起業・パラレルキャリア物語

アクアビット航海記「ある起業物語」 vol.34~家の処分に本腰を入れ始める

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みなさん、こんにちは。合同会社アクアビットの長井と申します。昨年の8月からCARRY MEさんに連載している「アクアビット航海記『ある起業物語』」の第34回です。前々回から家の処分について語りはじめています。

家の問題に向き合うにあたり、私に力を貸してくださったお二方がいらっしゃます。このお二方をご紹介したいと思います。作:長井、監修:妻、でお送りします。今回ご登場いただくお二方にも事前に読んでいただいています。

家の片付けは防犯あってこそ


私の手元には、弁護士のIさん向けに書いた年表があります。その中で2002年12月29日の出来事としてこう書かれています。

「友人「山下さん」に現住所木造2階建て家屋を貸す」
これはどういうことか補足したいと思います。一言でいうと、うちら夫婦が住んでいた二軒のうちの木造2階建ての方の家屋を山下さんに貸したということです。180坪の敷地に建つ二軒の家屋のうち、うちら夫婦と娘が住んでいた鉄筋三階建ての家屋ではなく、裏手の木造二階建てのほうです。連載十八回で妻とのなれそめを書きましたが、その時の町田への旅行で私が泊めてもらった家です。

山下さんは私の大学の先輩にあたります。ところが私が山下さんと知り合ったのは大学時代ではなく、私が東京に住んでから。私と山下さんにご縁ができたのも数人の人を介して。それ以来18~9年は親しくさせてもらっています。私たち夫婦の結婚式では二次会の受付まで引き受けていただきまして。そんな山下さんはたまたま、うちら夫婦の家から車で20分ほど離れたところの賃貸マンションに住んでおられました。それもあって山下さんにうちの裏の家に住んでもらえないか、と頼んでみたのです。

裏の木造二階建ての家が空き家であること。それはいろいろなリスクをはらんでいました。連載30回で書いたように泥棒を生業とする方や、何かの事情で強盗稼業に手を染める方にとって裏の家は格好の職場。そこが空き家であり続けるかぎり、わが家は必ずやならず者のターゲットになる。さらに、やがて来る引っ越しの際は、二軒の家にたまった四代にわたるモノの処分に難儀することも確実です。

それら問題を解決するためには、裏の家には人が住まねばならないと考えました。うちら家族の安全のためにも。そして山下さんには住んでもらっている間に荷物の片付けを少しずつでも進めてもらえれば言うことなし。そう考えたのです。もちろんその分の労力を考慮し、家賃は破格の値段に設定します。月2万円で町田の駅近一軒家なら山下さんにとっても悪くない話のはず。そうもくろんで山下さんに話を持っていったのです。

契約書の作成を手掛ける

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つまりこの賃貸契約はどちらにもメリットのあるWin-Winになるはず。そして当然、不動産業者は介しません。それところか契約文章の文言も一から私が練り上げました。だからその条文は法的にはきっと穴だらけだったはず。そりゃあそうです。私は法律の専門家じゃありませんから。

でも、文章を自分で作ったことは大きかった。なぜなら、いずれ来る地主との交渉では契約をめぐっては悶着だらけになることは明らかだったから。この時、自分で試行錯誤して契約書を作ったことは良い経験になりました。地主との交渉に役立っただけではありません。“起業”してから基本契約や機密保持契約をいく度も交わす上で必要な法的文書を読むセンスが身についたように思います。

とはいえ、この時の契約は上に書いた通り不備もあったはず。なので契約の体裁はとっていたけれど、友人の間で交わされるお互いの信義に基づいた紳士協定に近い契約だったかもしれません。破ろうと思えば、ほごにできたはず。ですが、最後まで契約に従ってくださった山下さんには感謝です。おかげで、泥棒騒ぎは一人目の妊娠初期の一度だけで済みました。

補償問題の専門家にご助言をいただく

同じころ、私はもうひとりの方とコンタクトを取り始めます。その方とはHさん。連載18回で私が社会と接点を持つためいくつかのオフライン会に出ていたことは書きました、その中でHさんと知り合いました。Hさんは、私の結婚式の二次会にも来てくださり、乾杯の発声も引き受けてくださいました。私の酒飲みとして、人生としての師匠でもあるHさんは、補償コンサルタントでもあります。

補償コンサルタントとはHさん曰く「国が定めた基準に基づいて、建物などの立ち退きに必要な移転の費用を算定する仕事」です。つまり、わが家のように土地の一部が都市計画の一部に引っかかるようなケースの専門家です。もちろん、我が家のように借地権が絡んだケースも豊富に手がけていらっしゃったことでしょう。

私はこのHさんからたくさんのご助言を何度かいただきました。そのうち一度は私が関西の実家に帰った折、うちの母を連れて大阪市内のHさんの構える事務所にお邪魔もしました。さらにHさんは、私が住んでいた町田の家にまでわざわざ足を運び、家の状況をみてくださいました。

前回、私が採るべき7案について書きました。そして、その案の中から地主との交渉の方向性を定めます。私が方向性を定める上でHさんからいただいたご助言がどれだけ役に立ったか。とても一言では言い表せません。なお、Hさんは私たち夫婦と町田市や地主との契約には絡んでいません。そもそも大阪ですし。でも家の問題を解決するにあたってはHさんの役割はとても大きかった。そのことにとても感謝しています。現在もなお。人生や酒の師匠とは別にしても。恩人だと思っています。私が関西に帰省する度、お会いする方の一人です。本稿を書く4週間前にも関西でお会いしました。

家の問題に取り組み始めたのは、仕事でも一息ついた後

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山下さんとの契約を2002/12/29に締結するためには、事前に契約の準備をしておかねばなりません。ということは、私はその数カ月前には準備を始めていたのでしょう。たぶん、2002年の夏過ぎには準備を始めていたはずです。2002年の夏。

その時、日本ではとあるイベントが開かれていました。日本のみならず世界を沸かせたイベント。なんだかわかりますか? そう、日韓サッカーワールドカップです。当時、私はスカパーのカスタマーセンターにいました。そしてカスタマーセンターはワールドカップ景気に沸き、猛烈に忙しい状態でした。私が家のことに着手できたのも、ワールドカップが終わって一息つけたためだと思います。

“起業”したいまも思うことがあります。それは休みの重要性です。仕事が続くと方針転換がしにくい。仕事のベクトルを変えるには、スピードに緩急をつけなければならないのです。ワールドカップが終わった後、私と妻と長女とワンちゃんは1週間、北海道を一周する旅にでました。そこで鋭気を養い、家の問題に向き合う弾みとしたのです。この時に休めたからこそ、家の問題に全力で取り組めたと思っています。休みは仕事に必要なのです。その重要さは、現在も私にとって金科玉条です。

スカパーのカスタマーセンターの仕事に一つの区切りがつき、ようやく家の処分に向けて本腰を入れ始める。それは私にとって一つの転換点でした。その話はまた次回で。ゆるく永くお願いします。

この記事を書いた人

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アクアビット長井

合同会社アクアビットの代表社員としてIT業界におります。kintoneエバンジェリストでもあります。独学の人生です。 旅行、読書、スポーツ、酒、音楽・映画、その他趣味嗜好は広く浅く持っています。
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