経営者の採用に対する本音をえぐり出す!

女性営業チームの採用・育成・マネジメントをワンストップで。 雑誌Forbesで受賞した女性経営者が考えるプロ人材とは?

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経営者から事業や採用についての本音を直接インタビューするこの企画。第6回は、SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング)事業を行い、ただ営業をアウトソーシングするのではなく、現場実働を通してファンとなるような顧客づくりやその仕組みづくりをする株式会社Surpassの代表取締役 石原亮子さん。日本最大規模の女性アワード「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017」の企業部門(従業員規模300名未満の部)にて、第3位を受賞した注目の企業です。女性が活躍できる現場づくりや、営業の概念を変えるために第一線で活動されている石原さんの仕事についての課題や採用に関する本音を語ってもらいました。

新しい営業の働き方を作る。今の事業を経てたどり着いた新たな営業の形とは

女性ならでは、女性だからこそできる営業スタイル

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弊社の事業を一言で表すと、営業アウトソーシングです。マーケットの課題解決としては、「人手が足りない」という昨今の大きな課題があり、その解決を行なっています。他の企業と違うところは、女性の営業チームの採用・育成・マネジメントをワンストップで行っていることです。通常の営業アウトソーシングのような、一時的な人材補填ではなく、女性の社会躍進など大企業でも困難とされる課題解決にワンストップで取り組んでいます。

新卒当時、生命保険の営業で働いていた際、みなさまから避けられることも多いのですが、「保険は勧められたくないけど、女性の営業チームはほしい」と言われることが多く、それが面白いと思っていました。実際、女性の営業が強い点として、コツコツした行動が向いているんですね。用事がなくとも通ったり、地道に信頼関係を構築する、本来のコミュニケーションは女性の方が得意ではないでしょうか。

関係づくりとクロージング、2段階で行う新しい営業スタイルとは

「出会ってからすぐに決めてください」「2回行ってニーズがなければ切り捨てる」、そういう営業スタイルはすでにニーズがあるところでクロージングをするのは強いと思います。そういった狩猟型のザ・営業マンと、私たちのような信頼関係構築やそのあとのフォローする御用聞きのような営業マンの2軸で営業を行う仕組みが必要です。それが本当の顧客満足や売上げに繋がっていくのだと思います。

しかし、今のビジネスの投資回収サイクルで考えると、そのチームを自社で育成して作れる人はそんなにいません。そのため、営業アウトソーシングに任せるところは今後増えていくと思います。あとは、自社で営業の育成スキームのない会社が多い中、私たちは100業種を超えるお客様と取引の中でノウハウを集約しているので、そこから傾向値を逆算して、お客様に、横軸で色々な業種を経験したからこそのノウハウを還元していけるような仕組みも今後は形にしてサービスとしうて提供したいですね。

ITリテラシーなしには新しい働き方はできない。ITツールを活用して働くために会社に求められることは?

大企業ほどITツールが使えず乗り遅れている?

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今は様々な営業管理ツールが出ていて、私たちのお客様も導入されているところが増えていますが、結局エクセルと併用しているところは多いですね。今まで我流でやってきて、マルかバツかだけ報告すればよかった営業の方からすると、手間も増えるしなぜ現場にそのツールが投入されるのか意味がわかりません。経営側、マネジメント側からいうと、マル・バツだけではなく、サンカクを加えたりして、可視化して、そこでの課題を顕在化させたいんですけどね。先を見据えてITを使いたい経営側、日々の業務に負荷がかかることを嫌う現場側、そのギャップが企業成長の妨げに繋がっているのではないでしょうか。

「異文化」を取り入れて新しい未来を描き共有することができるか

ITを活用することで、本来は生産性向上に繋がると思います。例えば、クラウドを活用すれば同じフォーマットでデータがまとめられているため、チーム内に共通認識が生まれますよね。反対に、同じお客様のデータでも毎回違うフォーマットのエクセルで上がってきたら、この共通認識は起きません。パッと見て取引先との関係性がどういう状況かを、部長が見ても新人が見てもわかる状況が必要です。そのためにツールが必要になるのだと思います。これができないままチームや在宅や時短を行うのははとても危険です。

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そのためには、初期の段階で社内のITリテラシーを向上させること、そこに莫大な時間をかけてもやりぬく人がいることが重要になります。これはツールに限らず、私たちのような営業アウトソーシングサービスも同じです。今の会社にとって「異文化」となるものを使いこなすことでどんな未来が描けるかを共有できて、起こりうるであろういろいろな困難を予想した上でそれでもやるという強い意志を持った方が社内にいないと活かされないものだと思います。

一緒に働く相手とは信頼関係が第一!顧客づくりのプロが求める「プロ人材」は?

