入れ先からも高評価となり、活躍しやすくなります。

5. 個人事業主になってみる、もしくは小さく起業してみる

本当にチャレンジしたい領域があれば、未経験でも、「まず、小さく始める」ということが大切です。 ただ、未経験でいきなりチャレンジしても失敗する確率が高いので、上記のような

  • 「チャレンジしたい領域においてアウトプットする」(その100倍インプットする)
  • 「インターンや副業でも経験を積んでおく」

という経験をしておくと感覚がつかめるので成功しやすくなります。 ただし、ここでの個人事業主になることの目的は成功するため、ではなく、「キャリアチェンジするために経験を積む」ということなので、「大きな投資は避け、勉強する・修行することに主眼を置きつつ収益をあげられるようチャレンジする」というスタンスとすることをおすすめします。 この「個人事業主に1度なってみる」という選択肢は本当にお薦めで、キャリアチェンジしやすいというメリット以外に、以下の利点があります。

  • うまく行けばそのまま運営し続け、収益化・規模の拡大も目指せる 目的はキャリアチェンジ、転職であっても、プチ起業のつもりで始めた事業が成功すれば、もちろんそのまま運営する選択肢もアリでしょう。
  • その後、キャリアチェンジに成功してもしなくても働くこと・報酬を貰えることに感謝できるようになる 最初の1か月~半年くらいは大変でしょう。なかなか売上もあがらず、必死で営業等も頑張るようになるかと思います。 そうすると、「これまでこんなに給料を貰っていたことは有難いことだったんだ」と思い、次の転職で働くこと、給与を貰えることに感謝するようになり、そうすると職場の人たち・上司と良い人間関係になりやすく、うまく行きやすくなります。 (少なくとも、これまで小さいことで愚痴をこぼしていたような人たちは、そうした愚痴は少なくなるでしょう。)
  • その新しい領域だけでなく、簡単な経理、マーケティング、営業など会社の経営に必要なことを一通り経験できる 1人で独立する、ということは、一人で一通りは全部こなさないといけない、ということ。言い換えれば、一通り全部経験できる、ということです。 こうした経験はどこかで必ず活きるでしょう。 

まとめ

長くなりましたが、キャリアチェンジするにはいろいろ方法はあります。少しでも経験者に近づくために、

  • その分野でのインプットとアウトプットを実施する
  • その分野での社外で副業ないしインターン活動をしてみる
  • その分野で個人事業主として挑戦してみる

の組み合わせをおすすめします。

この記事を書いた人

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大澤 亮

新卒で三菱商事(株)に入社後タンザニア駐在を経て退職し、慶應義塾大学経営管理研究科修士課程入学。

在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立し(株)サイバーエージェントに売却。卒業後は(株)ドリームインキュベータにて経営コンサルティングと投資業務を担当する。

その後、(株)土屋鞄製造所に移り取締役兼COOとして2年半で売上・利益を2倍とすることに貢献。同社退職後2009年に(株)Piece to Peaceを創業し、代表取締役に就任する。

2016年からマーケティング分野を中心としたビジネス界のプロ契約サービス「キャリーミー」を創業。2023年現在、パーソルホールディングス(株)・本田圭佑氏等から投資を受け、日本企業へのプロ契約の普及に努めている。

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