起業・パラレルキャリア物語

アクアビット航海記「ある起業物語」 vol.21〜航海記 その10

みなさん、こんにちは。合同会社アクアビットの長井と申します。この8月からCARRY MEさんに連載している「アクアビット航海記『ある起業物語』」の第21回です。前回に続いて起業に至るまでの歩みを語っています。今回は、私の前半生をまとめてみます。

一旦ここで前半生を起業の観点でまとめます

前回、第20回で書いた通り、上京した私。悩める前半生から心機一転、新たな人生へ足を踏み入れます。

ここで後半生に入る前に、今回までの連載の第12回から第20回までを振り返ってみたいと思います。ただ、振り返るにあたり言っておかねばならないことがあります。それは、何が良くて何が悪かったかの判断を拙速に決めてはならないことです。その判断基準は人によって、その時期によってまちまちだからです。ましてや私の場合、成功者ではありません。まだ発展途上の不安定な状態です。不安定な現在を基準にそれまでの人生を判断することだけは戒めないと。

なので、ここでは“起業”したという事実を基準に判断してみようと思います。起業にあたって、前半生の私の何が良かったのか、何がまずかったのか。その“起業”したという事実をもとに前半生のまとめを記したいと思います。

起業への地ならし七つの経験

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まず一つ目に挙げられるのは、私が大学卒業後、新卒として社会に出なかったことです。新卒で採用されなかったことによって、私は社会人としての基礎訓練を経ずに社会に出ました。これは逆にいうと、型にはまらずに済んだともいえます。どちらが良かったかは結果論でしかありません。ただ、人と違うレールを歩んでいるという自覚をいやおうなしに味わったことは、私の起業へのハードルを確実に下げました。また、一つの現場に縛られることなくバラエティに富んだ職場を経験できたことも、私にとってはプラスになったようです。

2つ目に挙げられるのは、私がなにがしかの技術を手にした状態で大学を卒業したことです。学問を修めただけでなく、ブラインドタッチという技をもって社会に出た。これは新卒で社会にでなかったハンデを補うのに役立ちました。もちろん、それだけでは起業には程遠いレベルです。しかし、未熟ではあれ入力オペレータとして派遣登録できるほどには私の経験に役立ちました。後半生の私は上京して仕事をします。そこでは出身大学がどこだろうと関係ありません。人に貢献できる腕が己にあるかないかだけが問われるのです。技術の基礎を若いうちに得ておけたのはよかったと思います。

3つ目は、自分の内面の底を見つめた経験です。人生に悩み、自分の限界や底から這いあがる苦しさを実感したこと。よく「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言います。私の場合はまず、鬱という形で自分自身の壁を乗り越える苦労をしました。また、大学時代の配膳のアルバイトと、ブラック企業で働いた経験は、私の天狗の鼻を容赦なくへし折りました。それらの経験は、自分にとって最善の仕事とはなにか、を目指す上で欠かせぬガイドになりました。起業で苦しくなった時も、過去にそれ以上に苦しい経験を積んでいると心は折れないものです。

4つ目は、人の上に立つ経験を積んでいたことです。私にとっては大学時代の部活がそうです。規模の大小や、種類は問いません。形はなんだってよいのです。どういう形であれ、人の上に立つ経験。それは、起業に踏み切る上で後押しとなりました。さらに私の場合は末端の派遣職員の立場も味わったことで、両側の立場から物事を見られるようになりました。 あと、若い時期に孤独を噛みしめ、孤独に打ち勝つスベを得ていたことも起業には助けとなりました。経営者は孤独なのです

5つ目は、読書の習慣を得たことです。苦しい時期に本を救いを求めたことで、私の精神の基盤を一過性の快楽ではなく、読書の上に築き上げることができました。本の中にはさまざまな価値観が詰まっています。本とは人生をいろいろな価値観から、さまざまな角度から語ります。未熟な若いうちは、実生活で熟練の経験を得ることはそうそうできません。しかし、読書はそれを可能にしてくれます。“起業”して一旗揚げることも、組織の中で全うすることも、読書の中では等しく経験できるのです。それを若いうちに体験できたことは私の人生の糧となりました

6つ目は、新たな人々との触れ合いです。違うフィールドの人と接点を持ち、お付き合いする。それが人生の可能性を広げること。人とのご縁の大切さに若いうちから感謝できたことも重要だと思います。読書で得たさまざまな人生観を、人々との付き合いで実際に確かめることで、それぞれの人にそれぞれの人生の可能性が広がっていることに気づきます。もちろん自分の可能性も。それらの経験は、私の仕事の幅を広げてくれたばかりか伴侶を得る時にも役立ちました。“起業”してからはさらに人々との付き合いが欠かせません。変に人嫌いになることなく、人とのご縁が自分を成長させてくれることを経験できたのは大きいと思います。

7つ目は、瞬発力の大切さを知ったことです。2週間ほどの間で一気呵成に物事を決断し、実行に移した経験。それは私の人生を新たなステージへと進めてくれました。これは起業の際にもあらためて実感したことです。“起業”した後は悩んでいる時間などなかなか取れません。時には後先考えずに飛び込まねばなりません。私がブラック企業に飛び込んで失敗したように、失敗だってあります。でも、過ぎてしまえばそれは結果です。直感に従って決断する。この大事さを肝に刻めたことは私の人生の財産です。

前半生を振り返って

thank-you-3040082_640本稿を書いていたのは、私が常駐先から抜け、真の意味で独立を果たす時期にかぶります。正直に言うと、安定収入が入らなくなったことは苦しいです。ですが、こうやってかつての自分が這い上がろうともがいていたことを思い出すことは、現在の自分にとって無駄ではありません。これからも苦しい時期はあるでしょうが、このころの苦しみと比べると大したことではありません。また、後半生にも苦しい時期は次々とやってくるのですから。

最後に、 私にこういう場を提供してくれたCarry Meさんあらためて感謝申し上げます。本音採用の編集長の野田さんにも。また、つたない私の文章と一生に付き合ってくださっている読者の方々にも感謝申し上げます。 本連載第1回で書いたように、私は個人と家庭と仕事の両立を目指しています。そして、人には人の価値観があり、それを押し付けるつもりもありません。あくまで、私は淡々と自らの起業までの歩みを記すのみ。 引き続き、2018年は後半生をつづっていきます。ゆるく永くお願いいたします。皆様の2018年が良い年でありますように。

この記事を書いた人

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アクアビット長井

合同会社アクアビットの代表社員としてIT業界におります。kintoneエバンジェリストでもあります。独学の人生です。 旅行、読書、スポーツ、酒、音楽・映画、その他趣味嗜好は広く浅く持っています。
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