信頼関係が築けるかどうかが1番の基準。日々の業務でも信頼づくりを

弊社では採用において、信頼できるかどうかを1番のベースにおいています。価値観なんかが違っていても学ぶことはあると思うのですが、それはまず先に信頼関係が構築できていないと、お互いが享受することはできませんよね。信頼関係は業務の中でも重要視していて、そのために「無用の用」を大事にしています。LINEのスタンプを送りあって遊んだり、くだらない話をしてみたり。

今の世の中は全体的に遊びや無駄が足りないと私は感じています。これがなくなると、精神的な余裕が減り、いざという時に本音で話したくても変な力が入って本音で話せなくなってしまいます。そうすると、互いの関係や業務にも支障が出ますし、信頼関係とその構築は大事なことではないでしょうか。それと比べると、スキルももちろん大切ですが、信頼関係の構築はより大切だと考えています。どこに入ってもいきなり仕事ができる人もあまりいないと思いますしね。

同じビジョンを共有して信頼できる仲間だからこそ管理は最小限。究極の性善説経営とは?

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現在管理部では、育児をしながら週4または時短で勤務を行う方が2人います。営業の方には、今はフルタイムでお願いしていますが、今後は営業でもフルタイム以外で勤務される方が出てくると思います。今でもマネージャー以上は裁量制なので、特に時間などの管理はほとんどしていません。そのため、いつ出勤してもどこで仕事をしていても特に何も言わないです。未来についてとことん話し合ってビジョンを共有しているので、指示をしなくてもどんどん新しいアイデアを出し合える環境をつくったり、お客様や仲間のためにと積極的に動いてくれるので、むしろ管理なんかしたらもったいないと思います(笑)究極的に言えば性善説の経営にチャレンジしています。

最後に

昔の発想かもしれませんが、会社は第二の居場所として、自己実現や自分の人生を豊かにする上で大きく時間を使うことができる場所だとおもっています。Surpassという居場所で、人間臭く、人の体温を感じながら一緒に成長できたらと思います。そうして、営業という概念や仕事の仕方を変えていけたら良いのではないでしょうか。

 

インタビュアー(大澤 亮)

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5度の事業立ち上げを経験し、過去に2度事業売却したシリアルアントレプレナー。
1996年に新卒で三菱商事株式会社に入社、タンザニア駐在経験(ODA担当)を経て、帰国。同社退職後、1999年に慶應義塾大学大学院(経営管理研究科修士課程)に入学と同時に起業、2度売却。(1つは米国企業に売却、他方はサイバーエージェント社に売却) その後、株式会社ドリームインキュベータに入社し、大手企業とベンチャー企業両方のコンサルティングに加え、海外ベンチャー企業投資も担当。
同社退職後、土屋鞄製造所に取締役兼C.O.O.としてコンサルタント的な立場で入社し、2年で売上20億円から45億円、経常利益も2倍以上の実績に貢献。
その間、専務取締役となり、人事も管轄し人事制度の基礎をつくる。
2009年 株式会社Piece to Peaceを創業、2015年に「仕事が舞い込むプロになる ~週一のプロジェクトから転職まで~ CARRY ME」の構想を立ち上げる。 
以来、500人以上の経営者や人事担当者から採用の相談にも応じている。
特に、「採用ライティング」(採用のための書き方)はセミナー等で頻繁に登壇。
著書 「世界をよくする仕事で稼ぐ」 (プレジデント社より出版)
アカデミーヒルズ(六本木)、トーマツイノベーション等での講演多数。
※トーマツイノベーションでの勉強会講師でのテーマ:
「土屋鞄の元専務取締役が教える、知名度のない会社が、優秀な人材を採用する方法」
「DI、土屋鞄、複数回の起業で学んだ新規事業の創り方」

この記事を書いた人

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我妻 柊哉

福島と東京の2拠点で活動を行うカメラマン兼ライター。
前職ではWebディレクターとして、ランディングページのワイヤーフレーム・コピー制作や記事コンテンツの編集を行う。
その後、生まれ育った地である福島に貢献したい想いからUターン、「福島TRIP」にカメラマン兼ライターとして参画し、観光者向けに福島の情報を発信している。
カメラマンとしては、地元企業のTVCM撮影から都内で行われる1000人規模のイベント撮影まで多岐に及ぶ撮影に携わる。

我妻 柊哉

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